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十字架に乗せる黒き君への思い  作者: 夢幻館の門番
プロローグ
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プロローグ

初投稿になります。夢幻館の門番という者です。読みにくい等あるかと思いますが、読んでいただけるのならばありがたいこと限り無いです。

プロローグ


人々の絶叫。街は火の海と化し、そこには一切の希望や救いも無かった。助けを乞う声は爆音にかき消され、涙は地に垂れること無く、火に焼かれ、失われる。逃げ惑う人々。それと対象的にこの地獄とも思える光景を、快楽的に捉えている悍ましい影。影は人を飲み込み、街を焼き、野を蝕み、空を堕とす。

業火に包まれた街並みは皮肉にも、既に夜に染まった周囲を煌々と照らす。

「…せ」

「…ろせ」

「お前も…」



「殺せ!!」



目が覚める。少女は浅い呼吸を繰り返し、汗が全身を不快感で包んでいた。

「また、この夢…」

自分の手のひらを暫く見つめる、その表情は幾多の感情が混ざり合いどれとも取れぬものだった。

「貴女に今日、逢える。そうなのね…」

まだ明るくはない窓の外を遠い目で見つめる。

徐ろに天蓋付きのベッドから起き上がると、部屋の隅にある姿見へと歩み寄る。

「醜い姿ね…本当に…」

鏡に映る自身を見て自傷的に嘲笑を浮かべる少女。

夜明け前の薄暗い中でも、再び眠りにつく気は無かった。

「私は…本当に…過ちはもう…」

不可解な言葉を紡ぎながら、少女は窓辺から白く成りゆく紺色の空模様を睨むように見つめていた。



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