サン
「このッ!!!」
体勢も整わないまま、ロワールは立ち向かう。
激しいエネルギーの分散が周囲を照らす。
互いのつばぜり合いが戦いを宿命付ける。
しかし、ロワールの剣はエネルギー体で作られているようで、欠けた粗末な剣は亀裂が入る。
「落ちろ!」
砕け散る。
ものすごいスピードで脳天に迫る剣だが。
「いつの間にか、マジになっちゃってるんじゃね?」
それさえタイミングをよみ後方に下がり、砕けた剣を拾い上げ再びぶつけてくる。
「スカした面がムカつくんだよなぁ!?」
それを受け止める。
またも砕かれる。
さらにぶつけてくる。
「おおおおおおおおっ!!!!」
何度も何度も何度も何度も。
「なんなんだコイツは……」
何度も何度も何度も何度も。
「一体ッ!?」
やがて全ての剣が砕けてしまう。
様々な方法でロワールを翻弄し、サンに掴める武器はもうなくなってしまった。
「……追い詰めたよ」
エネルギー体の剣をサンに突き立てる。
「おお、う……」
「お前は誰だ。いや、そうじゃない。お前たちは一体なんなんだ」
「オレはオレだぜ。それによ……」
サンの左手に集まっていく光。
粒子が鳴り響くきらびやかな音が、どんどん強く。
「なんとなくだが、分かってたんだぜ。その使い方」
一太刀。
自分と同じ、そっくりの光の剣。
頬に傷がつく。
口元が思わず綻ぶ。
それは、サンの潜在能力の高さを垣間見た故か。
僕の想定の上を行くのか……そうか。
「そうか」
違う。
光の剣が突発的に現れ、向かってくる。
横腹を掠めた。
抜けていった剣は光の粒子になり、霧散していった。
空中で発生させ、それをコントロールしているのか……