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彩香が部屋を出ていって1分、はやいお帰りだった。


「真っ暗になるのを忘れてたわ…」


普段冷静で慎重な彩香が、明らかに失敗したという雰囲気を漂わせている。珍しいことだが、弄ると後が怖いのでやめておく。ま、明日明るくなってから試してくれればいいと思う…どれだけ魔力が持つのかは知らないが。


「ね、ルフェイ。矢に巻きつけた魔力ってどれくらいあのままなの?」


「2,3回使ったら解けると思うよ。使わなければ2,30日持つと思うけど。」


10日で1回分の魔力を放出すると考えればいいのかな? この村にいる間は巻きなおさずに済みそうだ。 


「さて、明日も早いしもう寝ようか?」


「そうね。それじゃ速く着替えてね、私は部屋の外にいるから。」


「私たちも帰るの!」

「おやすみなのー。」


そういって目の前から消えた。さて、着替えますか。



2人とも着替えて、昨日と同じように1つのベッドに離れて寝た。





朝、目が覚めると既に彩香は起きているようだ。特に急ぐ理由も思いつかないのでゆっくりと着替えて居間に向かった。


「おはようございます。」


「おはようございます。もう少しで朝ご飯にしますから、少し待っていてくださいね。」


エイゼさんにそう言われて、椅子に座って待つことにした。座ってから5分くらい経った頃に村長が帰ってきて、そのすぐ後に彩香が帰って来た。そしてそのタイミングを待っていたかの様に、エイゼさんが配膳をし始める。今日はグイール君がいないので4人での朝食となった。その食事の席で、


「彩香さん、先程の訓練に使用していた矢ですが…羽無しであそこまで真直ぐ撃つのはありえません。一体どのような仕掛けがあるのか是非教えていただきたいですね。」


村長が彩香に少し低い声で質問している。嘘は付けないぞと言わんばかりの迫力だが、僕も彩香も別に嘘を付くつもりも無かったため、素直に話そうと互いに頷き合い、


「これは風除けの矢です。昨日の夜、矢の作成班にいた慶吾に矢を2,3本持ってきてもらって、試しに出来るかどうかやってみた結果です。結果は村長さんが見た通りです。風の影響を受けずに真直ぐ飛びます。」


「なんと…そのような矢があるのですか。…ところでその矢をどのように製作したのですか? かなり有用な物である事は判るのですが、如何せん見た事も聞いたことも無いもので…」


「精霊の魔力を矢に付与する事で作りました。魔力はシルフのものを使用しています。」


「精霊の魔力!? と言う事は慶吾殿はシルフと契約した精霊使いなのですか!?」


「そうですね。契約したのがついこの間なのでまだ殆ど何も出来ませんがね。」


「人間の精霊使いですか…昔いた事があるというのは聞いた事がありますが…」


村長が一人で考え始めてしまった。食事中なんだけどなー…。


「はいはい、お仕事のお話は食事が終わってからにしましょうね。考え事をしてては食事の味がわからなくなりますよー。」


エイゼさんからの注意が入り、食事が終わった後でまた話をすると言う事になった。



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