虹が消えた日1
あいつは自分の名はアゲハだと、そう名乗って消えていった。
ミハヤを連れて。
結果として選択肢のない取引に僕は乗っからざるを得なかった。
腹わたを吹き飛ばされたミハヤの息を一瞬吹き返す事しか出来なかったんだ。
それ以上はアゲハから奪ったシンマネが足りなかった。
一瞬で空っぽになったよ。
戦いで使ったシンマネが1割ならあれに使ったシンマネは9割。
アゲハのように底知れぬシンマネを持っていなければ出来ない事なんだって理解した。
力を溜めて、心を込めて、メッセージをシンマネに乗せて送り込んだシンマネには、合言葉を送った。
「次会った時にお互い分かるようにさ、合言葉、決めておこうよ」
「えっ……」
精神世界でのミハヤに涙が流れる。
「会いに来てくれるの……?」
「ああ」
「ほ、ほんとにぃ……」
「絶対迎えに行くから」
「アゲハは強いよ……燦は弱いから勝てない」
「必死に強くなる方法を考えて、もっと強いシンマネ技を編み出して、あいつをぶっ飛ばす」
「う、うぇええ……ああああーっ!」
「だから今から言うよ、時間がない、聞いて」
「う、うん……」
「僕が【強く儚き者よ この手を引き導け】って言ったら君はなんて答えるのか、教えて欲しいんだよ」
「……分かった……」




