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十字架に乗せる黒き君への思い  作者: 夢幻館の門番
1章〜運命の始まり
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5.櫛田姫子と井凪美琴

5.櫛田姫子(くしだ ひめこ)井凪美琴(いなぎ みこと)


希が朝になって目を覚ました時、そこに母の姿は見えなかった。見慣れた日々の光景の筈が、希はいつになく寂しさを覚えた。

「…学校行かなくちゃ…」

「昨日は遅刻しそうだったし、今日はちゃんと時間通りに行こう」

何か気分を明るくしようと、思考を巡らせた時、ふと思いつく。

「それに咲さんとも喋れるかもしれないし!」

着替えと身だしなみを整え、パンと昨日の母が作り置きしていった残り物を食べ、歯を磨くと家を後にした。


咲は希よりひと足早く家を出ていた。

「希、今日はちゃんと時間通りにくるかしら」

昨日はちゃんと1人で帰れたのか、昨日の様に遅れてこないか等不安要素が多かったが、

「おはよー!」

向こうからやってくる人影を見て、それは払拭された。

「おはよう、陽元さん。今日はちゃんと起きれたのね?」

「もう、咲さんってば!私だってちゃんと出来ますー!」

「ふふっ、そうね、だからこれからもずっと、早起き出来るわよね?」

「うぐっ…も、もちろんだよっ!」

こんな会話をしながら歩いていたら、二人は学校についていた。

「私が13番で、陽元さんが36番よ」

教室の黒板には、席の表が書かれていた。それを見て希はふと疑問に思う。

「あれ…昨日は咲さん、私の隣じゃなかった?」

「ちょっと陽元さんの事気になって。席も空いていたから、座ってゆっくり会話をしてみたかったのだけれど…あまり時間が取れなかったわね」

どうやら初日に遅刻寸前で来た希に興味が湧いたらしい。それを聞いて希は、嬉しいような、けれどみっともない場面を見せた、と複雑な気分になった。

「結構席遠いね」

希がそう言うと、

「休み時間には一緒にいられるわよ?」

「…ぅ、うん…」

咲が微笑みながらそう言ってきたので、希は顔を赤くした。

「と、ところでっ!こ、この学校もそうだけど、街中花が多いよねっ!王都の成り立ちってなんだろうなぁーなんて…えへへ…」

「希望の花」

照れ隠し、のつもりで行った言葉に反応したのは咲ではなく、後ろから聞こえた声であった。

「この街にとって、お花というものはとおっっっても!大事なものなんだよー」

振り向くと背の低い少女が立っていた。あえて言うなれば高校生には見えない程に。

「えと…おはよう?」

「陽元さん、何故疑問形なの?」

「だって…何でこんな所に小学生が―」

「私は高校生だよ!」

「ええっ!?」

「陽元さん、失礼よ」

隣の咲がツッコミを入れる。

(でもちょっと笑ってるように見えるのは気のせいかな…)

「兎に角!私はちゃんとしたこの王立対魔族学院1年――」

「まぁまぁ、そう怒るなよ姫子、2人とも高等部から入ってきたんだし、お前のこと知らないのは当たり前だろ?」

遮るように現れたのは、姫子と呼ばれた少女と対照的に平均的な女子の身長よりも高い女性。

「美琴は黙ってて!」

その女性の姿を見ると、少女は声を荒らげた。

「おいおい!とばっちりだよ姫子!」

とは言うものの、そこまで驚いては無さそうだった。

「あ、あのー…」

目の前の展開が掴めていない希と微笑みを崩さない咲を横目に、

「あぁ、ごめんな陽元、黒月。こいつは櫛田姫子。見た目は小学生そっくりな奴だけど、こう見えていい奴だからさ」

「美琴…!」

「いや、あの…イテテッ!やめろ姫子!」

「…このおバカは井凪美琴って言うの。見た目通りおバカだから、二人とも気を付けて!」

美琴のももを抓りながら姫子が言った。

「えと…よ、よろしく…」

「ふふっ、楽しい一年になりそうね」

苦笑いの希と不動の微笑みの咲であった。


――――


「ところで入学式の時に自己紹介した筈なんだけどなぁー?」

「私咲さんの事で頭いっぱいになってたや…」

「まぁ」

「ラブラブかよっ!」



久しぶりの投稿となってしまい、本当に申し訳ございません!色々事情が重なってしまい…という言い訳ですが…w

あと今回ギャグっぽくしてみましたがどうでしょうか…?元々文章力が欠如しているので余計に変になっていると思いますが、せっかく新キャラ登場回という事で明るくしてみました!

これからも書いていきたいと思っておりますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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