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さて、異世界の最強とは?  作者: 小岩井偽乳
10/16

トーナメント戦前?

アクセス数でPCで見てくださっている方が多いのだということにびっくりです。

私自身はスマートフォンでみているので…。参考にさせていただきます。


 

「「ごめんくださぁ~~い」」


 ……。


「はぁ…」


 これで何件目なんだろうか。受付のおばちゃん、おっちゃん、おねえさんetc…。もう数えることすらも諦めてしまった「もうトーナメントまで空き部屋はない」の一言。


 最初はリーズナブルな宿を当ってみたのだが、まったくといっていいほど空いていない。ならばお金があるのだから高級宿にいったらどうかといえばそれもまた観光にきた貴族様や商人達が全部屋を占領しているみたいでダメだった。苦渋を飲んでもうボロ宿でもいいかと意を決していってみたがこれもまた、遠方からはるばるきた戦士達の宿になっているみたいで全室埋まっている状態…。


「野宿確定か…。すまんサチ。今日はご飯を食べたら野宿になってしまったよ」


「ぅーん…。まぁ仕方ないよね…。イベントがあるっていうのに泊まれる気でいた私達がだめだったね…」


 気を取り直してご飯たべよ!というサチを先頭に俺も後についていこうとしたところまた気づいてしまう。


「宿が空いてないってことは飯屋もどこも並んでるんじゃ…?」


「ああああぁぁぅぅ…。お腹へったよぅ~~~」


 耳がぺたんとしおれて益々しなびてしまったサチ。どうしようかと、うんうんと悩んでいるところ心当たりを一つ思い出した。


「そういえば、今日ヒワイカを売ったおっちゃんのところにいけばどうにかなりそうじゃないか…」


 俺がぼそっと一言いったときにはサチは耳をピーンっと効果音がしそうな勢いで立てて叫んだ。


「それだああああああああああああ!!!」




 おっちゃんの言っていた店についた。そこは簡素な造りだが、妙に安心感のある居酒屋みたいな雰囲気の店だった。


【ラッキー】


「ラッキーって店か。ここの町はずいぶんと日本っぽいなぁ。それにしてもサチみたいな名前だ」


 ぼそぼそと独り言をつぶやいていたエイト。それなのにサチは聞き逃さずにさっきまでのテンションはどこいったといった雰囲気で聞いてきた。


「ニホン…。エイトくんは、ニホンってとこが好きだった…?」


 ―――――めずらしいな、サチが過去のことを聞いてくるなんて。これは、サチは俺の故郷のことを聞いているのか?もしかしたらサチが自分の過去のことを話してくれるかもしれないチャンスだな。


「どうしたんだいきなり。まぁ、好きか嫌いかっていったら、好きだった…かな?けど…今は遠すぎて帰ろうとも思わないけどな。」


「そっか…。 …っ」


 ぷるぷると震え、何か言いたいが言い出せない。そんな雰囲気のなか


 ぐぅぅぅ~~~…


 顔を真っ赤にしたサチが更にぷるぷると震えだした。


「飯にしようか」


「…っ」


 下を向いたまま無言で頷いてついてくるサチを引き連れて【ラッキー】に入っていった。


「へいらっしゃ…って!ヒワイカのにーちゃんとその彼女さんじゃねえか!!」


「っ!!」


 先ほどよりも耳まで真っ赤にするサチ。可愛いが否定してくれ。


「…おう。けど、ヒワイカのにーちゃんはやめてくれ…俺はエイトだ。それと言ってなかったけどこいつは彼女じゃない」


「…始めまして、じゃないですね、先ほどぶりです。私はサチです…」


 凄まじく落ち込んだ様子で自己紹介をするサチ。どこか具合でも悪いのだろうか。


「そうだったのか。お互いの信頼しきった感じが恋人同士に見えたから勘違いしちまったよ」


 わるいな!と元気に謝ってきたので気にするなとあやまってやる。しかしすごい落ち込みようだったサチがすごい真っ赤になってあわあわと効果音がでそうなくらい焦っていた。元気になったようでなによりだ。


「で、さっそく飯を食いにきてくれたってことでいいんだな?であればさっそく準備するが」


「是非。と言いたいとこだが、見た感じ満席だな…。入る時も行列が出来ていて入る時の視線が痛かったよ」


「はははは!そらそうだ!俺の店はウマくて店長の愛想もいいときたもんだ。人気が出ないわけが無い!しかし、今日の繁盛もエイト達のおかげもなくはないんだ。気にすんな!この広間はムリだが、二階の空き部屋を使ってくれてかまわん」


 ガハハハと聞き間違えるような豪快な笑い声だ。しかし、たかがイカを倒しただけで至れりつくせりだ。まぁご馳走してくれるっていうならご馳走になろう。


「それはすごいありがたい。正直泊まるところも飯を食う所も見つからなくて途方にくれかけていたとこなんだ」


 ハハハとサチと苦笑いをしながら告げる。


「ほう。やはり宿を用意しないで来た口だったか。どうせならそのまま空き部屋を貸してやるから使ってくれ。遠慮はいらん。しかし、働いてはもらうことになるがいいか?」


「ほんとか!!それもすごい助かる!…それでどんな仕事なんだ?」


 にやり。と漫画のような笑みを浮かべておっちゃんは言ったのだった。


 そりゃあ…-----


「はぁぁああぁあぁ~~。美味しかったねぇ…」


「あぁ…。ウマかった。はっきりいってあんまり期待していなかったけど、これはクセになるな。あのイカあんなにウマかったのか」


「だね~!これで明日からも頑張れるぞぉー! って…そういえば空き部屋ってもう一部屋あるのかな…?」


「あ…」




 結論からいうと空き部屋は1部屋しかないということだった。まぁ泊めてもらうのだし文句をいう筋合いはないのだが、のだが!


 バクッバクッバクバクバクバク!うるさい!煩い!!静まれ俺のハート!いつもは野宿とかで一緒に寝たりするじゃないか!なんでたかが同じ屋根の下もとい同じ部屋で寝るだけでこんなに緊張しなきゃならないんだ!!


 今エイトは人生で一番緊張していた。一番だ。小学校のころに初めての徒競走のスタート前よりも、中学校の頃に文化祭の劇で木の役なのになぜかあったセリフをいう時よりも、高校生のとき強面の先輩達と全校の前で事前に考えていた自己紹介と一発ギャグをいう時よりも緊張している。


 じっとしていると落ち着かず、部屋の中をぐるぐると歩きまわっているエイト。


「ひぃひぃふぅ…。よし、おちついてき「何してるのエイトくん…?」


「!?たああああああああああああっち!!…今、ヒワイカを倒すイメージトレーニングをしてたんだ。ほら、目と目の間をタッチする感じで倒さないと〆れないだろ?大事なんだよ魔法にはイメージトレーニングがっ!ハハハハハ」


「変なエイトくん…ふふっ」


 くすっと笑いながら現れたサチ。そこでまた言葉を失ってしまった。


 泊まるなら湯浴み場があるから使うと良いと言われ、お言葉にあまえて使わせてもらっていて、サチの水浴びが終わったみたいだったのだが…


 月明かりに照らされる水滴の付いた艶のある白い髪。少しほてっているのか、少し赤みのかかった白い肌。いつのまに用意したのか、彼女のボディーラインをおぼろげに透かす黒のネグリジェ。Oh神よ。なんて日になんてことをしてくれるんだ。


「…ぇと、明日も早いから寝よ?狭いし隣に私居たらイヤかもしれないけど…」


「………い、嫌じゃないよ。さ、さぁ寝ようか」


「「おやすみ」」



 *****



 体内時計で3時間は経ったかな。


 ―――――あぁもう!寝れるわけないだろ!!たまに肩とかがアタリやがる!なんで肩なのにこんなにも柔らかいんだ…。俺は聖職者でも禁欲者でもないんだ。えええい!どうとでもなれ!俺は寝るんだ!



 ****



「お、おはよう…」


「おはよっ!ってエイトくんどうしたの!?すごい具合わるそう…」


「いや、だいじょうぶ… さー、あさのしゅぎょうだー」


 むぅ…と膨れながら心配してくるサチを横目に、原因はキミのせいなんだとも言えずに寝不足にムチを入れながら今日もがんばるかと気合を入れるエイトなのであった。




「ていっ! やっ! おりゃー!」


「うーん。やっぱり普通にサチでもヒワイカを倒せるんだな」


「そうみたいっ!昨日は油断しちゃったよ~」


 ニコニコとヒワイカをドンドン倒していくサチ。


「必要以上に倒さなくてもいいからなー!!」


 そう。今日から俺たちは1日3食付の宿を手に入れる代わりに、ヒワイカを毎日5杯仕入れるという仕事が出来た。俺らからすれば修行もかねて食住を手に入れられるのなら願ったりかなったりだ。


「しっかし、あんなでかいイカを1日5杯さばききるなんてすごい腕だな…並みの売り上げじゃあれは裁ききれないと思うんだけど」



 とこんな感じでトーナメントの残り4日まで、瞑想よると修行とイカ狩りをして過ごしていくのであった。







更新は基本毎日!…したいですけど、平日は2日に1回、休日は1回以上とみてくだされば助かります。

なんせ書き溜めが無く、その場で思いついたことを書きなぐっているため脈絡のない話が続くとは思いますがどうぞご容赦ください。涙

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