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雑音ステップ  作者: 白井 雲
矜持の剣、ナイトメア
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あの方

「伝えたい事があります」



そう誰かに言うのはアーゼス。



ミハヤの記憶にあった森の奥にある集落。



その薄暗い村並に二人は情報を交わしていた。



巨大なフラスコが立っているのを見つめながらあの方と呼ばれた青年が耳を傾ける。



「ヒトが、こちらの世界に」



アーゼスがそう言った瞬間。



フラスコのガラスが爆散し、破片が飛び散っていった。



青年が抑えていたあふれんばかりのシンマネが少し触れたのがフラスコを爆散させたのだ。



「ふっ、ふ、ふふ……そうか。ついに来た」



「ヒトを守りたいナイトメア・アクセル。無心の兵隊ナイトメア、そして」



セリフを遮るように、幼い姿に意志を宿したナイトメアが泣き出した。



「うわああああ……!」



「心配する事はないよ、もう君は我々の仲間だ」



そう微笑んで少年の頭に微弱なシンマネを当てがうと。



泣き止んだ。



その少年は誰かを守る手はずだったナイトメア・アクセルだったが。



「我々が、悪夢を止める。ヒトを消し去る事でそれを為す。このナイトメア・ブレーキがな!」



青年はかつての笑顔を捨て去り、殲滅の意志をその目に宿す。



名はアゲハ。



彼はミハヤに身体強化を教えたかつての師匠だった、名高き最強のナイトメアである。



「研究員と戦闘員全てに伝える!みなを集めて活動開始だ!」

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