表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
42/74

40話 英雄VS二人の王


勝負は、闘技場を使うことにした。この場に来たのはクイント皇国とヤマト国とテンプル騎士国とカルディアとシャールだけだ。残りは各々の部屋で待機している。


先にやるのは、騎士王だ。白と赤の全身甲冑フルアーマーに、両手剣だ。両手剣には、これといった装飾はない無骨な剣だが騎士王が持つのだナマクラではないだろう。ジンはテツを一刀モードで構える。


「本当に、精霊術も使っていいのか?」


「ああ、構わない。というよりその言葉遣いが素かい?」


「そうだ。あれは、会議進行用だ。」


「まあいいや、そんなことは。さっさと始めよう。」


「殺し以外何でもありの単純ルールだな。クリスさん、トウカさん審判をお願いします。」


「はい」

「わかりました。」


「(テツこの戦いに切れ味は、必要ないから。初撃を受けたらすぐに二刀になって。)」


小声でテツに話しかける。


「【はい】」


「それでは、両者よろしいですか。それでは・・・・・始め!」


ジャック騎士王との試合が始まった。


一瞬で間合いを詰めた騎士王が剣を降り下ろしそれをジンが受ける。受けたところでテツが二刀に分かれる。余った一振りで騎士王に斬りつける。奇襲のこの攻撃を騎士王は難なく回避する。


「ふっふっふ、君が黒刀を二刀つかうことは「『陸津波』」知ってうぇぷ」


お喋りしている騎士王に、大量の水をぶつける。一応威力は押さえてある。


「喋っている時は、聞くものじゃないかね。」


「ならもういいか?」


「うん?ああ来たまえ」


ジンは、水浸しの地面に手をおいて


「『流雷』」


ビリビリビリ・・・バタン


トウカがジャッジをくだす。


「・・・ジン様の勝利。」

「・・・お父様、・・・はぁ」


溜め息をつくクレス。


「次は、父上ですね。無様はさらさないでくださいね。(ニコッ)」


トウカさん恐っ


「お、おう」


次はヤマト国のキリガネ王との試合だな。

キリガネは侍スタイルで武器はもちろん刀だった。


「始めてください。」


キリガネがとった戦法は、高速移動と連続攻撃だった。キリガネは、高ランクの気闘と独特の歩法でジンの周囲を縦横無尽に移動して攻撃を仕掛ける。ジンは、その攻撃を二刀と風による空間把握で最小限の動きですべて防ぐ。

高速ゆえに短い時間の間に多数の攻撃をすべて防がれたキリガネの動きに隙ができる。この時キリガネが攻撃を誘っていたのかはわからない、何故ならジンは攻撃をせずにキリガネの足を思いっきり踏んづけた。そのままその足を精霊術で地中に埋め動きを封じる。


「んな」


焦るキリガネから距離をとりキリガネの周りに五つの火球を作り出す。


「こ、殺しは無しだぜ。だ、だからまだ負けじゃねえ」


悪足掻きをするキリガネに、聞こえないように風を操作して、他の者に耳を塞ぐように伝える。

気絶している騎士王以外が耳を塞いだのを確認して。


「『炎爆陣』」


キリガネは全方位から衝撃と爆音を浴びて昏倒した。


クレスがジンの勝利宣言を行う。


「ジン殿の勝利。」


「捕まったところで素直に負けを認めていれば、みられた試合だったのに、まったく父上は」


爆音で飛び起きた騎士王が起きて早々


「あれでは、納得できんもう一度やろう」


ふざけたことを言っている。『流雷』の後でこれだけ動けるということは、あの鎧に何かあるのだろうか。


「お父様、何を言っているのですか?ど突きますよ。」


「まあ、いいですよ。」


「話が早い。いくぞ」


ジンは、テツを一つに纏め気を流し本気で、振るってきた両手剣に斬りつける。


カラン


両手剣がポッキリ折れ刀身が地面に落ちる。一度受けた時に不思議に思っていたが、やはりこの両手剣、ナマクラだったようだ。しかしこのナマクラで最初の攻撃のときにテツで受けた時に折れなかったことが凄い、よほど気をうまく流さないと一撃目のときに両手剣の方が折れていただろう。


「うっ、まいった。」


この言葉でこの騒動は一応の、決着がついた。

そのあと


「いやあ、噂道りの腕前だね。あれで聖痕無しか、凄まじいね。」


「まったくだ。俺の攻撃をすべて完璧に防ぐたあ大したもんだ。」


口々に褒める二人に


「よく言う。二人とも本気では、なかっただろうに」


「あれ、バレてる。」


「そりゃあジャック殿の剣なんか、ナマクラもいいところだし、キリガネ殿も剣技だけでしたし」


「「あの〜」」


二人の王の娘が、不思議なものを見るような顔で


「何故父上たちは、仲良くお話ししているのですか?」


「お父様も会議が不満で勝負を始めたと記憶していますが」


「ああ、あれかあれは嘘だ」


「その通り、つまりやらせだ。」


娘二人の周り温度が急に下がった気がする。


「・・・何故そのようなことを?」


「あそこでごねたらジンと戦えると思ってな。」


「右に同じ」


「父上」「お父様」


「「ちょっとお話が」」


二人の王は物陰に連れていかれ。


「娘よ、どうしたのだ?」


「トウカどうした?」


「娘よその腕はそっちには曲がらなああああああ」


「トウカその手に持っているのは、なんぎゃーーーーーー」


二人の制裁はしばらく続いた。




「ああ、テンプル騎士国は、『無得と魔物の大地』に同行する。」


「ヤマト国も同行する。」


「ジン殿申し訳ありませんでした。」


「ジン様すみません。父上がとんだ粗相を。」


「いや、気にするな。俺もそんなことだろうと思っていたから。」


「??どうしてそんなことが、わかったのですか?」


「俺の名前が出てからこの二人ずっと無言だったし、お互いを見て無言で相談していたみたいだからね」


「それだけですか?」


「ああ、だから確信があったわけじゃないよ。それはともかく今日出発するには中途半端な時間だな。出立は明日にしよう。」


「クルト他の王にも伝えておいてくれ。」


「わかった」


「それじゃあ、俺は屋敷に戻って仲間と打ち合わせをする。護衛の方は、クルトの方で頼む俺のチームは別のやつを守るからな」


「別?まあ君のことだ、きっと考えがあるのだろう。護衛の方は任せてくれ」


「じゃあクレスさん、トウカさん失礼します。」



屋敷に戻ると、ミリアが迎えてくれた。


「ご主人様、会合の方はどうなりましたか?」


「明日『無得と魔物の大地』に行くことになった。」


「それには、私たちも行ってよいのですか?」


「ああ皆で行く。あと亜人の子達も連れて行くからお前達はその護衛を頼む。」


「亜人の人たちもですか?何故ですか?『無得と魔物の大地』は決して安全なところではないですよ」


「一度目の侵攻は、人間の国だけで何とかなるが、二度目の侵攻は人間の国だけでは難しいんだ。だから亜人にも協力してもらう。そのために現実を知る亜人が必要なんだ。もちろん無理強いするつもりはない、これから頼みに行く。」


「そういうことですか。でも、ふふ、ご主人様の頼みを断るとは思えませんねえ」


意味深なことを言うミリアをおいてキリとユリのところに向かう。


コンコン


「キリ、ユリいるか?」


「ご、ご主人様!?」

「ちょ、ちょっと待って」


中からドタバタ聞こえる。しばらくして、ビシっとメイド服を着たキリとユリが出てきた。


「どうされたんですか?」


「ちょっと話があるんだ。入っていいかな?」


「どうぞお入りくださいご主人様」


「どうしたの、ご主人様?」


二人に『無得と魔物の大地』に同行してほしいと理由と一緒に説明する。


「確かにちょっと危険なんだけどそこは俺たちが」


「いいよ」

「いいですよ」


「・・・そんなあっさりいいのかい?」


「ご主人様のお役に立てるなら。かまいません」


「私たちご主人様のこと大好きだし、その方が一緒にいられそうだし、問題なし」


「二人ともありがとう」


二人を抱きしめ頭を撫でる。


「「ご主人様~」」


二人の甘えた声が耳元で聞こえ、頬をスリスリしてくる。小人の体は人の子供と変わらないのでお肌はすべすべでやわらかくて気持ちいい。三人でしばらく戯れた。


「もう行くのですか?」


「ほかの亜人達にも話しに行かないといけないんだ」


「我慢しなさいユリ」


「キリ、ご主人様の服を放してから言おうよ」


「あぅ」


二人の頭をもう一度撫で


「それじゃあ行くね」


「「はい」」


ここ数ヶ月の仕事でたくさんの奴隷が屋敷に集まっていた。屋敷にいる亜人のほとんどは、ジンが奴隷から開放した者がほとんどで皆ジンに恩を感じている者ばかりだったからだろう。他の亜人たちも快く同行を了承してくれた。


その夜ちょっとした事件が起きた。


「「「ご主人様添い寝させてください」」」


夕食を済ませてジンが自室に戻ると屋敷で働いているメイドたちがあられもない姿で待ち構えていた。下着姿の者もいればネグリジェ姿の者もいるさすがに全裸の者はいないが、この状況はいったいどういうことなんだろう?。


「ご主人様がまた、皇都を出ると聞きましたので」


「添い寝をさせていただく約束聞いていませんか?」


「添い寝をする格好ではないと思うのだが」


「ふふ、ご主人様がお望みならばここにいる12名ご主人様にこの身をささげます。」


「ご主人様、こんな格好で来ているのです。お察しください」


「わかった。みんなベットにいこうか」


その夜12種類の喘ぎ声が、ジンの寝室から聞こえてきた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ