表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑音ステップ  作者: 白井 雲
夢追う剣、カランコエ
100/100

「来たな」



「うん、来たよ」



何故か睨みにも見た眼の鋭さを放つシキと。



苦笑とも取れる微妙な笑みを浮かべる燦。



あのシキとの戦いの日から翌日、燦は眠気に身を任せた結果、再び桜吹雪へ戻った。



ミハヤを取り戻す為なら、新たな世界を行き来する事に戸惑いはなかった。



シキはそんな燦に自分に同行するよう言いつけ、仲間のナイトメア達との会話の中シキが知り得た「たった1人のナイトメアの力により栄える街」という稀有な場所に行く事を提案した。



仲間のナイトメア曰く、「そいつは真っ白に輝くシンマネを放つ」と言う。



ジャンヌダルクかも知れない。



混じり気のないシンマネを放てる母。



他に似たようなシンマネを持つ者を見た事がない。



母に会えるかもしれない。



昨日の一貫して冷徹な面持ちとは一転して、期待に胸を膨らませているような顔をしていた。



「よし、行こう」



「いいのか?」



「会いたい人がいるんだろ」



「……ああ」



「よし、その街は何処にあるの?すぐに行こう、僕の夢が覚めたら君は1人になる、時間はあまりないから」



そういうクセに、あの時は……お前。



シキは思い出す。



燦とミハヤが桜吹雪にて再会した。



必死に二人で強大な敵に抗おうとしていたように見えた。



その時、俺にあったのは喜びだった。



戦う意志が彼から感じられたのだ。



大きな力に出会そうが、関係などないのだ。



「なんだよ、僕の顔になんかついてる?」



「なんでもない、必ず助け出そう。ミハヤって子も」






桜吹雪にいる仲間達に留守番を命じ、別れを告げたシキはこれからの旅への覚悟を固め、桜吹雪の出口へと繋がる扉を開けた。



「進み方は分かるのか?」



「ああ、俺が指を刺した方向へ歩いていくだけ」



「違うよ、アゲハに続く道の事」



「ああ?それも同じだ。指さした先をひたすら走るだけ」





そう上手くいくかなあ。



でも、ま、仲間ってこういう感じなんだよね。



この世界、僕はどこまでいけるんだ。





燦はダンジョンの白き世界を越え、出会いの果てを越えて、動き出す。



それは新たな冒険への第一歩となり、ミハヤへと続く確かな道筋へ成り替わるのだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ