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空音の怪奇譚  作者: 如月颯人
第二章:真宮邸 猟奇的 怪奇事件
19/31

第十七怪 ~追究開始~

投稿です。


少し独り言になりますが

ネット小説大賞七でグランプリを受賞したら

家族の為に100万円を上げたいですね~、それに書籍化すれば嬉しいです

まぁ、グランプリが無理でも金賞でもいいんですけどね。


「では次に修一郎さんお願いします」

「わかりました。葵くんの言う通り皐月くんは体調不良で部屋に戻りました」


葵さんの証言には嘘がないようだ

となると、修一郎さんに何か聞くことはないだろうか

硬い頭を回転させて、1つの言葉が出てくる──


「皐月さんには『同行者』などはいましたか?」

「同行者...... あっ! 確か雅俊くんが一緒にいましたな」


同行者は雅俊さんがいたようだ。

あと3つの疑問がある、『注射器具はあるか』『行動に不自然なことはあったか』『心霊現象が起きたのは正確にはいつなのか』それが解消すれば雅俊さんを追究する事が可能になる。


「次に雅俊さんは『注射器具』などは持っていましたか?」

「注射器具ですか...... 雅俊くんは持病を持っていていつも持っていますな」


雅俊さんは持病だから注射器具を持っているのか。恐らく嘘だと考える

それは何故かと言うとあくまで憶測だけど『恨みを持ってる』もしくは『金目当て』で殺害する為に持っているはず。


「では心霊現象が起きたのは正確にはいつなのか教えてくださ──」

「おいっ! そんなの関係ないだろ!! それを聞いて何の意味がある!!」


予想はしていたが突然雅俊さんが怒鳴り始めた。

顔からは汗が落ち始めている、明らかに知られたくないことがある。


「雅俊くん落ち着きなさい! 今は探偵さんの話を聞きなさい!!」

「そんなの関係ないだろっつてんだよ!!!」


雅俊さんが物を──よく見ればナイフだ──持ち出し暴れ回っている

何をそんなに動揺しているのか私には分からないな。

私は今ここで怪我でもさせれば別の罪で捕まると言う。


「今ここで誰かに怪我でもさせれば傷害罪で捕まりますよ?」

「その通りだ、雅俊さん。それでもいいなら相手に怪我をさせてみろ」


私が言うと力渡はフォローをしてくる。

そして雅俊さんの動きが止まり、ナイフをその場から落とす。


「はぁ...はぁ...... 申し訳ありません。少し取り乱しました」

「雅俊くん、もう一度言うが今は探偵さんの話を聞きなさい」


修一郎さんがそう言うと雅俊さんは息を切らしながらも頷いて座る。

やっとこれで話を進める事ができると思い安心した。


「では心霊現象が起きたのは正確にはいつなのか教えてください」

「はい、それは二週間前からでラップ音が聞こえまして。その頃は雅俊くんが執筆として初めて来た日でしたな。」


二週間前からラップ音、そして初めて雅俊さんが来た日......

ラップ音というのは雅俊さんが何かの仕掛けをしてる音だろう

──そう言えば雅俊さんの顔が青ざめてる。どうでもいいか。


「雅俊さんに不自然な行動はありましたか?」

「少しありますよ、いつも皐月くんと一緒にベッタリといたり、お金はいくら持っているのか聞いていたそうです。」


私の考えてる事は合っている。

雅俊さんは恋を裏切られたから逆上して殺したわけでもムカついたから殺したわけではない...... 『金目当て』であの残酷な殺害計画を立てたんだ。


「分かりました、次は尋問を行います。」

「じ、尋問っ!?」


私以外の全員が同時に口を開き喋る。

そして雅俊さんはと言うと、放心状態になっている。

もう直ぐ待っててね、今から絶望の淵に陥れて皐月さんの為に苦しんでもらうから。


「おい、空音。尋問とかいきなりすぎるだろ?」

「いきなりかもしれない、けど早く犯人を捕まえないと逃がしてしまうよ?」


力渡は慌てた様子で私に話す。

確かにいきなり尋問はまずかったかもしれない。

しかし早く犯人を捕まえないと凶悪殺人鬼たなかまさとしを逃してしまう。


「確かにそうだったな、というかお前凄いよ。」

「えっ...... 何が?」


力渡は私に変な事を言う。一体何が凄いのだろうか

それに初めて褒められ照れてしまう。


「もう真相まで近づいてる、こんな事僕には出来なかったのにな」

「えへへ、そう? ってそんな事より尋問を開始するよ」


私がそう言うと力渡はニッコリと笑う。

──微かに小声で何か聞こえたが空耳だと思い尋問を始める。


「では田中雅俊さん事件前に何をしていたのかを証言してください」

「は...? え...... それはそうですね。」

.........


──事件発生前は不審者がいないか屋敷の見回りをしていた...っす

それで夕食の時間になったので食堂へ向かって飯を食べたんです

修一郎様がテレビを点けた瞬間に皐月様の悲鳴が聞こえてたそうですが...... 私には聞こえてなかったんで飯を食べ続けてました......──


.........


「これで話は終わりっすよ? もう止めてくださいよ......」

「いえ、まだ尋問は終わりませんよ?」


私がそう言うと田中雅俊は力が抜けたかのようにフラついてる。

そして今ここで尋問を終わらせば相手に有利な状況を与えて逃がしてしまう

だから『追究し続けなければならない』んだ......!


「それで、田中雅俊さんの証言にはいくつかの矛盾があります」

「え?」


黙っていた皆が戸惑い始めた。少人数なのにザワザワと声が聞こえてくる

そして葵さんはその矛盾がどんなのかは分かっている顔をしている。


「葵さん、少しいいですか?」

「は、はい!? 何でしょう?」


葵さんは突然話し掛けられて動揺している。

それでもそのキリッとした姿はまるで、何かの使命を果たす者に見えてくる。

葵さんを利用すれば田中雅俊を絶望の淵に陥れる事ができるかもしれない。


「葵さん、合図を出しますので貴女が思ってる矛盾を答えましょう。」

「そんな自信がありません...... それに私はまだ素人なので」


葵さんは探偵ではない。けど、素質はある気がする

それは周りの皆を見れば分かることで、力渡と私、葵さん以外は何処が矛盾なのかが分かってない様子をしているからだ。


「大丈夫です、自分に自信を持ってください。貴女なら出来ます」

「......はい、畏まりました。探偵さんの合図と同時に言います。」


少し沈黙の間があったが、葵さんは自信を持ってくれたようで

私の頼みを聞き入れてくれた。

そして、もうすぐ田中雅俊を陥れる事が出来る──

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