「どくはく」
2008年に、携帯より即興で書いたものです。
手を伸ばしても届かない。
ってことを、いつの間に知ったのだろうか。
いや、受け入れたのだろうか。
当たり前のように、暖かいものだと思っていた。
当然のように、柔らかいものだと思っていた。
その暗さ、冷たさ…怖さを知ったのは、何時だったろうか。
もう、思い出すことも出来ない。
夢はいつの間にか絶え、希望は目にも見えない程小さく萎んだ。
あんなに欲しかったものを、欲しがったことすら忘れていた。
浸食
破滅
消失
熟語が群を成して思考回路を腐蝕する。
綺麗だった心は跡形もない。
純粋などとおに潰えた。
だから此処にいるのだろう。
避けては通れない漆黒の闇。
触れないことを知りながら、手を伸ばした。
計り知れない距離に、絶望することすら亡くなってしまった。
そんな自分に対しても、溜め息を吐くだけ。
それが大人になるということ。
私は知っている。
空に触れることは出来ない。
雲に乗ることも出来ない。
夢は敵わないから夢で
現実に叶わないから理想だということ。
「淋しいじゃないか」
声は冷たい空気に溶けた。
星1つ無い都会の空で、呟きを拾う者など居やしない。
「寂しいじゃ、ない…か」
不意に肩を叩かれた。
振り返ると、見知った顔がそこにあった。
少しホッとして、肩を並べて歩き出した。
悪いことばかりでは、無いのだろうと考えながら…
2008/01/11
おそらくわざと漢字を変えてる部分があります。
この頃、こういう言葉遊びが好きだったんだと思うのですが、厨2病でしょうか。
でも、今もあんまり嫌いではなかったりします。
見せ方が幼いなぁ……