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独占欲と力2
「ミハヤ、私は君に期待していたんだ。教えるものはしっかり教えて見守っていた。だけども君は、彼を守るように動き出した」
「結局使命の操り人形になってしまったんだ。同じように使命に殉じたアクセルはどうなったと思う?」
僕らと同じ存在……僕らの仲間?
「守る者の為に必死になった結果、ナイトメア・ブレーキに皆、敗北しているんだよ。ヒト共々殺されたんだ」
確かに僕の住む世界ではある日を境に突然死が多発している。
布団やベッドの上で眠ったまま起きてこないようになるんだ。
「アクセルとブレーキ、一対一ならなんとかなるものの、ヒトが足手まといになっているんだよ」
こいつ、何を言っているんだ……?
「君にはそんな風になって欲しくない、他のブレーキに出した命令を変更するのも面倒だし、殺されてしまう前に君だけは貰っていく」
どんどん動けずにいるミハヤに近づいて行く。
畜生!どうして僕の中にいるサンは出てこない……!?
こんな時に何やってんだ!?
動け、動け!
動け!僕の足!
クッソ怖いアイツに。
ヒトを殺したアイツ。
ミハヤの師だったアイツ。
動けッ!!!!!