サンと燦1
「殺してやるよぉ、てめぇ!」
「冗談ではない!」
剣を交わして、交わして。
それでも更に相手のペースに乗せられないように、ロワールは一定の距離感を保ちながら、関節の痛みを光の粒子で抑えながら全力を尽くす。
本来の役目も忘れて全力を尽くした。
だが、それでも。
彼の光の剣と、彼の攻撃はより激しさを増していく。
戦えば戦い込む程強くなるとでも言うのか。
日々の鍛練という結果がこんなことに根こそぎ否定されてたまるか。
意地だった。
彼もまた男だった。
サンの勢いづいた剣でロワールは軽く弾き飛ばされてしまう。
「はぁ……はぁ……はぁ」
「息つくんじゃねえよ!」
頭上から剣が三本、頭めがけて現れ突撃してくる。
右に避ける。右にサンがいる。
足取りの癖もよくみている。
またも弾き飛ばされてしまう。
攻撃しながら、前に出ているので更に剣を受け続けなくてはいけない。
スピードもパワーもない。
僕の方がスペックはあらゆる面で上回っているはずだ。
だが押し負ける。
あり得ない。
剣を受け続ける。
受け続けて、僅かに見えた隙。
ここだ!
突き付けた剣は、虚しく空を突く。
誘われていた……
2刀の剣は、1つと化し。
サンによって思いきりよく凪ぎ飛ばされる。
ロワールは床に叩きつけられた。