1章4話 のんのんと宣材写真を撮ってみた
スラたんの宣材写真を撮った一郎が次に呼び出したのは
パンダ娘のんのんだった。
早速、アプリからのんのんを呼び出す一郎。
「おーい、パンダちゃん~」
「はいはい、聞こえてますよー。」
やる気のない声と共にホログラムで現れるのんのん。
「よし!パンダちゃんもかわいく撮るからな!なんていうのかな。
こう、キュンとなるポーズとかしてみようか!」
「わ、わたし、そんなかわいいポーズなんてできません!」
顔を真っ赤にしながら否定するのんのん。
「そ、それにかわいくないですし・・・
そういうセリフはスラたんやドラミーに言ってあげてください。」
「いや、そんなことないぞ?
パンダちゃんだって十分かわいいじゃないか」
「だって・・」
そう言うとのんのんは下を向いて黙ってしまう。
「それにな?まとめ役をお願いしたのだって
別にパンダちゃんに個性がないからってわけじゃないんだぞ?
一見、クール系にも見えるが、表情だって豊かだし
何より仲間を大切にする頑張り屋さんじゃないか。
そんなパンダちゃんがかわいくないわけないだろう?」
(ツンデレということは言わないでおこう)
「そ、そうですか・・・そうなのかな・・・
そうなんだ・・・エヘヘ」
小声でつぶやきながら照れるのんのん。
「そう!そういう顔いいよ!どんどん撮っていこう!」
そう言って写真を撮っていく一郎。
のんのんも気分が良くなったのか、一郎の要求に素直に
応じてポージングをしていた。
そして何枚か写真を撮っていると、のんのんが何か思ったのか
一郎に話しかけた。
「あ、あのプロデューサー!」
「ん?どうした?」
「あー、えーっと・・・わ、わたしもセクシーポーズしても
いいかなーって。プロデューサーがどうしてもって言うなら
やぶさかではないと言うか、なんと言うか・・・」
またも顔を赤くしながら、とんでもないことを言い出すのんのんに
一郎は一瞬、あぜんとした表情をするが、すぐさま真剣な表情に戻ると
諭すように話しだした。
「パンダちゃん」
「はい?」
「俺はまだ皆にはお色気とか、無理にやらなくてもいいと思ってる。
自然体でいいと思うんだ。さっきも言ったけど、君たちは十分に
かわいいし魅力的だ。
まずはそこを100%出し切って、ファンを増やしたほうが
いいと思わないか?」
「プロデューサー・・・」
「それにな、パンダちゃんはちっぱいだからさ。
やっぱかわいい系の方が似合うと思うわけよ」
ビシッ!
「フリフリの服とかも似合いそうだしな!
だからそんな気にしな・・く・・て?・・ん?」
うつむきプルプルしているのんのんに気づいたのか
一郎は何か言ってはいけないことを言ってしまった気がした。
「あ、あの、パンダちゃん?」
「どうせ・・・どうせ・・・」
「ち、違うんだ!言葉のあやと言うかなんと言うか」
「プロデューサーのバカーーー!!!」
ヴゥンという音と共にのんのんの姿が消えた。
「やっちまった・・・。はぁ、しょうがない。
最後ドラミーを呼ぶか。」
この後、のんのんに冷たい目で見られ、3日間謝り続ける日が
続いたのはまた別のお話。