魂で出来た器にこそ、魂を7
独特の緊張感が漂っていた。
ブレーキ、アクセル問わずアゲハを恨むナイトメアも少なからずいて、遂に倒せるチャンスが来た。
つまりアゲハに対する離反者もここにいたのだ。
今ここにいるのはシキの計画に賛同した者、すなわちアゲハを倒さんと言う願いを持つ者。
「凄い……アゲハを追い込んでいるのか……」
「シンマネを使えないのは、俺たちも仲間も同じ……その状態なら数で対抗すれば……」
100人。
100対1
今まで散々やられていったナイトメアや、ヒト。
全部こいつが……
こいつの指示で動かされていた奴も現に離反している。
ブレーキだって自ら進んで殺しをしているわけじゃなかった。
こいつさえ…こいつさえ倒せば。
ミハヤも取り返せる。
あいつとの肉弾戦だって、シキ程苦戦した訳じゃなかった。
「……」
「黙って俺の剣を使う気か?」
「ごめん、まだ借りてていい?」
「この戦いに限るけどな」
シキには、燦が今にも飛び出しそうになっているのを感じたので、すぐに仲間たちに号令をかけた。
「行け!俺たちでこいつを潰す!今まで何も出来ずに虐げられて来た俺たちが!全てをここで終わらせてやる!」
「「「オオーーーーッ!」」」
ジャズの演奏に囲まれて、今100人が武器を手に雄叫びをあげながらアゲハの元へ走り出した。