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6話 繁殖する爆裂巨乳

「両手を上げなさい、松本校長」


戦闘の途中に崩落した校長室の扉から、誰かが入ってきた。


 松本夏ノ字校長は顔だけ扉の方へと向ける。


 そこに立っていたのは、少女だった。


 日焼けを知らない白い肌、対して髪は漆を塗ったかのように黒く、その艶のある漆黒の髪はちょうど肩にかかるぐらいに切りそろえられていた。


ゴクリ、とピヨリは唾をのむ。横眼から見えるその姿は、あまりにも可憐だった。


 とりわけ目を引いたのは、豊満なボディだ。

 はちきれんばかりに盛り上がった胸部。すさまじい巨乳だ。

一目見て分かる、絶世の美女。グラマーな体躯と見目麗しい整った顔、100人の男が通りかかれば99人は振り返る、そんな、完成された美少女。

 だが一つ不審な点を上げるとすれば、左目に大きな眼帯をしていることだ。


「君は……二年G組の水面みずも愛さんだね。君の個人情報は既に拝見させてもらっているよ。成績は、二年生120名中22番目。上の中だ。同様に運動神経も上の中。文武両道で才色兼備。男子生徒の間で密かに行われている美少女ランキングでは常にトップへ顔を見せている。身長は女子にしては少し高い164㎝。体重は……伏せておこうか。胸の大きさはこの学校一、否、この市で一番大きい。推測ではJカップ以上。この事から、良く肩を凝ることが多いが、一人暮らしのせいもあってか、揉んでくれる人がいなくて困っている。……同性の友人に頼むといい。 漆黒の黒髪、巨乳。見目麗しい顔は母親譲り。左目の眼帯は傷を隠すために施してある。と、こんなところか」


校長はピヨリの時と同様、スラスラと流れるように水面みずも愛の身の上を明かす。



――ミズモアイ……?、聞いたことある、水面っていったら、学校のマドンナだ。




「その人から直ちに離れ、両手を上げなさい」

声に怒気を強めながら再び催促する。


「こんなところに、何の用かな? 今は彼の矯正の最中なんだが」

校長は華麗にスルーする。


「……二か月前のように一人で来て何ができる。……また自滅するつもりかい?」

校長は、肌を刺すような冷徹な目線をやりながら言った。


「今の私はもう、前の私とは違う……」

と、愛は自分の中で決心を決めた。


繁殖ブリード……」

愛は、すっと、右手をかざしながら言葉を発する。



すると、松本校長の周りに、ポヨン、ポヨン、と陥没した床から”乳房”が生えてきた。

推定、Jカップぐらいの乳房か。それが突然生えてきたのだ。


愛はそのまま息をつかせる間もなく叫んだ。


「”爆裂する巨乳”(イクスプロードビッグブレスト)!!」


突如、松本校長の周りに生えていた乳房がすさまじい轟音と共に爆ぜた。


突然すぎる事態に校長は、魔人(屁)で自分の身を守る動作がワンテンポ遅れた。

激しく荒れ狂う轟炎が松本校長を襲う。





激しい爆音と、瓦礫が飛び交うのを、ピヨリは横目で見ながら茫然としていた。

校長に地獄のローリングを?まされ死んだと思っていたが、やわらかいもの……大きな乳房に当たったおかげで奇跡的に無傷で済んでいた。

なぜだか分からないが、美少女がピヨリを救ってくれた。

その事実にピヨリは感動し、神に感謝を捧げずにはいられなかった。




「願先先輩、立てますか?」


愛がすぐそばまで来て、手を差し伸べてきた。

ピヨリはその手を、最初こそ躊躇したものの、やがてその手をとり、立ち上がった。



「こ、校長は……死んだのか……」

辛うじて絞り出した声は、愛への感謝の言葉ではなく、校長の生死についてだった。


「今は、まずここから離れることが先決です!」

愛は必死に言う。確かにそうだ、まずここを離れないと。


ピヨリは働かない頭を無理やりに働かせて、今、どれほど自分が危険な状態だったか自覚した。



愛はピヨリの手を取り、その手に惹かれるようにして、この黒煙に包まれた校長室から脱出した。

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