五章5:アルトとトラピストと失われた獣神晶
「アルトはなんで獣神晶を無くしちゃったの?」
「それは! 三年前の戦いで、私は大きな怪我をして、その時に無くしました!」
俺はアルトにもカフェの客席に着いてもらって、
質問をしていた。
相変わらず他のみんなはアルトへ、
帝国の一員じゃないかっていう風の
目線を送っている。
「どうして無くしちゃったの?」
「わかりません! 気づいたときにはもう私の身体に、獣神晶はありませんでした! そんな私はこのカフェのマスターの師匠に拾われて、人間としての人生を送ると決めたんです!」
呆気にとられるほどまっすぐで、
分かりやすいこれまでのアルトの自身の説明だった。
「本当に?」
「疑わしいわね。何せ、帝国はキジンガ―みたいに平気で嘘をつく連中だからね」
ピルスとランビックは、
アルトへより強い疑いの眼差しを送る。
――大会の時に帝国に散々ひどい目に合されてるから、仕方ない。
ボックさんはどっちとも取れない、
複雑な表情を浮かべている。
「なぁ、レッド……いや、今はアルトだっけか? おめぇは今、レッドドラゴンがどんな立場になってるか知ってるか?」
エールが質問を投げかける。
「うん! 知ってるよ! あれは私の獣神晶をエヌ帝国が勝手に改造して使ってるだけ!」
「それで良いのかよ、お前?」
「良くはない! だけど今の私は獣神じゃなくて、もう一人の、力なんて殆ど無い一人の人間! そんな私だけど、このお店を、師匠が大切にしているこのお店位は守れる! だから師匠が帰ってくるまで、店を死守するって決めてるんだ!」
「さっきから、その師匠ってのは誰なんだよ?」
突然、アルトは机を、
どっかの某裁判ゲームみたいに、バンと叩いた。
予想もしない行動にびっくりした俺は椅子の上で少し跳ね上がる。
だけどアルトはそんな俺なんて気にしないで、
勢いよく立ち上がった。
「師匠のお名前はトラピスト! この国で一番の剣士で且つ、カフェの店主でクッキーを焼くのが凄く上手な男の人です!」
「へ、へぇ、そうんなだ。でも、そのトラピストさんって今は?」
「それが……」
さっきまで元気いっぱいのアルトが、
急にがっくり肩を落として椅子へ座る。
「去年、仕入れの旅に出たまま行方知れずでして……」
気まずい空気が漂い始めた。
一年間も行方不明。
それにビアルの表世界は今エヌ帝国に狙われている。
――もしかして、アルトの師匠のトラピストさんはもう……
「だけど、師匠は必ず帰ってきます!」
っと、気まずい空気の中にアルトの元気な声が響いた。
彼女はまた立ち上がって、
「師匠はとっても、とってもお強い方です! それに正義感だって凄く強いんです! きっとどこかで、帝国の悪行に泣いている人を助けているんです! きっとそうなんです!だから私は、そんな師匠が帰ってくるまで、師匠が大切にしていたこのお店を守るんです!」
アルトの元気な声が店内に響き渡って、
空気が一気に温まった。
その時だった。
「えっ……?」
俺を含めた全員が、一気に顔を引き締めて耳を欹てる。
店の外から甲高い鐘の音が響いている。
『皆よ! 緊急招集だ! 帝国が現れたぞ!』
ブレスさんの声を聞いて、俺たちは一斉に立ち上がって、
店の外へ飛び出してゆく。
ついさっきまで平穏な空気に包まれていたホップの町中は
逃げ惑う人たちで騒然としていた。
空を見上げれば、まだ小さくだけど沢山の帝国の空中戦艦の艦隊が見える。
その丁度真ん中辺りに、はっきり確認できるソレ。
真っ赤な炎のように燃える巨体と、強靭な翼。
【グガオォォーン!】
遠くからでも空を揺るがしそうな程の、
強烈な咆哮が遠くにいる俺まで聞こえてくる。
帝国の手に落ちた【灼熱の獣神レッドドラゴン】
レッドドラゴンは艦隊の間から、一匹だけ飛び出して、
鎌首を緩やかに上下させた。
瞬間、燃え盛る火球がホップの地表目がけて放たれて、
下にあった家屋を一瞬で燃やし尽くす。
同時に帝国の空中戦艦は一斉に鳥型の魔獣:ヴァイツェン航空兵団を、
沢山発艦させながら、砲撃を開始した。
空中戦艦と航空兵団の爆撃は次々とホップの街を破壊してゆく。
地上からは沢山の矢や、投石攻撃が空中戦艦へ行われているが、
どれも目立った戦果を上げられていない。
ホップを蹂躙する帝国艦隊とレッドドラゴンを見て、
怒りが急激に沸点へ上り詰めた。
「みんな! 行くよッ!」
「「「「「かしこまりました! マスター!」」」」」
後ろにいる獣神のみんなから一斉に応答が帰ってくる。
瞬間、腰のベルトのバックルから五枚のテイマーカードが
一斉に飛び出してきて、俺の左手に握られた。
「ニド・ホドホ・ハケ・サオォー! 行け! スー! ローズフェニックス! 君たちは空中戦艦を倒すんだ!」
【ギャオォォーン!】
【キュアコォーン!】
黒龍に変身したスーと、
ローズフェニックスと化したランビックは、
一気に飛び立って行く。
「続けて! 君たちは地上の援護だ! ブライトケイロン! グリーンレオ!」
【グオォォォー!】
【ガオォォォン!】
ブライトケイロンに戻ったエールと、
グリーンレオとして顕現したボックさんは、
立派な足でホップの大地を蹴って、まっすぐと進んでゆく。
「ブルーマーメイド! 君は俺と一緒にみんなの救助だ!」
【ルゥーン!】
蒼い巨人となったピルスことブルーマーメイドは、
屈んで掌を差し出してくる。
俺がそこへ飛び乗ると、何故かアルトも一緒に乗ってきた。
「アルト!?」
「私も戦います!」
「だけど……」
「大丈夫です! 力を失っても、足手まといにはなりません!」
アルトの自身に満ちた声を聞いて、自然と首が縦に動く。
「行って! ピルス!」
【ルゥーン!】
蒼い巨人は俺とアルトを乗せて、地面を蹴って走り始めた。
【ギャオォォーン!】
【キュアコォーン!】
黒龍のスーとローズフェニックスは、空を自在に飛びながら、
帝国の空中戦艦へ迫っていた。
戦艦とヴァイツェン航空兵団は、二体の空の獣へ向かって、
砲撃を開始する。
だけど、そのいずれもが、ローズフェニックスが放つ細かな竜巻によって、
吹き飛ばされて、空で爆発を繰り返していた。
【ギャオォォーン!】
その隙に黒龍のスーが口から紫の炎を吐いて、
空中戦艦と航空兵団を焼き尽くしてゆく。
【グオォォォー!】
地上のブライトケイロンは、ギルドの投石機を、
電磁バリアで守り、
【ガオォォォン!】
グリーンレオは急降下爆撃を仕掛けてくる航空兵団を
立派な前足で弾き飛ばしていた。
「ピルス! あのガレキを取って!」
【ルゥーン!】
ブルーマーメイドは俺の指示に従って、崩れた建物のガレキを
除去していた。
沢山の人が、ガレキの下から飛び出してきて、
ブルーマーメイドへお礼を云っている。
その時、黒い大きな影が、俺たちとブールマーメイドへ落ちた。
見上げるとそこには一隻の空中戦艦が滞空していてた。
戦艦の底部ハッチが開いて、そこからパラシュートを付けた、
ギネース兵が次々と降下を始める。
刹那、今度は真正面にブールマーメイドと同じくらいの高さの
砂煙が起こった。
砂煙の向こうには三体の岩巨人コウボが確認できる。
岩巨人コウボは降下を続けているギネース兵へ光線を放って、
形状を変化させた。
【ギネェースッ!】
目の前に剣を持った三体の巨大ギネース兵が現れた。
巨大ギネース兵は身体をくねらせながら、ガレキの上を、
滑るようにこっちへ向かってくる。
「ピルス! 大きなギネース兵を宜しく!」
【ルゥーン!】
「ブレスさん!」
『心得た! えいやっ!』
ブレスさんに肉体強化をして貰った俺はブルーマーメイドから
飛び降りる。
目の前には降下を完了させて、ひしめき合っているギネース兵の集団。
「結晶装着!」
氷の軽装備と槍を持った俺は一気にギネース兵の中へ飛び込んでゆく。
「そらっ! ライドロウィン!」
氷の槍を振り回せば、空気中の水分を凝固させた氷の矢が
沢山沸いて、ギネース兵を撃ち貫いてゆく。
【ギネェース!】
背後から剣を振りかざしたギネース兵が俺へ影を落とす。
「着鋼!」
瞬時に翡翠のプロテクターを装着して、腕でギネース兵の
斬撃を受ける。
その衝撃はギネース兵を怯ませた。
「獅子爪拳! はぁっ!」
素早く左右フックを繰り出す。
拳筋から生じた空気の刃はギネース兵の鎧を引き裂いて、
その先にあるコアを壊して、さらりとした水へ戻す。
すると今度は視界に、屋根の上で大砲を構えたギネース兵の集団が
飛び込んできた。
「シューティングフォーメーション!」
二挺の回転式拳銃を召喚した俺は、素早い動作で銃を抜き、
撃鉄を倒して引き金を引く。
弾倉の中から一斉に飛び出した計12発の
風の弾丸はギネース兵が大砲を放つ前に、全員を屋根の上から撃ち落とす。
ギネース兵を結構な数倒したとと思う。
だけど全然減ったように思えない。
――流石に個別に倒すのは無理だ。だったら!
「電磁装着!」
思いっきり叫ぶと、目の前に金色の鎧と身長以上に長くて
大きなバスターソードが現れた。
鎧は体へ磁石みたいにくっついて、右手にはバスターソードが握られる。
「ブライトッ!」
両手でバスターソードの柄を握りしめて、地面へ打ち付ける。
打ち付けた地面から黄金色の光が勢いよく噴き出してきた。
「サンダークラッシュッ!」
バスターソードを噴き出している黄金色の光へ向けて、
思いっきりスイング。
光はバスターソードに弾かれて、
一気にひしめき合っているギネース兵へまっすぐと突き進んでゆく。
光は沢山のギネース兵を一気に飲み込んで、全員を一瞬で消し飛ばした。
「たっはぁ……!」
急激に疲れが押し寄せてきて、
一瞬バスターソードを地面へ突きたててしまう。
流石に勢いよく立ち回り続けて、少し息が上がっていた。
【ギネース!】
だけど、ギネース兵の侵攻は止まらない。
――やるしかない!
再びバスターソードを構えようとしたその時、
「はいぃっ!」
目の前へ燃えるような赤くて長い髪が割り込んできた。
アルトは綺麗な回し蹴りを見せて、接近していたギネース兵を一蹴する。
「お疲れ様でした、お客様! 今度は私が頑張ります!」
アルトは右手をパーに開いて、左手のグーを胸の前で
強く打ち付けた。
「気合充分! 気合転身!」
アルトの体が一瞬、真っ赤な炎に包まれる。
彼女は一瞬で赤い軽そうな鎧を身に着けていた。
手には長くて赤い棒が握られている。
「行きますッ! うぉーっ!」
赤くて長い棒を持ったアルトは飛び出して、振り回した。
棒は次々とギネース兵を吹っ飛ばす。
アルトは両手で棒を握って、真ん中で折った。
長い一本の棒は二本の棒に代わって、左右から振り落とされた、
ギネース兵の剣を受け止める。
アルトは二本の棒でギネース兵の剣を絡めとって、
「はいぃっ!」
【ギネースゥ!?】
棒と一緒に拳を叩き込んで、
遠くにある建物の壁までギネース兵を吹っ飛ばした。
「ホップと師匠のお店は守ります! 絶対に!」
アルトは二本の棒を一本へ直した。
両足を思いっきり開いて、後ろへ赤い棒を構える。
「炎竜乱打!」
一瞬、アルトが赤い炎にように見えて、
そして消えた。
「はいぃっ!」
気が付いたときにはもう、アルトはギネース兵の中へ潜り込んで、
赤い炎を宿した棒を横へ振っていた。
だけどアルトの進撃は止まらない。
「やぁっ!」
今度は棒を突き出して、
正面の沢山のギネース兵を突き飛ばす。
「とぉっ! はいぃっ!」
アルトの乱打は止まらない。
彼女は鮮やかな動作で、炎を宿した棒で次々とギネース兵を倒してゆく。
彼女の動き、足捌き、立ち振る舞いは圧倒的で、
無尽蔵に見えたギネース兵がみるみるうちに減ってゆく。
――アルトに負けてらんない!
そう思って、バスターソードの柄を握りしめた時だった。
鋭い殺気を感じて、振り向き様にバスーターソードを掲げる。
瞬間、バスターソードと長い十字剣との間に赤い火花が散った。
「ほう、防いだか。見事だ!」
『背後を狙うとは卑怯だぞ! 貴様それでも剣士かイヌ―ギン!』
俺の代わりに、背後から切りつけてきた剣魔獣将イヌ―ギンへ、
ブレスさんは文句を云う。
しかしイヌ―ギンは何も返さないで、
膝を追って飛び、距離を置いた。
「参れ! レッドドラゴン! 手始めに目障りな大海の獣神を葬るのだ!」
イヌ―ギンは十字剣を空高く掲げる。
剣の柄に埋め込まれた真っ赤な灼熱の獣神晶が強い輝きを放った。
【グガオォォーン!】
地面が震えるほどの強い咆哮が空から聞こえて、
真っ赤な巨体のレッドドラゴンが瞬時に飛来してくる。
「行け! ブルーマーメイド! レッドドラゴンを倒すんだ!」
【ルゥーンッ!】
巨大ギネース兵を倒し終えた、蒼い巨人ブルーマーメイドは、
トライデントを握りしめて、レッドドラゴンへ突撃を仕掛ける。
――レッドドラゴンの属性は多分炎。だけどブルーマーメイドは水!
この場合、じゃんけんルールだと、水属性の方が有利な筈!
「お客様!」
突然、アルトの声が聞こえた。
瞬時に赤くて長い髪が俺の目の前へ飛び降りてくる。
アルトは赤い棒で、俺へ斬りかかろうとしていたイヌ―ギンの
剣を受け止めていた。
「? この気配、もしや貴様は……」
「はいぃっ!」
イヌ―ギンが何かを呟いていた隙に、
アルトは地面へ棒を突きたてて、身体を浮かせて蹴りを放っていた。
だけどイヌ―ギンは素早く飛び退いて、アルトの蹴りを避ける。
イヌ―ギンは素早く鞘へ剣を戻す。
そして、さっきアルトが放った焔龍乱打の時のように、
しっかりと足を開いて、深く腰を落とした。
「烈魔獣剣……」
イヌ―ギンの姿が消えた。
「地獄番犬!」
イヌ―ギンの声が聞こえたかと思うと、
転移みたいにアルトの目前に現れた。
「一つ!」
イヌーギンの斬撃がアルトの鎧の背中を過ぎって、
火花を散らせる。
再び、イヌーギンの姿が消えた。
「二つ!」
今度はアルトの脇に現れたイヌーギンは脇から彼女をを切りつける。
その衝撃はアルトの身体を自動的に捻らせて、より体勢を崩す。
「三つ! これでいかがか!」
「ッ!?」
三度目にイヌーギンはアルトの正面へ現れて、剣を横へ凪いだ。
寸前で立て直したアルトは棒を構える。
だけどイヌ―ギンの斬撃を受け止めきれず、
そのまま横へ吹き飛ばされた。
小さなアルトの体は、
幾つもの石のガレキを紙のように突き破って、
飛んでゆく。
「アルトッ! ……イヌ―ギンッ!」
『少年! 気を付けるのだ!』
俺は鞘へ静かに十字剣を戻しているイヌ―ギンへ叫びをぶつけて、
地面を蹴った。
バスターソードへ力を集中させて、
一気に破壊力を増強させる。
「ファイナルサンダースラッシュッ!」
イヌ―ギンを有効距離に捉えて、
一気にバスターソードをスイングする。
「甘い!」
「ッ!?」
素早く剣を抜いたイヌ―ギンは同時に身を翻す。
奴の剣先が俺の甲を打った。
腕を覆う鎧に火花が散った。
バスターソードがするりと、手から地面へ落ちる。
気づくと、イヌ―ギンは剣を振りかざしていた。
「ちゃ、着鋼ッ!」
慌てて翡翠のプロテクターを装備して、
腕の装甲でイヌ―ギンの斬撃を受け取る。
「ふふ、良い判断だ」
だけどイヌ―ギンは余裕の声を上げた。
【ルゥーン!】
イヌ―ギンの後ろでレッドドラゴンと戦っていたブルーマーメイドが
強い咆哮を上げた。
【ルゥンッ!】
【グガオッ!?】
ブールマーメイドはトライデントを持ちなおして、
柄でレッドドラゴンの腹を叩いて突き飛ばす。
そして踵を返し、トライデントを構えて、こっちへ走り始めた。
俺を助けるためだった。
【グガオォォーン!】
すぐにレッドドラゴンは起き上がって、大きな翼を羽ばたかせる。
あっという間にレッドラゴンはブールマーメイドを飛び越えて、
目前に降り立った。
【グガオォォォォォーン!】
強烈な咆哮と一緒に、
レッドラゴンはブルーマーメイドへ向かって、
火球を放った。
【ルゥン!?】
燃え盛る太陽のような火球はブール―マーメイドを飲み込んだ。
属性有利な筈のマーメイドは灼熱に焼かれて、その場に崩れ去る。
そしてマーメイドは蒼い光の粒に砕けて消えた。
「ピルスッ!」
「他人の心配をしている時ではないのでは?」
イヌ―ギンの声が耳朶を突く。
イヌ―ギンは剣を押し込んで、俺を突き飛ばす。
身体がふわっと後ろへ傾いた。
「烈魔獣剣……鎖囚神狼!」
イヌ―ギンは目にも止まらない素早い動作で剣を
縦横斜め、様々な角度へ剣を振る。
細かくて、連続される斬撃は容赦なく手足の翡翠のプロテクターを打って、
そして砕け散らせた。
「うっ!?」
最後の一撃がわき腹を掠める。
熱くて痛い衝撃は、俺を地面へ転がせた。
「あ! ううっ……!」
『少年よ! 大丈夫か!? しっかりするのだ!!』
傷は浅かったみたいで血はうっすらと出ているだけ。
だけど、初めて刃物で切られた衝撃は、思いのほか痛い。
俺は痛みに負けて地面をのたうち回った。
そんな俺へイヌ―ギンは黒い影を落とす。
「共に来てもらおう!」
イヌ―ギンは赤いマントを翻して、俺を覆う。
視界は一気に暗転して、自分がどうなったのか分からなくなった。




