サンと燦
いつの間にか腕の感覚がなくなっているくらいに夢中で戦いをしていた。
生きたかったから。
それと同じでオレもいつの間にかコイツ(燦)と一緒に居た。
燦は降り荒ぶ雨の如く落ちるだけの生涯の果てに弾けて消えていく。
それは一緒の身体で居ることで知った。
「僕はきっと、消えたかったのだろう」
「消えてなくなりたかったんだ」
「オレも同じだ。普通にはなれないから消えてぇと思ってた」
僕は。
俺は。
普通にはなれねえよ。普通にはなれないよ。
凍てつく太陽に晒されて、傷つけあう僕らは。
ときたまこうして寄り添う時もごく稀にある。
無くすばかりの僕が、ほっとけないのだと。
そう言っているらしい。
それ以上に。
光を知らない二人がどこまでいけるのか、ロワールは知りたがっている。
「君じゃあアイツには勝てないんじゃない?」
微笑しながら、あえて少し挑発したようにけしかけてみた。
「う、っるせえなぁ……アイツは確実にオレが潰す」
こうすることでサンはどんな状態なのか、少しばかり分かる。
「向かってくるなら?」
「潰す」
「よし」
「なら、2対Ⅰでいくよ」
「マジ?」
「僕が光のコントロール」
「おう、なら思いきり暴れてもいいよな?」
「やれるものならね」
「聞くまでもねえ、ふっはっははははは……!」
よし、いくぞ!