表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/42

早速林の方に向かおうとしようと思ったそのとき、


「ちょっと待って。屈んで。」


少し小さな声で彩香にそう言われる。思わず言われた通りに屈んでしまった。


「何かあったのか?」


何で屈むのか理由がわからないので、それなりに聞いてみた。こっちも釣られて小声で話してしまう。……こういうのって咄嗟に相手と同じような行動がとれてしまうのって


何でだろうね?


「前に何かいるわ。10から20くらいいるんじゃないかしら。――おそらくゴブリンだと思うわ。」


ゴブリンといえばいろいろな作品で序盤に出てくる敵だよな。ただ、作品の中の選ばれた人たちにとっては弱くても、普通の人にとっては強敵となるのが一般的だ。もちろん


僕たちは後者である、よって僕たちの数倍もいるような強敵を相手にした場合、一瞬でゴブリンたちのご飯になるだろう。


「どうする? 戦って勝てるとはとても思わないんだけど・・・逃げ切れるのか?」


逃げるにしても、どうやって何所に逃げるというのか。そのようなことも頭に過ぎる。ここは自分たちの知っている場所でもないし、ルールも違う。どうしたらいいのかなん


てさっぱりわからない。


「そうだ! 精霊魔法があるんだから何とかなるかもしれない。そこんところどうなんだ?」


そうだよ、精霊使いになったんだから撃退の手段があるじゃないか! ゴブリンなんかばっさばっさとなぎ倒してやるぜ! 俺の精霊使いとしての主人公ライフが呼んでいる


…そう! 選ばれし者の、定めを背負う勇者としての冒険譚が今! 始まるのだ!


「精霊まほうってなにー?」


ルフェイが首を傾げる。なんか思ってた反応と違うんだけど…


「精霊使いになったんだ、何か使えるようになってるんだろ? それを教えて欲しいんだよ。」


竜巻を呼び出したり、風の刃を飛ばしたり、いろいろな魔法があるんだろう? それを教えて欲しいわけよ。そしてぱぱっと格好よく撃退! 主人公としての第一歩としては


ありがちだが、いいじゃないか!

――そう考えていた時期が僕にもありました。


「私たちを呼び出したり、私たちの力の風を操る力は使えると思うけど? あと精霊まほうってなに? 聞いたこと無いんだけど?」


シルキーがそういった時、気付いてしまった。ゲームのように魔法を選択して攻撃するのではないのだと。精霊の力を使って、自分のイメージを具現化して、それで一つの魔


法が完成すると言う事に。シルフたちから察するに、魔法って言葉はあるかどうかは知らないが、呼称はそれでいいと思う。精霊たちが使っていないだけで人間は使っている


かもしれないし。だがそれよりも、


「やっぱり打つ手無しか…精霊の力はある程度練習しないと話にならんからな…」


楽しては力は手に入らないと再確認することになった。




「ゴブリンたちの進路は私たちのいる前方を右から左へ抜けて行くみたいだから、このままやり過ごせそうね。風上なら臭いで見つかりそうだけど、幸いにも風下のようだし。」


そうやって彩香が伝えてくれる。現状僕は何の役にも立っていない。…役に立ちたいって訳じゃないけど、何もしてないのは避けたいよね! 何も思いつかないけれど…


「そうか…ゴブリンたちの来た方向にゆっくりと大回りで町に向かって行けば日が暮れる前に着くかな?」

「ねーねー、私たち引っ込んでてもいいかな?」


不意にシルキーからそんな事を言われた。そういえば、長く見えるようにするには魔力が必要だと言っていた気がする。今のところシルキーたちに手伝って貰う事は無い様な


気がするし、引っ込んで貰ってもいいかな? 何かあればまた呼び出せばいいと思うし。


「わかった、引っ込んでいいよ。また何かあったらよろしくね。」

「わかったのー」

「はーい! ばいばーい!」


シルフたちが返事をすると同時に、体が少し発光して気付いたときには消えて居なくなっていた。改めて異世界に着てしまったんだなーと思ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ