三章閑話2:麦酒好きのボックさん
『この物語は本編から少し外れた、いわゆる閑話と言うやつだ!
なので、あえて読む必要はなく、読まなくても何の問題はないぞ!
しかし!
それでも敢えて読もうとしてくれているそこの君!
Thanks!
以上、テイマーぁブレぇスであった!
どうぞゆっくりと閑話を楽しみたまえ!
HAHAHAHA!』
今日の修練も終わりました。
いい汗をかくことができました。
身体を動かすのは本当に気持ち良いのです。
治癒士の勉強は本当に難しいので、時々気晴らしが必要なのです。
勉強には息抜きが大切です。
勉強、運動、もちろんその後は……
想像するだけで笑いが止まりません。
【ガウーッ!】
獅子拳の修練を終えて、家に戻ると、
すぐにバンディットが飛びついてきました。
どうやらご飯が欲しいみたいです。
「ちょっと、待っててくださいね!」
私はバンディットをやんわりと退けると、台所へ向かいます。
急いで床下の冷室を開けました。
冷たい空気が気持ち良いのですが、
それ以上に今は喉の渇きを癒したいと思います。
「うんしょっと!」
キンキンに冷えた大きなグラスと、
小樽を取り出すと、
もう既に生唾が堪えられませんでした。
――いやいや、流石にそのままははしたない。
それにせっかくグラスも冷やしておいたのですから!
流行る気持ちをこらえつつ、
私はグラスを静かに、シンクへ置きました。
さて、待望のご対面!
樽の蓋を開けて、グラスへ傾けると、
黄金色の聖水が、ゆっくり白い泡を立てながら注がれてゆきます。
グラスの中では、黄金の中へ溶け込んだ炭酸がピチピチ泡立っていました。
「本日の恵みに感謝します……では頂きます!」
一応ご挨拶。
今日の恵みに感謝して、
グラスを持って、ゴクリゴクリと喉を鳴らします。
シュワッと感じる炭酸が、芳醇な香りが、
仄かな苦味が一気に喉を通って、渇きが癒えます。
「ぷはー! 修練の後はやっぱり麦酒に限ります!」
自分に自分で言い聞かせるような感想。
ちょっと人様には聞かせられませんけど、
今はバンディットしかいないから良しとします。
至福のひと時です。
このため、この瞬間のために私は生きています!
なんて少し大げさでしょうか?
運動をして疲れた体が、少しかろやかになりました。
気分は最高です! もうなんでもできちゃいそうな気がします!
さて、もう一献……っと思いましたが、
手が止まりました。
――何か、良いお酒の肴が欲しいですね。
何にしましょう?
保存食の干肉? それとも乾燥豆?
「あっ……そういえば……」
たわわな実がたくさん連なった、青々とした作物が頭に浮かびました。
――今朝、庭のエドゥ豆の実が付いていましたね。
あれをお塩で湯がけば……
生唾が出ました。
塩ゆでしたエドゥ豆は麦酒の定番!
いえ、定番こそ王道で、かつ最高なのです!
善は急げ、最高の酒には最高の肴を!
「ふっふ~ん」
私は足取り軽く、庭へと向かいます。
【ガルゥー……】
――バンディットごめんなさい、もうちょっとご飯は待ってね。
そう思う私の盛夏のある日なのでした。
短くてすみません。




