第九怪 真宮邸の怪奇、心霊現象
夜分遅くに投稿です。
今回から第二章が開始します
後々恐怖感が増していくのでお待ち下さい
因みによく聞かれる事は評価は別にしても大丈夫です
ブックマークは続きを読みたい方だけしてもいいです。
追記:40pt突破しました、評価と見て下さり誠にありがとうございます。
──力渡に名前を教えてから丸一週間が経った
先ずは調査という事の為、依頼をしてくる人がいないか待って──いや、自分から行ってと思うけど──いた。そして、金守村の大きい屋敷で心霊現象が起きてるから何とかしてほしい。と屋敷の当主に依頼されていた。
詳しい話は聞いてなかった為分からなかったけど大変困っているようだった
──金守村の真宮の屋敷前
「力渡、本当にここが例の依頼してきた当主の家なの?」
自分は未だに金持ちの家から依頼されてる実感が湧かなかった
それは3日前までは悪戯の依頼をされていた為だから。
「おう、ここであってるぞ。ちゃんと真宮と書かれているからな」
「へ、へぇ。依頼主が金持ちだなんて意外だった...でもここを調査するなんて無理があるんじゃない?」
私はこんな大きな屋敷を調査するなんて無理じゃないか? と言った
どう考えても1日で終わる気配もないからだった。
「何を言ってるんだよ? 調査をしないと怪奇や怪物が現れた理由を究明することなんて出来ないだろ?」
力渡のいう通りだ。私は当たり前の事をうっかりと忘れていた
あの怪物はどうして誕生したのか? 現れたのか? それを調査する為についていったんだった。
「ごめん、それもそうだっ──」
ギイィ...
私が言い終える前に屋敷の玄関からギイィという音が鳴ったと同時に
大きな正門に向かって来る2人の人影が見えた。
その人影をよく見ると、執事とメイドのような人たちだった。
「失礼致します、あなた様が力渡探偵事務所の方々ですか?」
身長が185cm位で年齢は20代前半のくらいの男性執事だった。
その服装は赤と黒が混ざった執事服を着ており、ネクタイをしていた。
メイドさんは何処にでもいるメイドさんの服という感じだった。
「あぁ、そうです。私が力渡探偵事務所の所長の力渡です。こっちは助手みたいなやつです。」
「──ッ?! 助手みたいなやつじゃないわ! ちゃんとした助手だよ!!」
私はその発言が気に食わなかった為に反抗した。
しかし、力渡はニッコリと私に微笑んでいた
「すまない。」
と、私に囁いた。そこで私は納得のいくような考え方をした
何処の探偵事務所ではこれが普通なのでは?そう自分に言い聞かせる事にした。
「早速ですが真宮様の部屋へ案内します。」
「分かりました。では行くぞ助手!」
執事の方がどうやら当主の部屋へと案内するみたいだ
その前に力渡の言い方が慣れない。気にしないようにしよ...ん?
そう言えばメイドさん一言も喋っていない
執事の方に黙っているように言われたのか?それとも...
いや、そんな事を考えてる場合じゃないか。
私は執事の後について行った。
「ここが屋敷の中ですか、初めて見たのですが大きいです」
屋敷の中は私の家とはいえ比べ物にならない程大きかった。
絵画、赤色カーペット、シャンデリアといった貴族感が溢れる物ばかりだ。
「そうですね、私も最初に来た時はあなたと同じ反応でしたよ」
「なるほどそうなんですか...」
私は屋敷の中の周りをグルグルと見渡していた
庶民の私からすれば滅多に見ない家だ、この目に焼き付けておこう。
「それで、今回の心霊現象というのは具体的にどんなやつだ?」
力渡は執事に真剣な眼差しで見ている
やっぱり探偵だな。と、そう思った
「ええ、実はこんな事がありまして」
***
──それは一週間前の話でした。
私たちが働き住まわせてもらっている真宮様のお屋敷で
夜な夜な不気味な笑い声が聞こえてきまして。ポルターガイストつまり、心霊現象が起きまして、人が勝手に浮いたり建物が揺れたり、棚に置いてあった皿が割れたりなどしました。
最初の頃はギギギギ、バンッという物音だけの
ラップ音だけだったのですが二日目になると体がヤケに重い、誰かの視線を感じる。と、この屋敷で働いてるメイド達が仰ってきまして
その時私は、気のせいでしょう、作業に戻ってください。と申し上げました
三日目は何者かの悲鳴が2階から聞こえて参りました
私は真宮様のお嬢様の部屋を掃除を終えたところでしたので
直ぐに駆けつけて参りましたが悲鳴の主がおりませんでした。
近くに居たメイド達の悪戯かと思いましたが、そうではありませんでした
メイド達全員によると『そんな悲鳴聞こえてませんよ?』と一点張り。
そして奇妙な事があってから7日目で私は怖くなりました
夜中の7時50分頃メイド達が風邪の病に掛かって食事を運べない状態でしたので
私が食堂まで運びに致しましたがその時に突然食事用のナイフが
こちらを刺そうとして物凄い速さで向かってきたんです。
その時に私は死んだと思って目を閉じていましたら、丁度食堂に用があったメイドの皐月様が私を庇って喉をお怪我をなされてしまいました。
その日から怖くて部屋の隅っこに居たいと思う程でした
しかし、私が弱虫では屋敷の皆様をお守り出来ないと思ったので一人で心霊現象を解決しようと思ったのですが、それでも怖くなりまして真宮さまとご相談して探偵事務所へと相談したわけです。
因みに真宮様は心霊現象を起きていることを知ったあと、部屋に御札を貼って籠もっていました。──
***
「そ、そんな事があったんですか...」
「ええ、恐ろしかったです。心霊現象なんて前までは御座いませんでしたし」
執事は脅えた表情をしながら足を震わせていた
「それは大変だったな。ところであなたの名前はなんだ?」
そう言えば屋敷の凄さに夢中になっていた所為で
執事の方の名前を聞いていなかった
「あ、まだ名前を申し上げておりませんでしたね...私の名前は田中雅俊でございます」
どうやら執事の名前は田中雅俊という名前だそうだ
こう言ったら失礼かもしれないけど、何処にもありそうな名前だった。
「そうか、雅俊さん。この心霊現象の正体は大体分かっている」
「──ッ!? そ、そうなんですか? その正体とは?」
一瞬、雅俊さんがギクッとなった気がする
その動きを見た私は少し不思議に思った
「正体は”怪奇”ですよ。最近現れた一種の怪物だ」
力渡が正体を──予想だと思うけど──言うと雅俊さんはホッとした
様子をして、少し経ってから口を開いた。
「あ...はははっ。怪奇ですか? またまたご冗談──」
「いや、こういう時に冗談を言うと思うか?僕は至って真面目に言ってる」
「...」
雅俊さんは力渡に反論を返されると怖じ気づいたかのように黙り込んだ
「取り敢えず屋敷の当主の部屋まで案内するんだろ? 早くし案内してくれないか?」
「ええ、畏まりました。お部屋まで案内致します」
雅俊さんは堅苦しい敬語を崩さずに当主、真宮さんの部屋まで案内をした
「ここが真宮様のお部屋で御座います。」
「他の扉とは全く違うな」
力渡の言う通り他の部屋とは違い、お洒落感満載でカッコイい部屋である
扉の横辺りに『真宮修一郎』という札が貼ってあった。
「ここが真宮さんの部屋か」
「左様でございます。こちらが真宮様のお部屋で御座います」
コンコンコン
雅俊さんが礼儀正しく言うと扉をノックした。
コンコンコンという三回ノックの音が個人的に──関係ないけど──好みだ
「真宮様、探偵事務所の方をお連れ致しました。」
雅俊さんが私達を連れて期待事を言うと扉の内側から鍵を開けるような音がした
「あぁ、雅俊くんか。入りなさい」
扉の向こう側から胴間声のような男性の声が聞こえた
どうやらその胴間声の主は真宮さんだと直ぐに分かった
「はい、失礼致します。」
雅俊さんが『失礼します。』と言い終えた同時に扉をゆっくりと開けた
屋敷の当主真宮さんはどんな人物だろう? と考えた
「ああ、探偵さん。よく来てくれましたな...」
姿を現すと、大体身長が172cm位の身長で橙色のスーツを着た
30代後半──20代かもしれないけど──の男性がいた
その顔は痩せ細っていて碌に食事を取ってないように見える
「貴方が真宮さんですか?」
「そうです、そうです。いかにも真宮邸の当主である真宮 修一郎です」
力渡が依頼主本人かどうか再度確認した結果この人が
依頼主である真宮修一郎さんで間違いないようだった。
「よかった、修一郎さん。依頼の内容は執事の雅俊さんから聞いている。貴方の方にもどんな心霊現象が起きたのか教えてくれないか?」
力渡がそう言うと修一郎さんは険しい顔をしていた
無理もない。あんな心霊体験をしたのだから
「まぁ、いいでしょう。依頼したのは私でも...ありますし」
──ん? 一瞬修一郎さんが言い淀んでいた気がした
ただ話す会話が思い付かなかったのか何かを隠しているのか?
「ありがとう、話してください」
「あれは一週間前だったはずでしてね」
***
──午後7時30分に私がいつも通りに食堂で屋敷の皆と食事を取っていました
この時のシェフの料理は味が変わっていて前より美味しかったです
料理は鳥焼きのレタス添え、新鮮ながらジャガイモで作ったスープ、遠く離れた村から取り寄せた牛肉を加工したステーキ、そして田甫で取った農薬無しの美味しい白米でした。
食事を終えた私は汗が掻きましたんで大浴場へ行きました
そこから心霊現象が起こり始めたんですよ。
衣服を籠に入れていざ入ろうとした時にガラス窓の向こうに
誰かが入ってまして先客か? と思ったのですが籠には私一人の衣服しかなくて、おかしいな? と思い始めて...
取り敢えず大浴場の扉を開いて確かめてみたら
人なんて居なかったんです。不気味になってきたんですが
まぁいいか。と感じに温かい浴槽に入ってたら
何かに足を引っ張られて、浴槽の中へと溺れそうになりました。
幸い私には力があったので抜け出しましたが、その後は怖くなり大浴場から出て衣服を着替えて自室へと戻って寝ました。
偶然かもしれませんが夢の中で『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す...』と何かが私に囁いていました。もう恐ろしくなった私は部屋に引き籠もり、食事をあまり取らなくなったんですよ。──
***
私はその話を聞き鳥肌がたった。あまりにも恐怖に目がチカチカしてきた
「...なるほど」
「これからどうすればいいんでしょう...このまま霊取り憑かれて死ぬのは嫌ですし、屋敷の皆に怖い思いをさせたくないんです」
修一郎さんが険しい顔をしながら涙目になっていた
しょうがないと想う、私だったら心霊現象に巻き込まれたら泣いてるはず
「よし、いいですよ...」
「──えっ? 探偵さん、いいんですか?」
「あぁ、この依頼引き受けます。絶対に解決してみせるよ」
今まで修一郎さんは険しい顔だったが嬉しそうな顔をしていた
「あ、ありがとうございます! 是非お願いします!!」
こうやって屋敷の心霊現象を調査することになった私と力渡
緊張感が高まる…このままどうなるのやら...。そう思いながらも私は立ち上がった──
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