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聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
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57話 第1回 世界防衛戦:決戦の始まり


朝の8時になった。開戦から20時間が経過した頃


決戦が始まる。


ジンは、竜騎兵部隊ドラグーン・チーム、アルベルト、ティリエル、ミリア、フェリスを連れて空にいた。空からの目算では、ノワールサイの数は、万に近い数になっている。


少し前にクルト率いる東方軍が牛鬼を殲滅に成功した。

それからすぐにジンの作戦が始まる。



「まずは、第一段階だ。アルベルト頼む」


「任せろ」


銀龍のブレスが、堀を自分の身体で埋めているストーン・ゴーレムを吹き飛ばす。

第一段階で、第二の堀を再生することに成功。


「第二段階だ。竜騎兵部隊、爆符の束を投下」


竜騎兵が爆符束をノワールサイの大群に、シャールに貰った五つの内三つを落とす。


前のほうの三ヶ所で五十の『エクスプロージョン』が同時に発動し大爆発が起きる。

ノワールサイ、五百体前後が吹き飛んだ。爆発した付近のノワールサイは爆音と爆風によって平衡感覚を失いその場に蹲っている。


爆発と同時にジンが急降下する。


空に展開していた魔鳥ヤガラスが、ジンに迫る。


そのヤガラスを高速で突っ込んできた竜騎兵ドラグーンがランスで貫く。


「ジン殿に近付けるな。全力で魔鳥を叩き落すんだ。ジン殿は我々の最後の希望だぞ。」


アルシナだ。アルシナが貫いた魔鳥に止めを刺しながら指示を出す。アルベルト、ティリエルも加わり魔鳥を攻撃する。


ジンは援護を受けて立ち止まらずにノワールサイの上空にたどり着く


「残りの力を一発の魔弾、魔弾装填『竜炎弾』」


大群の中心に砲口を向け撃ち放つ


ガンッ


『竜炎弾』が放たれ大群の中心に消える。魔弾が落ちた始点で大爆発が起き火柱があがる。火柱は、拡大を続けノワールサイを呑み込んでいく。炎の中のノワールサイが黒い粒子になって消えていく。


ノワールサイの大群、1割を焼き付くしてやっと火柱の拡大が終わり徐々に鎮火していった。。

これが第三段階。


パリン


紅炎銃が、ガラスが割れるように砕ける。どうやら力を使いきったようだ。


ジンは、黒龍刀を抜いてノワールサイの前方に降り立つ。『黒飛板シュバルツ』は、ティリエルに確保しておいてもらう。


「第四段階だ『四重・岩壁』」


岩壁が牛鬼と堀の間に

ジンが作った4つの低く長い岩壁が戦場を真っ二つにした。重ねた状態ではなく四枚横に並んだ状態だ。


これで、『岩皇』も解けてしまった。


今の戦場の配置は


東方軍<<岩壁<<岩窟竜<<第二の堀<<ジン<<ノワールサイの大群


空には、竜騎兵、アルベルト、ティリエル、ミリア、フェリスの高空戦力


という配置だ。


「いくぞ、テツ」


「【主、ご武運を】」


狙いは、足だ。足を使えなくして身動きできないようにする。そうやって魔物の壁を作って時間を稼ぐ。

ジンは『竜炎弾』と爆符束で浮き足立っている大群に真正面から突っ込む。


身体を回転させながら左右の、ノワールサイの足を斬りつける。足を切られたノワールサイは、その場に転倒する。その頃群れが動き出した。転倒しているノワールサイは踏みつけられたり角で貫かれたりして死んでいく。ジンにも、多数のノワールサイが向かってくる。


「水の聖痕スティグマを発動『水龍』、『流水陣』」


ジンは、水を使ってノワールサイの突進のベクトルをジンの脇を通るように操作する。


脇を通るノワールサイの足を斬る。多数のノワールサイが堀を乗り越えようとしている。おまけに、大蛇まで堀の近くに来ている


「まだ堀を、越えられると困るんだよっ」


ジンは、堀の近くに移動することにする。ジンは、移動しながらもノワールサイを斬りつける。


「『水翼』」


ジンは、『水翼』で水を確保してから


「『大渦水だいかすい』」


渦巻き状の大量の水が大蛇を中心とした場所の魔物を削り潰した。


「『水翼』・・・『万水』」


今までで最大量の水を出して堀を水で満たす。堀を乗り越えようとしていたノワールサイは溺死することになった。さらに、これで大蛇の橋を使わない限り超えられることはなくなった。

その代わり、『水龍』の時間がかなり減ってしまったが。




「はあ、はあ・・・」


堀を水で満たしてから一時間が経過した。朝の9時を過ぎた頃だ。


「はあ、はあ、さすがに疲れてきたな。」


この頃になると、ノワールサイはジンを集中的に攻撃するようになっていた。ジンは、地面を転がりながら足を切りつける。


水を使った戦闘をしている中で転がり回っているせいで、ジンは泥だらけになっている。おまけに水を含んだ地面を、ノワールサイが動き回るので地面が泥沼でいしょうになってしまい一箇所に長くいられない。

そのためジンは移動しながらの戦闘をいられた。


「【ご主人様、大丈夫?】」


「なんとかな」


今度は大蛇が三十匹現れた


「また大蛇が出てきたか、さすがにすべてを殺すことはできないな。だが見逃すわけにもいかない。近いのから、片付けるしかないか」


近くに来た、ノワールサイを斬りながら愚痴る。


大蛇に向けって走りだすと今斬ったノワールサイを挟んで反対側にいるノワールサイ3体が、倒れているノワールサイをジンに向かって突き飛ばしてきた。


「なに!?、がっ」


ノワールサイの、巨体をもろに受けてしまう。地面を転がるジン。


「【主!大丈夫ですか!?】」


「ああ、大丈夫だ。身体中が痛いが、酷い怪我はしていない、それに座っていはいられ・・ない」


突撃してきたノワールサイの巨体を転がって避ける。避ける際に足を斬るのを忘れない。


「はあはあ、これは、さすがに、きつい」


周りをノワールサイに囲まれてしまった。これでは、大蛇のところに行くことができない。

これではノワールサイが堀を突破するのも時間の問題だ。


ノワールサイの上空では、魔鳥をほとんど駆逐したアルベルト達が、上空からノワールサイへの攻撃に移っている。

アルシナが、ノワールサイに囲まれているジンを見つけた。


「ジン殿が」


それを見て、アルシナとティリエルがジンのところに行こうとする。それを銀龍の姿のアルベルトが


「待ちなさい。君達が行って何ができるんだ」


「ですが!」


「君にはそれを使う仕事があるだろう」


アルベルトが、アルシナの竜に括りつけられている爆符の束を指さす


「それに君達が行っても足手まといだ。今は自分の役目を全うしなさい。」


「・・・そう、ですね。」


「わかりました。お父様」


「ありがとう。私はもう一度ブレスを放ったら、岩壁の前に陣取る君達はこのまま攻撃を続けてくれ」


地上では、大蛇の橋が10本も架かろうとしていた。



10時ごろノワールサイの堀を渡るのが本格的になっていた。


「そろそろいいだろう。」


アルベルトがブレスを吐く。しかし、前ほど威力が出せず大蛇の橋を4本吹き飛ばした頃から、ブレスの威力が落ちていき五匹目は落とせなかった。


「爆符を落とします。」


残り二つの爆符の束も投下されて、大蛇と大蛇の上と付近にいるノワールサイを吹き飛ばした。


しかし、残った四本の大蛇の橋から次々と堀を乗り越えてくる。


岩壁の前に、銀龍と岩窟竜が陣取りそれを迎え撃つ。


岩窟竜がブレスでノワールサイを吹き飛ばす。

銀龍は風の魔術で転倒させる。


そして二頭の竜の攻撃を掻い潜ったノワールサイと竜がぶつかり合った。

岩窟竜は踏み潰し、あぎとでノワールサイを噛み砕く。

銀龍は、尻尾で掴んで投げ飛ばし、近距離から風の刃で切り裂く。


しかし数はいっこうに減らずノワールサイの角が竜の体を突き刺さり始める。幸い竜の鱗は硬いので深手には、ならなかったようだ。


岩壁の前は激戦区と化した。ストルとアルベルトが防げなかったノワールサイが岩壁を崩そうと何度も突撃する様子も見える。


その頃、ノワールサイに囲まれていたジンは


「『小突ことつ』」


二刀に分けた小太刀がノワールサイの目を貫く。


刀神に師事した神双流では、小太刀は基本的に防御だが、少ないが攻撃技もある。『小突』は、最小限の動きで予備動作なしで出せる突き技だ。ノワールサイの目を貫くことは、簡単だった。


この頃のジンは、目を貫いて頭の中を潰す戦法に変えていた。囲まれた状態で足を斬って転倒されると、すぐにこちらの身動きが取れなくなるため、確実に殺せる戦法に切り替えたのだ。しかし、この戦法も限界が見えてきた。


ジンの疲労が、ピークに達してたのだ。二時間休憩なしでAランクの魔物と戦闘しているのだ無理もない。


「はあはあ、・・あと二時間を・・切ったか。もういいだろう。テツ、そろそろ奥の手を使う一度一刀に戻って」


「【わかりました。】」


アルベルトにだけは、以前戦ったときに片鱗だけは見せた奥の手。それを全力で使う。


「これから当分は、俺の独壇場だ。」




こちらの都合でギルドカードの仕様を一部変えました。

申し訳ありません。

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