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聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
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51話 第1回 世界防衛戦:外 救出

開戦から7時間たった頃ジンは、皇都のお城にたどり着いていた。


「英雄さま、何故お城に?」


と中庭で手入れをしていた庭師のじいさんに話しかけられる。今ではジンの名前は城の中に限れば結構有名になっている。


「ちょっと野暮用でな」


じいさんに返事をしながら師団長のタッドをさがそうとするが。


「ジン殿お待ちしておりました。」


タッドのほうから数人の部下を連れてやって来た。


「話は聞いてるよな。状況は?」


「怪我人は三人、三人とも軽傷です。確認できているので八人が連れ去られています。屋敷の損害は、ひどくありません」


タッドが、全体の説明をしてから。


「怪我人は、庭師が斬られたようですが傷は深くはありません。あとメイドが二人軽い打撲をおっています。」


「連れ去られたのは、メイドが7人とギルド職員が1人の8名です。」


クレアさんも攫われたのか。


「屋敷は、一部が焼けましたが、焼けた範囲は狭いです。後は扉や窓が少し破壊されています。」


タッドの部下が詳細の説明をしてくれる。意外だったのは彼らが協力的だったことだ。おそらくタッド師団長がしっかりしているのだろう。本当ならジンが数時間で帰ってきたこと自体がおかしいのだ、それを質問しないのはタッドがジンに時間がない事を理解し、無駄口を叩かないように徹底させているのだろう。


「タッド師団長、今から言う場所に兵を集めてくれ。」


「もう見つけたのですか?」


「見つけた。」


実は、城に来る途中に皇都全体を探索していたのだ。


「俺は先に助けに行く。できるだけ早く来てくれよ。」


最初は呆気に取られていたが、すぐにもちなおし。


「了解しました。」





皇都にある、とある倉庫の地下に、縛られた8人の女と傭兵風の男が数人と騎士風の男が1人いた。

縛られた女を見ながら傭兵風の男が


「なあ旦那、まだこいつらにいたずらしたら駄目なのか?皆上玉だぜ」


旦那と呼ばれたのは騎士風の男だ。


「後半日は、待て。」


「なんでだよ」


「その頃には、戦いは終わっている。そうなれば人質の意味はなくなる。そうなったら好きにしろ。」


傭兵風の男が野卑な視線を女達に向けるが、そこに絶望の表情はなかった、なにか希望があるかのように目に力があるのだ。


傭兵風の男が薄気味悪いものを感じていると



ガシャーン


突然窓が破砕し、そこから男が中に飛び込んできた。

次の瞬間、旦那と呼ばれた男以外の誘拐犯は、風の刃で首を切り落とされて死んだ。


1秒で倉庫を制圧したのは、もちろんジンだ。


旦那と呼ばれた男が逃げようとしたので、片足を切り落とした。


「ギィヤーー・・・」


耳障りな悲鳴を風で遮断して女達のところに行く。


「ご主人様来てくれた」

「当たり前でしょ、あたし達のご主人様なんだから」

「うん、・・うん」

「ご主人様大好き」

「ご主人様愛しています」

「抱いて」


メイド達は、ジンが来てくれたことに歓喜している。よかった酷い怪我はないようだ。


「みんな良かった。クレアさんも大丈夫ですか?」


ボーッとしているクレアさんに話しかける。


「え・・・は、はい。大丈夫です。」


「良かった」


「(ジンさん、王子様みたい)」


「・・・クレアさん、俺今『嵐帝』状態だから、その、聞こえたんだけど」


「えっ」


クレアさんの顔が真っ赤になっていく。普段のできる女の雰囲気はそこにはなく、恋する乙女のようなクレアさんがいた。普段とは違うクレアさんに新鮮味を感じる。


しかし今は時間がない。女達の縄を解くと皆を外に出す。

しばらくしてタッドが到着して女達を預ける。


ジンは、倉庫に戻って旦那と呼ばれた男に近づき


「依頼人は誰だ?」


「喋ると思っているのか?」


「喋らせるんだよ」


ジンは、女達に聞こえないように風を操作して音が漏れないように部屋に防音を施す。

そして、まず切り落とした足の切断面を焼いて止血する。勝手に失血死されたら困るからな。


「いあ゛あ゛」


体を焼かれて悶えている男に


「喋りたくなったら話せ」




その後、数分後男は通信用の腕輪を持ってきた男の名前を喋った後に死亡した。依頼人については最後まで喋らなかった。


「ジン殿どうでしたか?あの男、黒幕を吐きましたか」


「今から確認に行く。タッド師団長は彼女達を頼む。もし傷つけたら・・・・・想像に任せる。」


「わ、わかりました。では、男を連行します。」


「ああいいよ。もう死んでるから」


「・・・・・」


この場にいた兵士達は、女達の護衛に全力を注ぐことをひそかに決意した。


「じゃあ俺は城にようがあるから先に行く。」


城に向けて走りながら。自分の心を落ち着かせ脳をフル回転させる。そしてひとつの回答を導き出した頃に城に着いた。

城にはアリシャが待ち構えていた。


「何があったの?」


「俺に対して妨害があったんだ。それでちょっとラウルにようができたんだ。」


以前からジンに対して憎悪を抱いている男だ。


もう少し細かい事情を話して、聞きたいことを聞く。


「そういえばラウルは、腕輪を紛失している。弁償で30万ギル払ってた。」


「ありがとうアリシャ。後は直接聞こう」


ラウルは、すでに見つけている。



しばらくして、ラウルは捕獲した。今目の前には椅子に縛られたラウルがいる。


「ラウル師団長、あなたが捕らえられた理由はわかっていますね。」


アリシャが問い詰めるが


「何のことだ私はしらん」


「これの持ち主がお前からもらった、と証言している。そして持ち主は、俺の身内に手を出した。この意味がわかるな」


「なっ、・・・いや、ち、違う、まて、俺は何も知らない。俺はただ横流ししただけで。あんたの身内に手を出すつもりなんてこれっぽちも。」


「だろうな」


アリシャとラウルがポカンとしている。


「え?」


「どういうことジン?」


「考えてみてアリシャ、こいつは紛失してすぐに弁償している、ただの師団長に30万ギルなんて大金払える訳がない。つまりすでにパトロンがいたんだよ。つまり裏から糸を引いているやつは別にいるんだよ。」


「そ、そうなんだ、俺は売っただけなんだ」


「それも立派な犯罪だがな」


項垂れるラウル。


「なんでそんな面倒なことを?」


「こいつを身代わりに殺すつもりだったんだろ。腕輪を証拠にしてな。」


「な、んで、俺なんだ」


ラウルは、理解が追い付かないようだな。


「お前が俺に恨みを持っていたからだろう。ただそれだけだ。」


「そんなことで」


「ジンどうするの?殺すの?」


ラウルが肩をビクッと震わせる。これからどうなるかを想像したのだろう。ラウルは以前、ジンにボコボコにやられた過去がある。


「まずはそうだな、お前が腕輪を売った相手は誰だ」


「た、たぶん、カルモンド王国のグスター王だ。話を持ちかけて来たのはグスター王の側近だったし、一度だけ腕輪に関してグスター王に声をかけられた」


グスターが意味もなくただの師団長に声をかけるわけがないこれは確定だろう。

グスターか、・・・あいつはそろそろ殺してやろうか。


「そうか。じゃあ後は横領で儲けた金の倍を国に納めろ。それで許してやる」


「えっ」


「いいの?ジンは男には容赦しないと思っていたんだけど」


「ラウルは利用されただけだろ許すさ。だがな、ラウル次はないからな、これに懲りたらもう少し真面目に生きろよ。」


「あ、ありが・・とう」


「ジンがそういうならいい。でも師団長の役職をそのままにはできない。」


「それは任せるよ。そろそろ戻らないといけない。」


ジンが歩き出すと


「ジン」


アリシャが、呼び止める。

ジンが振り返ると、アリシャが飛び付いて来てキスをしてきた。


「頑張って」


とても不安そうな表情を見せる。アリシャの不安な顔を見るのは初めてだ。

安心させるために今度はこちらからキスをする。長めのキスをして頭を撫でてから離れる。


「ああ、任せろ。行ってくる。雷の聖痕を発動『雷神』」


開戦から八時間が過ぎた頃、ジンは『雷速』を駆使して『無得と魔物の大地』を目指す。



稚拙な文章ですが、よろしくお願いします。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


ご指摘・ご感想等ありましたらよろしくお願いします。


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