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27話

放送がかかった。

『全校生徒のみなさん、今日は急遽臨時休校となったので速やかに下校してください。くり返し……』

クラスの奴らが、よっしゃああ、などと歓声をあげたので放送が途中からかき消された。


テルモはいきなりの臨時休校に、なにか疑問を感じとった。

そのことについてテルモは考えていると、いつの間にかクラスには誰もいなくなっていた。


「チッ、しゃーねーな。先公どもに直接聞きに行くか」

一応、教室を出る前にノリシゲにメールを送った。

テルモは歩き出す。

他のクラスにはまだ何人か残っているようだった。


テルモがD組を通り過ぎようとしたときに、後ろから鉄のように固いもので頭蓋を殴られた。

「ガァッ」

目が火花が散って、意識が凍結する。

テルモはふいの襲撃に、防御をするどころか反応もできなかった。

両足で立てなくなり、前のめり倒れる。


「おい、すぐに倒れたぜ”鋼鉄の体”(フルメタルボディ)、はやっぱ最強だな」

「ほんとだ。つーか僕ら何もすることなかったじゃん。これじゃあ松本校長に怒られかもね。ねぇ大林ちゃん」

「そうね。あたしたちにもやらせてほしかったのに」

「じゃあやりゃいいだろ。別に殺すなとは言われてねぇから良いだろ」


後ろから声が聞こえる。男女が入り混じったグループ。

三人いる。

うち一人、そいつだけかなり声が高くて、近くの窓が震えている。


テルモは身の危険を感じ、頭に残る鈍い痛みに耐えながら立ち上がった。


そこには見覚えのある顔が三人並んでいた。

テルモはハッと気づく。

彼らは反逆者リベロ結成以前に、加入してくれ、誘った三人だった。

加入は断られたが、テルモが直々に頼みに行くほどの能力を持つ者たちだ。


「よぉテルモ。久しぶりじゃん。覚えてるか? 芝ヶ弘人しばしばひろと様だぜ」

筋肉が盛り上がるほどの男が言った。


「僕のことも覚えてるかな?」


テルモは後頭部に残る鈍痛に苛まれながらも、なんとか答えた。

「二年の富永時光とみながときみつ。能力は……不完全な、”筋肉強化”(マッスルストリングセン)……だろ?」

富永はへぇ、と意外そうな顔で感心した表情だった。


「あー…………じゃあ、あたしは?」

次いで、女の方も訪ねてきた。


「”高すぎる声”(ハイエストボイス)の大林穂乃果おおばやしほのか……だ」

おぉーと小さな歓声を上げて、大林は満足そうな笑みを浮かべながらうんうん頷いていた。


「お前ら……もしかして校長に雇われたのか?」


筋肉質の男、芝ヶが答える。

「いいや、俺たちは最初から平和維持ボランティア会の一員だ。最近調子こいてここらでブイブイ言わせてるテルモ君を、ちょいとブチ殺しに来ただけだぜ」

筋肉モリモリの男の芝ヶは、ニカッと白い歯を見せながら爽やかに言った。


こいつらは強い。

一対三じゃ、勝算は限りなく低いだろう。

逃げる、しかないな。


テルモは三人に気付かれないように横目でちらちらと逃げ場がないか確認する。


「よそ見してんじゃねえ!」

芝ヶは拳を鋼鉄にして顔面を殴ろうとする。

テルモは瞬時にチャックを開け、秘部をデロン、と出して威嚇する。


「うぉ、お前ら気を付けろ! こいつは”伸縮する秘部”(ロングマラー)の使い手だ! 口かケツに突っ込まれたら、終わりだと思え!」

芝ヶはテルモの秘部を見た途端、以上に警戒しだす。


「なあ、お前ら。すまねぇけど、ここは見逃してくれねぇか。こんなところで無駄に一般人に気付かれたくない」


「その願いは受け入れられませんね」

富永がいつの間にテルモの前にまで来ていた。


「なっ!? いつの間に――――」

富永の拳があばらをつきさすように伸びた。

すさまじいまでの、重い一発。

おもわず胃から吐血する。



富永の腕は異様な形をしていた。

「まさか……これまでの筋肉とは…………やはり、仲間にしたかった」


「ハハハ! 先輩はもうすぐ死ぬんですよ。後悔したところで遅い」

富永が近づく。

芝ヶより筋肉がはるかに膨れ上がったその右腕でテルモを持ち上げる。


「う、ぐぐ」

テルモは無抵抗のまま持ち上げられる。


その時、誰かが階段を上がってくる音がした。


「ん? 誰の足音だろ」


「階段だ、階段。大林、さっさと見てこい」

芝ヶが大林に命令する。

「はいはい」

大林は階段を見に行った、直前。


「きゃああああああ」

階段から大林のハリウッド女優並みの高い悲鳴を上げた。


「どうした大林!?」

富永が手を離して階段の方に行く。


「ハァ、やっと来たか。笑美子さん」

今度は富永の悲鳴が聞こえた。


「お、おいおい誰だよ!」

芝ヶはかなり焦り出した。


「調子に乗っていたのは、どっちだったんだろうな?」

テルモは秘部をギリギリまで圧縮した。

そして、両足が痙攣する。


「なにをする気だぁ!」

芝ヶが体全身を鋼鉄にし、完全に防御体制にした。

「もう終わりだ。芝ヶ。やはりオレピーの能力の方が強かったな」


そう言ってテルモは、すごい衝撃を放ちながら秘部を開放した。

鋼の体に直撃する。秘部の衝撃で芝ヶは後ろへ吹き飛ばされた。

芝ヶは声を上げる暇もなく、一瞬で気絶した。


そうしてようやく、笑美子が顔を見せた。


「ごめんねー。タコヤキ買ってて遅れちゃった」

笑美子はタコヤキの袋を見せながら言った。


「笑美子さん、呑気ですね。もしかしたら、今日、校長との戦いあるかもしれないんで。反逆者リベロ全員に収集をかけて下さい」


もちろん、ピヨリも、と最後に付け加えた。


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