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Nuclear contamination the girl(フェザー)は汚染された世界で銃を撃つ 作者:ぱんだ祭り

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Birds die without having to think about anything.1

 昔から色々見えちまう方だった。
 全然知らない奴が急に殴りかかってくる瞬間、後ろからしばらくつけられた時、何らかのトラップを仕掛けらた場所…
 身の危険が迫ると、私はそれらを大体回避してきた。

 見るといっても視覚でとらえるわけじゃない、何となく分かるんだ。
 それを聴覚なのか嗅覚なのか、それとも直感なのか、良く分からねえ。

 あの日もそうだった。
 何となく晴れてるのに嫌な気分だった。
 その日、日本中の原子力施設が襲われ、そのほとんどが破壊された。  

 今、渋谷ベースが男の部下と思われる奴らに囲まれた。
 はっきりと、私にはそれが分かった。
 大佐に一瞬目線を送ると、大佐はこちらを見ずに体に下げているサブマシンガンを少し動かした。

「分かった。それなら話しを変えよう。我々はその男を連れて、明日の13時には出発しなくてはならない。10時だ。明日の10時にその男を返してもらう。ここで引き渡しだ。いいな?」

 男はそういうと入り口に向かって踵を返し、ゆっくりと出て行った。 

「ちゃんと払うもの払わねえと渡さないぞ」

 大佐が男の背中にそう言葉を投げたが、男が返事することはなかった。

 すっと渋谷ベースの周りから人の気配が消えて行った。
 ドンパチ始まるかと思ったが、いったん休憩か。

 椅子に縛られたインテリの顔がさっきより青ざめてやがる。
 そのうちショック死でもしそうだな。

「なんであいつら帰ったんだ?」

 私は大佐にそう聞きながらコンバットナイフをしまい、ジェットブースターのスイッチを切った。

「ああ、ここで騒いで弾薬使いまくった挙句に、医者も味方も死んじまったんじゃ話しになんねえからな」

 大佐はサブマシンガンを下ろし、ソファーに横になった。

「俺とフェザーと喧嘩するなら、いったん引いた方が良いとあの男は判断したんだ。ここにいるのがその辺のチンピラで話が通じなかったら、一気になだれこむつもりだったんだろうよ」 

 大佐はいつだって冷静だ。
 相手が何を考えていてどう動くのか、蛇のように静かに観察している。

「そうなのか?いつ始めたって、そんなに変るもんじゃないだろう。使う弾薬も死んでいく仲間の数も」

 私はジェットブースターを窓際に置くとカウンターにあるテキーラの瓶を手に取った。

「フェザー、どんな人間でもギリギリまで生き延びようとするんだ。あの男だって生き延びたいから、慎重に消耗品は極力使わず被害も最小限に止めようとしているんだ。だから仲間がたくさんいる。一緒にいて自分が助かる奴の下に人は集まる。そんなに強い人間なんてそうはいないのさ」

 大佐はソファーに転がったままそう言った。 

 まったくそんなちゃらい格好して、体中に武器を仕込みながら真面目なこと話されてもさあ。
 私には全然意味が分かんないし理解する頭もねえよ。

「そんなものなのかね。私には今日殺り合うか明日殺り合うかの差なんて分かんないよ」
 私は大佐の前に座ると瓶ごとテキーラを飲んだ。
「まあ、でもこれでこちらも作戦会議が開ける。フェザー、分かってるな?明日は戦争だ。あいつら全員、殺すぞ」
 大佐の目つきが一瞬鋭くなった。

 そう来なくっちゃ大佐。
 あいつら全員皆殺しだ。
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