『人間界と人外同盟国』
この世界は綺麗に二つに分かれている。
私が生きている筈の人間界と、
それに隠れるようにして写しとしてあるのが、人外同盟国。
本来ならば二つの世界は互いに干渉できない様になっている。
だが、それを壊す術が無いわけでもない。
しかし、その犠牲は余りにも多く、
外道に非道を重ねる事になるものである。
「・・・って書いてあるんだけど。」
「そうですね。」
「貴方、どんな事して私をこの世界に召喚したの?」
「私にとって貴女様への愛が全ての力の源ですから、それをお聞きされるとなかなか照れますね。」
「いや照れるなよ。あんたどんだけ仲間殺したか知ってんだぞクソガラス。」
私の名前はカナ。
人間である。
しかし、私以外の人間はこの世界にいないらしい。
何故なら・・・
「私は・・・貴女様と一緒に生涯を終えたくて、命を張ってまで禁断の術に手を出したと言うのに・・・」
「誰が頼んだの!?私一言も口にしてないよ!?」
「私の心の中では言っておりました。」
「妄想にも大概にして!?」
このウジウジといじけているカラス・・・この琴町と言う鳥人に
人外同盟国に────召喚されてしまったのだから。
「貴方、人を誘拐しておいて、よくそんなにヘラヘラとしてられるわね!?」
「誘拐ではなく召喚ですから❤︎」
「なにが『ですから❤︎』・・・だよ!!お前本当に焼き鳥にしてやろうか!?」
「貴方に切られて焼かれるんなら喜んで❤︎」
「ダメだこいつ変態だった!!」
彼と一緒に過ごして早2ヶ月。
いくつかわかったことがある。
彼は私を本気で好きだという事と、
私を手に入れるのに為に、
外道に手を染める事を躊躇などしないという事と、
彼は根っからの
───────『変態』だった。
「あぁ、所で」
「?」
「私達の式はいつ挙げようか?」
「あんた一応全世界敵に回した指名手配犯だよね?」
そして、かなりぶっ飛んでいる。