表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空音の怪奇譚  作者: 如月颯人
第二章:真宮邸 猟奇的 怪奇事件
18/31

第十六怪 調査の行方


──私だけでも証拠を見つけ出してやるのだから...


「力渡、殺人現場へ行くよ」

「お、おう? それにそんな険しい顔してどうしたんだ?」


私は黙ったまま殺人現場へと向かう。

力渡は何かを察したのか黙ってついて来る。

そして沈黙が続く中、いよいよ殺人現場へと到着する。


「そ、空音...... 一体──」

「力渡は部屋の調べてない場所へ細かく調べて」


私は力渡が言い終える前に部屋を調べてほしい。と言う。

そして力渡は納得いかなさそうな顔をしながら頷き部屋を調べる事になった。


「この中に証拠が隠されてるはず...... 殺人のトリックを見つけないと」


私は先にワイヤーがあった天井を調べることにする。

手を切るのに気をつけながら調べていると......

ワイヤーを動かせそうな機械があった。


「これって噂の受信すると動く機械だよね?」

「ん? 空音...... それってもしかして」


恐らくこれで遠隔操作してワイヤーの位置を下げたりしていたのだろうか

中々手が込んだ仕掛けだと思う。


「あ、そうだね...... ワイヤーを動かす機械だろうね」

「機械は分かるがこれだけで切断出来るわけだな。だが、どうやって操作したんだろうな?」


私にはとっくに分かっている事だ。今までの出来事を整理してみよう

食堂で食事を取っている時に、修一郎さんはテレビを見ようとリモコンで電源を点けようとした直後に『悲鳴』が聞こえた......。

つまり、リモコンが操作されると動くトリックになってることだ。


「それはテレビのリモコンを点けた時に起動する仕組みになってるみたい」

「はっ...? となると、犯人は修一郎さんなのか?」


力渡は馬鹿なんだろうか、普通どう考えても違うでしょ。

リモコンを点けた時に起動する仕組みになってる、つまり仕掛けを知らない誰かがリモコンを操作すると起動して一気に切断...... という感じだろう。


「違うよ、犯人は誰かに操作させて殺すように仕向けただけだよ」

「そう言うことか、理解した。だが皐月さんが部屋にいなかったら殺せなかったはずだろ?」


力渡の言う通り皐月さんが部屋にいないと殺す事もできない。

誰かが皐月さんが自室にいる事を知ってないとダメなはずだろう。


「そうだね、そこまでは分からないから聞き取り調査をするしかないね」

「そう言うと思った。それじゃあ部屋から出て行って食堂まで戻るか」


力渡はそう言うと部屋から出て行き皆が集まってる食堂へと戻る。

そして私も力渡の後を追うように食堂へと戻った


「あぁ、探偵さん方...... それで犯人は?」


修一郎さんが暗い表情をして此方を見る。

まだショックが治ってないようだろうか......


「まだ分かってませんが、今から聞き取り調査をしたいと思います」

「聞き取り調査ですかな? 別にいいのですが」


他の人達を見る限り皆賛成のようだ──そう一人は除いて

そいつはあの雅俊さんだ、不満そうに此方を見て言う


「聞き取り調査ですかぁ? そんな事やっても皆様は犯人なんて見てないんで意味ないと思うんですけど違いますかぁ?」


相変わらずウザい...... その言葉遣いをしてるのも今のうちだ

絶対に雅俊さん、貴方が犯人という証拠を見つけて捕まえてやる。


「いえ、犯人を見たというのじゃありません...... 皐月さんは自室にいたかどうかを聞きたいんですよ」

「は、はぁ? 自室だと......」


当たりだ、雅俊さんが酷く動揺している。

自分が犯人だとバレてしまうからと分かってるからだろう。


「はい、ご協力お願いしますね。もしかして──知られたくない事を隠してるんですか? 厭らしい考えをお持ちですね」

「は...はぁ? 何言ってるんですか? 隠してねえよ...」


何処からどうみても隠してる様子が丸分かりだ。

このまま聞き取り調査をすれば明らかになるだろう。

そして力渡はニッコリと笑っている。


「では、今から聞き取り調査を開始します。まずは葵さんからお願いします」

「畏まりました、皐月さんは体調が悪い理由で自室へ戻っていました。因みに食事はいらないとか言っていました。」


皐月さんは体調が悪いから自室へともどった......

これだけじゃ足りなさそう。


「では、急に体調が悪くなったんですか?」

「いえ...... 何かに刺された跡が出来てからですね。その跡を見たのですがダニか何かと思い『気にしなくてもいいのでは』と言いました。」


ダニに刺された跡...つまり私が手首を見た時に出来ていた物だろうか

このまま疑問が残ったまま話を終えるのは嫌だからその跡を葵さんに見せる。


「ダニに刺された跡というのはこれでしょうか?」

「──ッ!? そ、そうです! 正にこれです!」


私は安心して心が揺れた感じがする。

どうやら皐月さんは私と同じような薬を打たれて気分が悪くなり自室へと戻ったんだろうか、何か臭いがしていたのであれば確定だけど


「最後にお聞きしますが、皐月さんから何か臭いはしましたか?」

「あっはい、しました! レモンのような香りがしてました!」


やっぱりだ...... 皐月さんは雅俊さんに私と同じような薬を打たれていたんだ。となると雅俊さんを捕まえるのにあと少しだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ