港町とは?
朝起きたら初ブックマークを頂いていました。正直驚きで言葉が出なかったです。ありがとうございます!
それと、水着回と思わせて水着回ではないです。ごめぬなさい…
「うわぁ…!!! き、綺麗だね~…!!!!」
「確かに、すごい綺麗だ」
そこには、空と間違えてしまうほどの綺麗な青の海と、オーロラも霞んでしまうようなエメラルドグリーンの海が西と東を境目にして二種類の色が別れていた。
――――若干前世の海とは違うけど、これはこれですごい綺麗だなぁ
「ねーねー!!早くいこうよっ!!私もっと近くでみたいっ走ろ!!」
「わかったわかった。けどそんなに急がなくても…」
「…」
ジトッっとした目で見つめてくるサチ。俺は溜まらず肩を落としながらサチに近づいた。
「きゃっ!!!エエエ、エイトっくん!?な、なにしししてるのぉ!」
「なにって…急ぎたいっていうから…嫌ならやめるけど」
俺は、俗に言う【お姫様だっこ】をしてみたのだが、これはヤバイな…。だって、いつもラフな格好をしているサチなのだが、柔らかく、しかし健康的な引き締まりもしている太ももと、日焼けもほとんどない胸元がさっきから見えそうで見えない!ええい!これは急ぐためであって、別にそそそんなやましいことなんてない!
「嫌じゃないの…むしろ…」
「じゃあいく、ぞっ!」
もごもご言っているサチを無視して俺は走り出した。
「すごいすごーい!!早いね!ふふふっ!」
「楽しそうだなぁ。別にこのくらいのスピードならサチだって出せるんじゃないか?」
「ん~ん。私一人じゃ無理だよっ!だから、私を一人にしないでねエイトくん」
「…おう」
――――サチは、正直エイトに懐きすぎなところがあるとおもう。まぁ、危ない所を助けてやったのだから、それは当然っていえば当然かもしれないのだが、たかが一回助けただけでここまで最初から依存するようなものか? 昔話とかもほとんどしないし。ん~わからん!けどいつかサチからもそういう話をきけるのかなぁ。
そんな想像をしていると、港町が見えてきたようだった。
「ついた~~!!--あぅっ…そろそろ降りるよぅ。人目も恥ずかしくなってきたし…」
「お、そうだな。じゃあエイト号の乗車はこれにて終了となります~。運賃はサチの笑顔で」
なにそれ、と笑いながら降りるサチ。もちろんいつも笑顔で元気をもらっているのでお金なんてとりません。
「しっかし、遠くでみたときも思ってたけど、でっかい門だなぁ。王城の門よりでかいんじゃねえか」
「確かにそうだね!どんなところなんだろうなぁ。門を潜るにはたしか、自分の名前を書くだけでいいって言ってたね!」
「じゃぁとりあえず、あの行列に並ぶか…」
門から続く長蛇の列に俺達も加わるのであった。
***
「次、名前は?」
「俺はエイト。こいつはサチ。共にファミリーネームは無い」
「ふむ。ここには何をしに来たんだ?」
「ここの船で北側の大陸に移ろうとしたんだよ」
そうすると、しばし考えるしぐさをしながら言い辛そうにこういってきた。
「すまんなぁ。ここから船は確かに出ているんだが、船を使うとなるとここで身分証の提示が必要になってくるんだよ。みたところそんなの…もってないよな?」
「…まじか、そういえば俺たち身分証なんてないぞ…」
「どどどどうしようエイトくん!このままじゃ北にいけなくなっちゃうよ!」
「まぁ、この町に入るだけなら全然いいんだが、船は使えないぞ。そこで少しだけ提案なんだが、時間はあるか?あるなら少し詰め所で話を聞かせてやるけど」
「ほんとか!助かる。是非聞かせてくれ」
――――よかった。なんとか船にのる手口は見つかったかな…
門を潜ってすぐのとこに詰め所はあった。
「おーい、ちょっとこいつらに船の説明すっから誰か門番かわってくれ~!」
「ったく、またかよ。お前は人がいいんだか、人使いが荒いんだか…早く戻って俺に楽をさせろよ、ヴァン」
「へいへーい。いつもわりいなぁ~。…でだ、さっき言った身分証明書の話なんだが」
同僚と思われる人に仕事を押し付けてまで俺達になんの説明をしてくれるのだろうと思ったエイト達だが、船を使える可能性があるのならばと割り切り同僚にごめんなさいを心の中で唱えるのであった。
「5日後に、この町でトーナメントが行われるんだよ。剣も魔法もありの決闘だな」
「トーナメント…? それと身分証になんの関係があるんだ」
「あぁ、そしたら船の説明からするな。ここから出ている船っていうのは基本的には貨物用として使われているんだよ。そして、北の大陸とここの大陸を結ぶ航路なんだが、物資を狙ったり人間狙ったりでえらい強いモンスターや、海賊なんかが出るんだよ。だから、どこかで証明されるくらい強い人間を護衛として乗せるって感じかな。あとはまぁ…金に物言わせて貴族が乗るってこともあるけど、ほとんどそんな物好きはいねえな」
――――なるほど、ではこのトーナメントで実力を見せて身分証をもらえるってわけか。
「でだ、そのトーナメントっつうのが結構有名なトーナメント戦でな。世界各国から毎年猛者があつまるんだけど、そこで優勝者には船の昇降書がもらえるってわけだ。」
「身分証をもらえるわけじゃないんだな。けど、優勝かぁ…。少し自信がないんだが」
「なあに!あんた見るからに強いオーラが出てるぜ!いけるって!」
「門番っていうのは全員が見ただけで強さがわかるもんなのか?」
「門番っつうのはそーいうもんじゃないかな。はっはっは!…で、あんたらはトーナメントに出るのか?あ、トーナメント自体は参加は無料だからな!」
「どうするサチ、俺は出ても構わないんだが」
「私はエイトくんが出るなら応援するよっ!!出ないなら私が出るけど…」
「おーお?女の子に出場させるってか、エイトくんさんよー!今時めずらしいくらいの健気な子だなあ」
「わーった!わかったよ俺がでる!優勝すればいいんだろう」
「っ!がんばって!!応援してるよエイトくん!」
「決まりだな!!じゃあ5日後の朝に町の真ん中のアリーナで集合だな!それじゃ通ってよーし!」
「一時期は船に乗れないかもしれないって思ったけど、乗れる可能性も見えてきてよかったねっ!応援してるよ~!けど、一人で見るのは少し心細いなぁ…」
「まぁそこは大丈夫じゃないか?さっきの門番のおっさんもアリーナに来るみたいな言い方だったし、一緒に俺のこと応援してくれるのかもなぁ」
「あ!確かにそうだね!じゃあ当日に向けて少しでも修行を多くしようよっ!エイトくんにはまだまだ勝てないけど、練習相手くらいにはなれると思うよっ!」
「ありがとなサチ。頼りにしてる」
うんっ!っと元気な返事を返しるんるん気分で二人で門の下をくぐったのであった。
次こそは水着回かなああ?!