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雑音ステップ  作者: 白井 雲
夢追う剣、カランコエ
67/100

シキといっしょ9

「くっ!」



首に当たる寸前で攻撃をやめ、すぐに後ろへ飛び退いた。



「なに!」



シキの策が、必勝法が破られた瞬間だった。



アゲハとの戦いで、敵の動き方を見る力は学習済みだ。



相手がどう動くか、先のイメージが見えるような目を造る。



それは自分の目にシンマネを集中させる事。



「僕にはお前を包むシンマネの形がはっきりと見える!」



インシデントの魔眼。



視界が開け、シンマネの動き、敵がどう動くか、先見を行う技。



戦いの中での集中が両目に向かない為、片目のみ発動させる。



燦の左目が燃え盛る火炎の如くオレンジ色、赤色に染まる。



アゲハとの戦いは大きな収穫だったな。



アゲハとの肉弾戦で、あの素早い動きを捉えられたのは、どうしてか。



考えて見たら無意識にこの力を使っていたからだ。



「大抵のやつはこれでカウンター食らってやられるっつーのに、なるほど強敵じゃねえか」



「バリアーを解いたな」



今度こそ攻める。



「見極められたなら、対処されるだろうからな、シンマネは無駄遣いしない」



正しい判断だった。



魔眼がシンマネを分析して、中和させるシンマネをすぐに作り出せるからだ。



見えた所でなんだ、とバリアーを貼り続けていれば、隙だらけの所を攻撃できたのに。



「うおおおっ!」



今度こそ剣で斬り伏せんと、不意を突くように素早く足を突き出し、隙を作らせる。



剣を空中に放り、拳で連撃をかまさせたが。



丁寧に確実に絡め取られ、カウンターを首元に食らった。



「うあっ!」



掌の甲が当たる時に、音が鳴る。



剣を受け取り、すぐに退く。



お互い何も語らず、研ぎ澄まされた目の力は誰にも真似できない。







シキはすぐに構え直し、決して攻めて来ない。



ならば。



足の裏でジリジリ距離を詰めていく最中。



首に強烈な違和感を感じた。



これは。



「ここ!」



シキは空かさず後ろの腰に手を回し、武器を取り出す。



武器を納めるホルスターが、ナイトメアである。



ナイトメアが武器を作り出し、その武器とはまるで鍛冶屋が作ったように鋭く、重厚感があり、今まで見たどの武器よりも、質のいい剣だった。






ここで武器を取り出すのか……!



僕の首元のツボを抉るように突いてきた……!



武術の心得がある、それも魔眼を越えて動ける程の使い手か。






キレのあるスピードで、燦の脳天目掛けて振り下ろす。



「これがナイトメアお手製の剣だァ!」



「クソッ早い!」



多少遅れても軽さで間に合わせた彼の剣でなんとか防ぐ。



「間に合わせたぞ!何とかな!」



「甘いんだよ、俺の武器は便利な能力を備えてるからな」



そう言った瞬間のシキは、笑ったように見えた。



先ほどのバリアーをその剣を中心に展開させたのだ。



そのバリアーはみるみる内に広がり燦を包み込んだ。



燦の動きを封じ込めて、その場に立ち尽くすのみとなった。



固まったシンマネが球体に広がり、燦を捉えてしまった。



あの剣がバリアーのシンマネ発生装置として稼働してるのか。






「動けないお前をやっつけて、おしまいだ!」



「ここだ!」





「なにっ!?」



巨大剣はシキの頬を少し掠めた。



「こ、こいつ動ける!バカな!」



カウンターが入ったのだ。






「はぁ、はぁ」



使えた……!



(黒い塊)



僕を固めたシンマネ、バリア状のモノを吸い取りきるまでには行かなかったけど、濃度を弱くして動けるくらいには吸い取ってやった!



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