神からの使い
朝起きたカインは、隣にユミが居ないことに気付く。
先に起きたのかと部屋を探すが見当たらない。
いつもユミは、先に起きてもカインを起こしてから共に仕事に行くのでおかしいとカインは、思う。
それに妙に胸騒ぎがする。
そしてすぐさま準備し屋敷を探した。
途中出くわす使用人とカーストも加わり部屋の一つ一つ丁寧に探したがおらずカインとカーストは、次は、城に飛んだ。
城についた二人は、執務室から仲の良い貴族に尋ねたりもしたが見付からず。
気持ちが焦るばかり。
城も隅々まで探したがユミは、居なかった。
次に街の捜索をするためギルド員に協力を要請。
執務室で待機しながら吉報を待ったが見付からないと報告を受け範囲を全国に広げた。
そしてデルガの元に報告に向かった。
報告を受けたデルガは、言う。
「ユミがおらぬとな。」
「あぁ…屋敷にも城にも街にも居ない…」
カインは、辛そうに告げる。
「各国に協力を求めて捜索しているがまだ見付かってないのです。」
次いでカーストが説明する。
普段のユミなら何も知らせず出ていく訳がない。
問題に巻き込まれた可能性が高いとすぐさま捜索の手を増やし対応するが発見されたとの連絡は、ない。
緊急事態と判断したデルガは、各国の王族も加え仲の良い者達も加えて話し合いを始める。
「これだけ探してもまだ見つからない…」
カインの悲しげな言葉に皆が俯く。
「ユミは、問題に巻き込まれたのは、確かだの。
いつものユミなら何かしらの連絡をするはずだ。
誘拐考えたくないが殺された可能性もある。」
デルガの言葉に皆が息を飲んだ。
「やめてくれ俺の前でそんなことを言うな!!」
カインは、自分の肩を抱き締め震える。
「カイン…」
カーストは、カインの肩を抱き寄せる。
「ユミが居なくなるなんてあり得ない!!
俺を残して行くなんて絶対ない!!」
ユミとカインは、死ぬときも一緒と約束をした。
カインは、その時の光景を思い出す。
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「カイン死ぬときも一緒じゃないと嫌だからね。」
「死ぬときもか。」
「そう。
そうすればずっと一緒に居られる。
次に生まれ変わる時も一緒。
そしてまた結ばれるの。」
「そうだな。
俺達は、こんなにも愛し合って居るんだ。
来世でも一緒に居ような!!」
「うん♪」
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そんな幸せな光景を思い出したカインは、皆に告げる。
「ユミは、俺と一緒に生きて俺と一緒に死ぬ。
そして来世でも二人で一緒にそう永遠に共に居ると約束したんだ…」
カインは、俯き告げる。
そして親にすがるように話を続ける。
「ユミ…
俺を残して何処に行ったんだ…
約束したじゃないか一緒に居ようって…」
カインは、床に手を付き涙を流す。
カインの涙は、床に落ちた。
「戻って来てくれ…
ユミ…」
カインの痛々しい姿に皆も静かに泣き願った。
そしたら集まっている部屋が眩しい光に包まれた。
光から現れたのは、純白の羽を生やした天使である。
「急な訪問失礼する。」
カイン達は、驚き固まってしまった。
カイン達の星に天使が現れたのは、初めてであり存在すると思って居なかったから。
天使は、気にする素振りもなく話を始める。
「君達が知りたい事を含めて最初から説明する。
静かに聞いてほしい。」
なんとか落ち着いたカイン達は、聞き入る体勢に入る。
「今この世界に危機が迫っている。
ユミが異世界の住人だと皆は、知っているな。」
カイン達は、頷く。
「ユミが元の世界からこちらに転生した原因となった者が罰の辛さに耐えられずユミを恨んで闇に落ちた。
そして理不尽な理由でこの世界を壊そうとしている。」
皆が息を飲んだ。
「ユミは、その惨劇を夢で見た。
そいつからのメッセージだ。
世界を壊すと。
ユミを見た夢は、大量のモンスターに襲われる人々。
何も出来ずに見ているしか出来ない状態でだ。
起きたユミは、自分の無力さに痛感し力を求めて創造神ゼウス様の元で修行することになる。
今は、体の作り替えを想像を絶する痛みを伴いながら行われている。
時間にして長くて1時間だ。
その後は、無限に漂うモンスターとの戦闘だ。
…我々の落ち度でこのようになってしまったことを代表として謝罪する。
そしてユミだけに背負わせる訳には、いかない我々は、首謀者天使メディアの情報を調べた。
襲って来るのは、3ヶ月後。
その間ユミの修行は、続く。
私達の力で封じることが出来ればしたかった。
我々は、穢れに近付くことが出来ないのだ…」
天使は、涙を流す。
「嘘だよな…
嘘だと行ってくれ!!
ユミ…」
カインは、壊れたように叫ぶ。
「すまない…
我々には、ここまでしか出来ないのだ…」
悲しそうに告げる天使。
「お願いだ俺も連れて行ってくれ!!
ユミと共に修行する!!」
カインは、天使に詰め寄る。
「それも無理なのだ。
神により力を授けられたユミしか出来ないのだ…
創造神様に通じる道がなくては、ならない。
ユミしかあいつを倒すことが出来ない。
私達が出来るのは、死なせないように少しの手助けする位なんだ…」
カインは、呟く。
「俺は、ユミと一緒に居ることさえ出来ないのか。
ユミの辛さを共有することも
…助けになれないのか…
何も出来ないのか…」
カインは、虚ろげな目をし笑いだす。
精神が壊れ始めた証拠だ。
カインの状態に天使は、危険と判断し自分にも出来ることを告げる。
「何も出来ない訳では、ない。
ユミが望幸せを謳歌しろ。
そして決戦の日は、押し寄せて来るモンスターを倒すんだ。
ユミが願うのは、世界の平和だ。」
「幸せを謳歌する。」
カインは、呟く。
「そうだ。
一番近い君だからこそ分かる筈だ。
ユミは、待っていて欲しいとそして一緒に星を守ろうとな。」
ユミをよく知るカインは、思った。
悲しんでる暇などない。
ユミと共に世界を守ると。
「ユミと共に平和な世界を壊そうとする者を正してやる!!」
カインは、正気に戻り宣言する。
皆もやる気を取り戻した。
そして自分達で出来る全てをやり尽くし迎え撃つと。
すぐさま世界に発表された情報に市民達は、恐怖しユミが無事であることを願った。
そして自分達でも出来ることをしようと乗り出す。
ユミは、その頃作り替えが終わり気絶していた。
ゼウスside
「ユミよ…お主は、想像を遥かに越える強さがあるの。」
ゼウスは、ユミの力に驚いた。
自分とまでいかないが神と代わらぬ強さを持ったのだ。
そしてかなり体に変化があった。
ユミが起きるまでゼウスは、待ち続けユミが起きてから修行について話を始める。
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体に残る疲労感ユミは、目を開けた直後すぐに回復魔法を掛けた。
「ユミ…
起きたかの。」
ユミは、起き上がり返事をする。
「はい。」
「体に違和感は、ないかの?」
「特に無いですが治療力が上がりました。」
「力がついたからの。
後は、その力を最大限まで引き延ばし使いこなす修行だ。」
「はい。」
「これから無限に漂うモンスターと戦闘訓練を開始する。
期間まで休みなくだ。
その上全ての者がMAXなlevelだ頑張ってくれ。」
ユミは、力強く頷き。
決意する。
皆と共に世界を守ると。
そのようすを確認したゼウスは、消え。
ゼウスが居なくなると同時にモンスターの唸り声がそこら中から聞こえユミの修行が始まった。




