馬鹿の後始末
カインside
カインは、エミ達と別れてユミを抱き上げギルドに戻る。
(本当に軽いな。
お昼もサンドイッチ3つしか食べてなかったし体も小さいし少食かも知れないな。)
「あっカインさんどうかしたんですか?
西ギルド員がテイル平原に急いで向かってたみたいですが。」
「どこかのバカが大量のモンスター引き連れて南門に向かって逃げて来て今俺が抱えてる新人のユミにモンスターを押しつけ逃走。
討伐は、無事に終わったが疲労で気絶してしまったらしく西のギルドに戻る途中だ。」
話しかけて来た青年は、何か思い出したようだ。
「どこかのバカってグズスだと
思うぞ。
さっき南の酒場でゲラゲラ笑いながら大量のモンスターを女に押しつけてやったもしかして死んでるかもなって酔っぱらいながら吐いてたし。」
「グズスだな。
どこの所属かわかるか?」
「そこまでは、わからないがギルド員なのは、たしかだ。」
「助かったそろそろ行くわ。」
「ユミちゃんだっけ?
早く休ませて上げた方が良いもんな。
俺もグズスについて調べとくよ。
何か分かったら連絡する。」
「頼んだ。」
(今回の件は、グズスと言う冒険者がバカの確率が高いな。)
カインは、ギルドに急いだ。
「討伐成功したぞ。
ギルドマスターに報告したい取り次いでくれ。
後医務室を借りたい。」
「ユミさん、怪我したのですか!?」
「いや、疲れて気絶しただけだ。
とりあえずベットに寝かせてやりたくてな。」
「良かったです。
ギルドマスターに至急連絡して確認しました。
医務室の利用許可します。」
「ユミを医務室に寝かせてくる。」
カインは、ユミをベットに寝かせる。
(バカの始末は、しっかりつけるからなゆっくり休め。)
カインは、エミにフレンドコールする。
(カインどうかした?)
(ユミをベットに寝かせた。
後バカがグズスという冒険者の確率が高い。
南の酒場でゲラゲラ笑いながら大量のモンスターを女に押しつけてやったその女死んでるかもなって耳にした奴が居てな。グズスの事調べてくれ。)
(そう。
今回の件と酒場での発言あと同じようなことしてないか調べ尽くすわ…
そいつがバカなら徹底的に潰してやる。)
(あぁ。
ギルドマスターに報告終わったら合流する。)
(了解。)
(エミかなり切れてるな…)
「入りますよ。」
医務室に知的で美人な男性とギルド嬢が入ってきた。
「カイン報告してくれ。」
「報告します。
今回の大量のモンスター討伐は、まだ断定出来ませんが一人の冒険者がモンスターを引き連れて南門に接近。
テイル平原南門近くで訓練していたユミにモンスターを押しつけ逃走。
ユミは、一人では無理と判断。
エミに応援要請。
我らが駆けつけた時モンスターとの戦闘は始まっておりユミは、円摩陣の四重陣で対応してました。」
「分かった。
私の大事なギルド員を危険な目に合わせるなんて…
たしかユミさんは、今日登録したばかりだよね。」
「はい。
今日の昼頃登録したばかりです。」
「その時levelは、いくつだった?」
「登録した時は、level5でした。」
「本当に怪我しなくて良かったです…
原因の目星は、ついていますね。」
「はい。
グズスという冒険者が酔っぱらい笑いながら自供していたと目撃した人物が情報をくれました。
エミ筆頭に数人のギルド員がグズスの情報を集めています。
私も合流して調査します。」
「私も一緒に行きましょう。
本人とギルドマスターにいろいろお話しておきたいですしね。」
(ギルドマスターも切れたか。
簡単な処罰じゃすまないだろうな。)
「カイン行こうか。
あと頼んだよ。」
ギルド嬢がユミに付き添いカインは、ギルドマスターと共に調査に向かうのであった。
エミside
ダイにフレンドコール
(ダイ聞こえるかしら?)
(大丈夫。
何か分かったの?)
(バカがグズスという冒険者かもしれないの。)
(グズスね。
生産系の間でかなり問題になってる奴だよー)
(何処の所属かわかる?)
(北だよ。)
(カインに報告するわ。
ギルドマスターも一緒に居るみたいだし。)
(僕も皆に知らせとくよ!!)
(頼んだわ。)
フレンドコールカイン
(グズスの所属は、北のギルドらしい皆で向かうわ。)
(俺もギルドマスターと共に向かう。)
(分かったわ。)
(私も北に行かないと。
西ギルドのアイドルを危険な目に合わせたバカには、報復を…)
エミは、急ぎ足で北のギルドに向かうとギルドマスター初めとする仲間が集まっていた。
ギルドマスターside
「皆さん集まりましたね。
北のギルドマスターとグズスに直線話を聞くので皆さん行きますよ。」
ギルドマスターを筆頭に北のギルドに入る。
ギルドマスターは、迷うことなく受付の前に行き
「西ギルドのマスターをしている者です。
至急ギルドマスターとグズスにお話を聞きたいのですが。」
「ギルドマスター及びグズスにお話をですね。
会議室にご案内します。」
ギルド嬢の案内で会議室に皆で向かう。
「5分ほどでこちらに着くそうです。」
「分かった君は、戻って良いよ。」
「失礼します。」
5分ほど待って居ると二人の男性が入ってきた。
一人は、威厳のある男性で。
もう一人は、生意気そうなガキである。
「西のギルドマスター殿お待たせしてしまって申し訳ない。」
「こちらこそ急な訪問失礼します。」
「それには訳があるのでしょう。
お話を聞かせていただきたい。」
「そちらのグズス君が我がギルドの新人に大量のモンスターを押しつけ逃走したようなのですが…」
ギルドマスターが事の詳細を説明。
グズスの顔色は、真っ青になり。
北ギルドマスターの顔は、厳しい物に変わる。
「グズスよ…誠の事なのか!!」
グズスは、開き直りキレ気味で答える。
「確かに俺です!!
南の深森の大量のモンスターを押しつけてやりましたよ!!」
「何て事してくれたんだ!!
自分の責任を他者に押しつけ逃走するなど…
ギルド員としての誇りはないのか!!」
「しょうがないだろ!!
勝てる相手じゃなかったんだから!!
あそこに居た女が新人と思わなかったんだ!!
俺は、悪くない!!」
「ほぉ…
テイル平原南門近くは、初心者向けの場所ですがね…」
「そっそれは…」
「貴方は、悪くないと…
その女性の咄嗟の判断で南区にモンスターの被害が出なかったのですよ!!
新人のギルド員ですらギルドのあり方をわかって居るのに貴方は、何を学んだのですか!!
貴方みたいなギルド員などこの都に必要ありません!!」
「うっうるさい!!
俺は、悪くないんだ!!」
「不愉快ですね…
グズスに対してこちらが納得行く処罰を下していただきたいものです。」
西のギルド員全員がグズスを睨む。
突き刺さる視線は、痛いほどに。
「もちろんだとも…
グズス…君は、今日からギルドを追放する!!
そしてこの町から出てって貰おうか…
今後すべてのギルドを利用不可能だ本部に通達するからな自分の罪の重さを考えるんだ!!」
グズスは、許して下さいと泣きわめいていたが屈強なギルド員により連れられていった。
「この度は、我がギルド員の問題を解決していただきありがとうございました。」
北ギルドマスターは、深々と頭を下げる。
「頭を上げてください。
今後同じ過ちを繰り返さぬよう頑張っていただきたい。
私たちは、これで失礼します。」
北のギルドマスターは、皆が退室するまでずっと頭を下げていた。
「グズスの問題を解決出来たので戻りましょう。
ユミさん起きてるかも知れないですしね。」
皆で西のギルドに帰って行った。