第十一怪 異空間の世界 後編
休みだったので存分に書けました
4日間は投稿スペースは毎日投稿なりそうなので心配してくれてた方は申し訳ありません。
──私は走り続けた。あの怪奇は追ってきてるのか?
今は後ろを振り返る場合じゃない、早く、出来るだけ距離を離したかった、
「はぁはぁ...もう来てないよ...ね」
私は振り返った。しかし、まだ怪奇は来ていなかった。
緊張と不安が漂う中、私は何をすればいいのか考えた
「そういえば壁に違和感があったから、切り裂いたらこの世界があったんだよね」
そうだこの白黒の世界にも違う壁、もしくは物があればそれを切り裂けば
出口へとの道が出るかもしれない。しかし今のように出口だと思っていたらまた別の世界という考えもしておかないといけない。
「周りを見る限り壁とか天井と床に不自然な物なんて見つからない...」
白黒の天井、壁、床を一目見た限り見つからなかった
それだけじゃ見つからないか。と思い私は念入りに調べる事にした。
「調べてみたけど何もない...。もしかしたら歩きながら先に進んで調べて行かなきゃいけないのかな。」
私は再び白黒の世界となっていた屋敷を歩き始めた
こうやって私は歩いているけど、実際は吐きそうな程怖がっている。
小学生の子供だったら泣きながら大声で親を呼んでいる状態だったはず
もしかしたら高校生でも泣いてる可能性があるかもしれない。
「どこも同じ...景色ばっかりじゃん。」
だんだん私は歩くのが疲れてくる気配がしてきた。
普段ランニングとかしていなかった所為だと思うけど、こうなる前にしておけば良かったのかもしれない。
「はぁ...何で見つからないの? 怪奇は私に何をしてほしいっていうの...」
私は不意に最悪な事を考えてしまった。もしここから出られなかったらどうなるのか。怪奇にズタズタに殺されて現世に戻れないのか。
そんな事を考えていると後ろ再び異様な気配を感じていた。
「この気配、またあの怪奇? もう嫌だよ!」
気配が私に近づいていきとうとう姿まで見える距離になっていた。
あの気持ち悪い顔は見たくなかった。
「も、もう嫌だって言ってるじゃん!」
怪奇は私との距離15mに来ていた。
怪奇からは禍々しい雰囲気だ漂っている。怖じ気づけそうだった。
「ああぁ...」
私は混乱していると怪物が私に向かって”緑色のパイナップル”を投げた
「──きゃっ!?」
悲鳴を上げて避けた瞬間、第六感からパイナップルから離れないと行けないと私の脳内に直接言っている気がした。そして、離れた瞬間爆発音が鳴り響いた
「...っ!! な、何が起きたの...?」
振り返るとさっきまでなかった床には大穴が姿を現していた。
あの緑色のパイナップルが原因で壊れたのだろうか?
「あのパイナップルが原因で壊れたの?──あれ?」
よく見ると穴からは先ほどの眩い光が輝いていた。
この光はどこかで見たことあるような...
「こ、これって出口への道だよね...?!」
この穴は出口への道なのかもしれない。
前には怪奇がパイナップルを持っている...ん?
怪奇が持ってるパイナップルはもしかしてだけど...
手榴弾なんじゃないか? と考えていた。
「あいつが持ってるのは手榴弾かな? だから床に穴を空けられたんだ」
私は意を決して穴へ降りようとする
「怪奇が私に何かする前に入らないと! この際どうなってもいい!!」
そして転がり落ちるように降りていった
落下すると下を見るのに怖くて目を瞑っていた...
──そして気がつくと変な場所へいた
「ここは...何?」
辺りを見ると周りには見覚えのある民家と建物が並んでいた。
ここは...私の村なのだろうか?
「あれ...私は長い夢でも見てたのかな」
私は背筋を伸ばして欠伸をした。
今まで見てたのは夢だったんだ。そう思い込んで自分の家へと向かった
「はあはあ、お母さんに会いたいです! この話を言わないといけないです!」
いつの間にか私の言葉遣いは敬語に戻っていた。
また元に戻ってしまうのだろうか?
そして、家に辿り着いて玄関の扉を開けて”いつものの挨拶をした”
「ただいま、お母さん!」
挨拶をしたのはいいものの返事が返って来なかった
少しだけ嫌な感じが私の身体へ伝ってきた。もしかしたら死んでる?
いや、お母さんはきっと出掛けているだけだ。と自分に言い聞かせていた
「お母さ~ん...? いるんですよね?」
しかし何度声を掛けても返事が返って来ない。
やっぱり出掛けているのか?
ひとまず靴を脱ぎ捨て家の中へと入り、居間へと向かった。
居間へ着いた時ふと、嗅いだことのある異臭がした
「そんな、これは血の臭いですか...? お母さん、嘘ですよね...?」
血らしき臭いは机の下からする...
覗くと”赤い何かと人間”が私の視界に映った
「ひっ...!? お母さん! お母さん!!!」
その人間の正体は明らかにお母さんだった。
腹に複数の刺し跡という酷く惨殺されていた。
「あ”あ”ぁ”...空音エェ...」
「お、お母さん!? 何があったんですか! 誰にやられたんですか!」
いや、惨殺されたと思っていたお母さんは生きていた
今こうして喋っているのだから──ん?
喋ってる...? 何を思ってるの私は...だってお母さん...
『口が動いてない』よね? どうやって喋ってるの?
「えっ...? 喋ってるのはお母さんじゃない?」
「じゃあ、今こうして喋ってるのは誰なの?」
私の後ろから感じたことのある気配を感じる。
奴だ、これは夢じゃなかったんだ...
その後にドスっという音が鳴った瞬間、私の頭から鋭い痛みが襲った
「──がっ...?!」
私はドサッと音を立てながら倒れ込んだ
痛みのあまり言葉がでない
「う...うぅああっ」
私はただ呻き声しか上げる事が出来なかった。
油断するなんて馬鹿だ...もう、何だか眠たくなってきた...
力渡...力渡ごめんね...あれ、力渡って誰だろう?
力渡...か。




