3話 村の状況
まだ夜が明けたばかりのようだった。
ソフィアに村の人を集めて集会を開いてもらった。
思ったとおりだった村の人間はみんな痩せている。これでは餓死者が出ていそうだな。考えていると
ほとんどの村人は、不審そう目で見てきた。まあ仕方ないなよそ者だしちょっと強気に言っとくか。
「まず聞きたいんだけどなんで戦わずに滅ぶ方を選んだんだあんたら?」
「な、なんだと」
「よそ者が知ったような口を」
村人が怒り出す。村人A、Bがうるさいな。
「静かに」
なんか村長ぽいのが出てきたな。ダンディなおっちゃんが村人の格好をしいていた。
「どういうことだね食べ物を捧げなければ我々は殺されていた。なのに君は我々が滅びを選んだと言った。それはなぜだね?」
「なんでって」
俺は、あきれてしまった。今若者を制したところからもおそらく村長なのだろう。村長ですらこの状況の矛盾に気づいていないのだおそらくあまり物事を考えずにすごしてきたのだろうまあこの世界ではしかたないのかもしれないが
「あんたらすでに食べるのに困ってんだろ本来少しずつたべものを奪うのなら生かさず殺さずが基本だ。だが、この村は滅びようとしているなぜだ?簡単だ他の村が逆らわないようにするための生贄に選ばれたんだよあんたたちは」
「そ、そんな」
盗賊が取ったこの手法には、たまに見せしめがないと村が言うことを聞かなくなるからな。
村人たちが絶望の表情を浮かべる。はあ、少しくらい考えろよな。
「ジンさんどうすればいいのですか?」
いち早く立ち直ったソフィアが聞いてきた。
「少なくともこの村ができることはないな。どいつもこいつも痩せていて碌に戦えんだろ」
なんか絶望が深くなってきた。
「盗賊は、どれくらいいるんだ」
「80人ほどで今日の昼ごろに五人ほどが徴収にきます。」
「ならなんとでもなるな」
「えっ、なるんですか」
なんか驚かれた。まあ問題は撃退した後の復讐だよなあ殺るならいっきに壊滅させないと後が面倒だ。
しばらく考え。・・・よしこの作戦でいこう。
「じゃあ報酬の方だが」
また絶望の表情を浮かべた絶望好きだな。
「あ、あのジンさんもうこの村にはなにも・・・」
「ああ、俺がほしいのは旅の友だよそこでだ。ソフィア」
「なんでしょう」
「それをソフィアに頼みたいんだ。」