陽爆の街、陰気の巫女4
目的地は街はずれにある山の麓。
体力はさほど磨り減っていく事もない、巫女のシンマネコントロールが周囲一帯を冷やしているのだ。
「おーい!山の麓ォ!見えて来たよー!」
シキは感じ取った、確かにあそこには何かがある。
大きな力を感じる。
幼いとは言え、早い内から武術を通して、強い意志と力が備わるシキには、ノロマなナイトメアの処理など造作もない事だ。
「着いたには着いたけどここで何をするの?」
「現れるんですよ、この現象を呼び起こす原因が」
「原因が現れる?」
「そしてそれは、私にしかできない」
「お喋りはそこまでね。野良ナイトメアも片付いて早速封印の儀式を開始したい所だけど」
瞬間、シキには感じ取れた。
自分の母だからこそ、その変化はすぐ察知出来たが、とにかく衝撃的だった。
何故なら自分の母が
「コキュートスの巫女はとりあえず、ここで始末させてもらうよ」
巫女である彼女に刃を向けているからだ。
「お母さん!これって……!一体どういう事!」
「太陽神を封印。ひいては民を救うこと」
「何がなんだか、分からないよ!ちゃんと説明してくれよ!」
「か、カシラ!」
「すんなり受け入れられないだろうし、シキ、貴方がお母さんを止めて見せなさい」
望むところだ。
返り討ちにしてくれる、とはならない相手。
否応無しにシキに向けて戦いを挑んで来た。
「母さんっ!!」