59話 戦いの後
異世界363日目
ジンは、馬車の中で目覚めた。
目を開けると嬉しそうなだけど泣きそうな表情を浮かべたソフィアが見えた。
「ジン様・・・、良かった。」
「おはよう、ソフィア」
ソフィアの顔が上に見えるどうやら膝枕をされているらしい。
「ジン様は暢気ですね。2日も起きなかったんですよ。」
そんなに、寝ていたのか。前の世界では、長くても十時間以上寝たことなんてなかったのに。
「本当に良かった。皆さんも呼びましょう」
「ちょっと待って。少しこのまま膝枕を楽しみたい。」
ジンは、ソフィアの膝に手を置いてソフィアの動きを止める。
「あっ、はい」
ソフィアは、嬉しそうに返事をしてジンの頭に手を置いた。
「ソフィアさん、お兄ちゃんの様子はどうですか?」
だが、すぐにフェリスが、馬車に入ってきた。
「お兄ちゃん!、起きたの」
顔を外に出して
「皆さんお兄ちゃんが目を覚ましましたよ。」
騒がしくなりそうだな。
予想に反してジンの仲間たちは、静かなものだった。抱きついたりキスしたりはしたが、長くは留まらずに馬車を出た。
ジンが寝ている間に、皇都に着くまでは大人しくすることに皆で決めたらしい。
仲間の後は、各国の代表たちが訪れた。ジンの世話をしていたイリヤが気をきかせて外にでる。
「ジンくん、良かった。目を覚ましたんだね」
「各国の国王が、こんなところに集まって何事だ」
「君は今回の戦いの最大の功労者だからね」
「この場であなたを軽視する者はいませんよ。」
カルディナの言葉にすべての王が頷く。
「まあいいか。今はどんな状況なんだ?」
「残敵は、1日かけてほとんど駆逐したよ。今は混合軍1万を残している。」
「皇都に戻ったら戦勝パーティーが開かれる。ジンくんには、それに参加して欲しい。」
「別に俺は出なくてもいいだろ」
「戦勝パーティーは、活躍に応じた報奨が渡される場でもある。君が報奨を受け取らないと誰も受け取ることができなくなってしまうのだが」
クラフト王国のトランド王が、ジンを説得する。さすがは商人の王だ、言葉が巧みだ。つまり他の人のためにも参加しろということだろう。
「いつなんだ、少し休みたいんだが。」
「4日後には、皇都に着くそうだ。それから3日後に開かれる。」
「・・・わかったよ」
「一先ずはそんなところだ。そのうち、会議を開くから、その時も参加してくれ」
「ああ」
「それじゃあ、お大事に」
王が次々と出ていくなかカルディナだけが残る。王と入れ違いに、『舞姫』トウカ王女、『剣姫』クリス王女、聖騎士のシャルロット、竜騎兵のアルシナ、クラフト商国のシャール王女が馬車を訪れた。皆戦いに参加した身分の高い女性が馬車に入ってくる。
アリシャ皇女と聖女ウリアは、皇都でお留守番だ。
「起きられたのですね。お加減はいかがですか?」
「体がだるい程度だ。骨折も治っているみたいだし。」
イリヤの頑張りのおかげだろう。
「綺麗どころが集まってどうしたんだ」
「前の時と同じよ。父さんに押し込まれたのよ」
「前もそうだったのですか?」
そういえばアルシナとシャルロットは、前の時はいなかったな。
「ええ、今回はわりと本気でジンさんとの繋がりが欲しいようですが。」
「英雄様のお仲間の方はいいのですか?」
「クルト皇帝が何か取り引きしたようですよ。」
「まだ俺は」
「存じていますわ。英雄様はまだお疲れですわ。ですから、お世話をさせてくださいませ」
さっきも言ったが、ここにいるのは、竜騎兵のアルシナを含め皆、高貴な身だ。つまり世話をしてもらう側の人間だ。
「・・・今まで看病の経験は?」
「「「ありません」」」
「・・・知識は?」
「「「ありません」」」
身の危険を感じていると
「わたくしは、一応軍で教えられましたわ。」
「私もあります。」
シャルロットとアルシナが名乗りを上げる。
「二人の言うことを良く聞いてくれ、やってくれ頼むから」
まあ、死んだりはしないだろ。
結果として、まあ死にはしなかった。
トウカとシャールが、怪しげな薬を飲まされそうになったり。
クリスとシャルロットが肩揉みを思い出してジンに欲情したり。
カルディナが、体を拭くといって冷水をかけてきたり。
と色々あったがな。
アルシナが、普通に世話をしてくれたのが救いだった。
「アルシナ、ありがとう」
「気にするな、大した事はしていない。」
「今はそれが何より貴重なんだ」
「そ、そうか」
その後はアルシナがほぼ1人でジンの世話をしていた。アルシナは上機嫌だったが、他の女は不満そうだった。
その夜
アルシナがジンの身体を拭いているとトウカが
「ジンさんは、どうしてこんなになるまで頑張ったんですか?」
それは、ジンといた時間の少い、ここにいる女性がずっと気になっていたことだ。
「世界を守るのに理由がいるか?」
「ジンさん、言っていたじゃないですか。この戦いは、お前達の戦いだって」
「手伝いくらいはするさ」
「手伝いでここまでしますか?」
「世界を守れるならそれくらいするさ」
「でも、ジンさんが死んだら。その後はどうすればいいんですか?勝てないですよ」
「そんなのわからないさ。もしかしたら俺が助けたやつが、俺よりすごいやつに成長するかもしれないじゃないか」
そんな人いませんよ、と皆が思ったが口には出さなかった。
「どうしてジンさんなんですか?」
「俺しかいなかったし、俺にしかできなかった。それに、世界を守ればそれだけ可愛い子に会えるかもしれないだろ。実際に君達に出会えた。」
世界を守るということは、王女達のことも入っているのだろう。
でも、それではジンを守る人がいない。
そこにアルシナが
「なら、ならわたしがジン殿を守ります。まだ力不足ですが、いつか隣で支えてみせます。」
「その役目は、わたくしのものですわよ」
シャルロットも名乗りをあげる。
「シャルロット、それは私の役目です。それには、まずはジン殿の仲間と同じ土俵に立たなければいけませんね。」
ジンを置いて話がどんどん大きくなっていく。
だがジンは、彼女らが自分を支えると言ってくれたことを嬉しく思う、そして以前仲間が同じことを言ってくれたのを思い出した。
異世界367日目
皇都についた頃、ジンの体調は、普通に動ける程度には治っていた。
ジンは、皇都についてすぐに屋敷に向かう。誘拐された子達が気になっていたのだ。
「お帰りなさいませ、ご主人様。よく、ご無事で。」
屋敷の使用人達がジンを出迎える。
「ただいま。皆大丈夫だった?」
「全然平気です。ご主人様が助けてくださいましたから。」
「そうか。皆一度中に戻ろう、話したいことがあるんだ。ここにいないやつらも一階の広間に集めてくれるか」
しばらくして、屋敷の全ての人間が広間に集まった。
メイドが23名 庭師が3名 (全員女性)
ジンのチームメンバーが12名にクレア
これにジンを加えた40人がこの屋敷で暮らしている。
ジンはその内メイドと庭師の26人を、広間に集めた。
「今回、皆を危ない目に合わせて悪かった」
ジンが頭を下げる
「ご、ご主人様、頭を上げてください。私達は好きでここで働いているのですから」
「でも、またこういうことがあるかもしれない。今回の戦いで俺を排除する動きは弱くなるだろう。だが、今度は俺の力を使おうとする奴らが出てくるかもしれない、だからな君達には」
「ご主人様、私達はやめませんよ」
1人のメイドがきっぱりとした声で断言する。ほかのメイドの顔にも『やめたくない』と書いていた。
「しかし、危険なんだ。」
「ご主人様、そのことで考えがあるんです。」
「考え?」
「私達もギルド登録しようと思うんです。」
彼女達が言った考えとは、つまりメイド23人の内15人がギルド登録をしてチームを新しく作り、屋敷の警護、主の近衛、などをやりたいということだった。
リーダーは、ミリアが目を掛けていたジニィーという女の子がすることになっているそうだ。
ジニィーだけを自室に呼んで話を聞くことにする。
「力をつけるにしても、それじゃあ危険が増えることになる」
「大丈夫です。危ないことはしません。それにクビにしたって皆自主的に、チームを作ってしまいますよ。」
「なんでそんなことを?護衛を雇ってもいいんだぞ」
「その護衛には、男が来ることになるでしょう。それは、ご主人様も本意ではないでしょうし、私達も嫌です。それに、その・・・」
ジニィーがなにやら言いづらそうにしている。
「なに?」
「そのご主人様の近衛になれれば、その、えっと、傍にいられる時間も・・・増えると思いまして。」
ジニィーが恥ずかしそうに打ち明ける。
「ここでチーム作りに反対するのはさすがに甲斐性がないな。わかった、チーム作りを認めようただ条件がある。」
「条件ですか?」
「そう、ジニィー、俺のモノになれ」
「あ、・・・はい!喜んでこの身を捧げます。」
「それじゃあ今日の夜、夜伽を命じる」
「わかりました。ただご主人様にお願いが」
「なんだ?」
「その、夜伽に私の二人の妹も連れて行って良いでしょうか?二人とも、ご主人様のことを深く慕っております。それに実は、他のチームメンバーの娘たちは、ご主人様にお情けを頂いているようなのです。どうか妹にもお情けをくださいませんか?」
「いいぞ、連れてくるといい、ただ俺は」
「存じております。激しいと聞いています。楽しみにしていますね。」
部屋を出ようとするジニィーに聞き忘れていたことを聞く。
「そういえばチーム名は決まっているのか?」
「はい、『メイド隊』です。」
その夜
「ご主人様、ジニィーです妹も一緒です。入ってもよろしいですか。」
「いいよ、入ってきて」
入ってきた三人娘はメイド姿だった。三人の容姿は驚くほど似ていた、薄い褐色の肌に黒髪で並べて見るとなんだか1人の人物を年代順に並べたようだ。年は3歳ずつ離れているらしい。
「じ、次女の、ディアです。」
「三女の、ケティーです。」
声まで似ている。これは、いろいろ想像してしまうな。
「三人ともおいで」
三人がベットまで来る。
「本当に似ているな。」
そう言いながら三人を後ろから抱きしめる。
「ディア、ケティー、二人も俺のものになってくれるかい?」
三人の真ん中の次女のディアがジンの胸に頭を預けて。
「はい、この日を待ち望んでおりました。」
三女のケティーは、なんとジンの手を掴んで自分の股間に押し当てた。
「めちゃくちゃにしてくださいご主人様。」
ケティーは、とてもエッチな娘のようだ。
「むっ」
ケティーの行動を見たジニィーもジンの手を服の中に導いて直に胸を触らせる。
「ご主人様、お口にお情けを」
二人を見たディアがキスをおねだりする。
三人とも互いに張り合ってどんどん行為が過激になっていく。ジンもその全てに答え、ジンからも過激なことを三人娘にしていく。
三人娘は、ジンの腕の中で気を失うまでの三時間、競い合うように快楽を求めた。