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ロワールになる
ロワールはすらりと剣を流しすぐに切り抜ける。
腕をかすめとられた。
切られた感触を確かめる。
確かに切られたはずなのだが、そこから虹の光を放つ粒が放出されていく。
まるで、血の代わりに出てきたように 。
「痛みは、ある。一体なんなんだここは……」
「ここでは、僕のように有無を言わさず敵として襲ってくるのがいっぱいいるぞ。脱出するには」
「倒すしかないのか……くそっ、やってやるよ!」
「そうだ。君は勇気が始めからある。あとは生存競争に必要なものを持てば……」
剣を再び交わせる。
「うおおおおっ!」
「センスとかじゃない。もっと想いをぶつけろ。なければ、作れ。憎しみでもいい」
どこまでも先走る剣を、孤独に向けるように。
ロワールはそれを受け流し、攻め続けた。
果てしなく続く道を、見据えているかのように。
その眼で燦を見ていた。
次第にボロボロに傷を負い続け、立ち上がることもままならなくなってしまった。
ロワールは尚も襲いかかる。
剣で凪ぎ払う。
その線上にロワールはいない。
「まだぼくは少しだって、調子を出していないのに。どうするんだい?」
「くそっ、強い!!」