10話 反逆者
目の前で優雅にティーを楽しんでいるテルモの姿を見た。
「テル……モ?」
テルモはピヨリの顔を一瞥しただけで、何も言わなかった。
愛が事情を話す。
「こちらは願先先輩です。今日校長との戦いの最中、ギリギリで私が助けました」
「校長とバトルしてたってことは、もちろん能力者なんだろうなぁ?」
ソファーに座っている男が話しかけてきた。
外ハネさせた茶髪に全体的に髪が長い。眉根はキリッとしていて、耳にはピアスを開けている。
ホストのような風貌でチャラい男だと思った。
その横には女も座っている。
「あ、え、えっとハイ。能力は ”伸縮する秘部”(ロングマラー)です。親からの遺伝で発現しました」
ピヨリはたじろぎながらも、なんとか答える。
「へぇ~、いいんじゃない、 ”伸縮する秘部”(ロングマラー) 面白いじゃん。どうする、テルモ?」
ホスト風の男の横に腰かけていた女が、ニコニコしながらテルモに言った。
こちらは今風の大学生といった感じか。
ショートパンツと動きやすい服装をしている。
ピヨリはしなやかな足を覗き見えた。しなやかな白いふくらはぎ、引き締まった健康そうな脚。
少なからず大人の色気を感じさせた。なにかスポーツでもやっているのだろうか。
女がテルモに話しかけたが、テルモは俯いていて、何か凄みを感じる。
普段のテルモとまるで違う、ちりちりと産毛が逆立つような恐怖を感じる。
「チームに入れ、ピヨリ」
少しタメて言った。
「入れ……って言われても。俺は疑問だらけなんだ、色々説明してくれよ」
「オーケー、いいだろう。ただしその代り、うちのチームに入って強くなってもらう。それが条件だ」
「強く……だと? 具体的にはどうすればいいんだ」
「簡単だ、修業をするんだ。修業を見事クリアしたならばお前の疑問に答えてやる」
ピヨリは考える。
ピヨリは愛に助けられなければ、校長に殺されていたんだ。
その恩を果たさなければいけないというのもある。
このチームに入っていればピヨリの身は安全だろう。
「いいぜ、入ってやる」
フ、とテルモは笑った。
「良しピヨリ、オレピー達は同じチーム、反逆者だ!!」
テルモは高らかに言い放った。テルモと共に、その場にいる全員もピヨリの入団を祝してくれた。
「改めて、よろしくお願いします、願先先輩」
愛は手を差し伸べた。
ピヨリは躊躇わずその手に握手した。
「そう思えば、紹介がまだだった」
とテルモが言う。
「こいつは、岡松ノリシゲ、二十歳でオレピーのいとこだ。能力は……まだ言えないな。ちなみに俺も能力者だ。だか、能力名はまだ言えない。ピヨリのことは信頼できる奴だと思っているが、これでも俺は一組織のリーダーだ。ある程度反逆者に貢献している奴じゃないと能力を教えられねぇ」
「そうなのか」
「だが、笑美子は無能力者だ」
ピヨリは目を丸くした。
「む、無能力? そんなんで大丈夫なんですか笑美子さん!?」
ピヨリは笑美子に尋ねた。
無能力者で、その上女の笑美子が、強いはずがないとピヨリは思った。
「大丈夫よ、アタシこれでも、ボクシング、キックボクシング、柔道、空手、功夫、ムエタイ、テコンドーとかで世界チャンピオンになってるし。多分、今のアンタじゃアタシには勝てないわよ」
笑美子は自信満々に言った。
「じゃあピヨリ、明日から放課後毎日オレピーの家に来い。地下室で能力の扱い方を教える」
「ああ、分かった」
そして一日が経過した




