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聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
32/74

31話 方針と新たな仲間

異世界41日目


朝起きると。


「ご主人様お客様が来ています。」


「誰?」


「アッシュ皇太子様です。」


「アッシュ?」


グーロム王国で、わかれてから一週間もたっていない。とても元王国領が安定したとは思えないのだが、何かあったのか?

不安に思いながらアッシュの待つ部屋に向かう。




予想通り問題が発生していた。俺達は、王城で奴隷の解放を宣言したが、数日たって奴隷を隠し持っているやつらが目立ってきたのだ。

しかし、安易に軍を動かせば、証拠隠滅のために奴隷が殺されてしまう。


そこで個人で、貴族や商人を潰せる俺に白羽の矢がたったのだ。


「わかった。俺の方で対処しよう。」


「ありがとうジン。できる限り手助けはするよ」


アッシュは、俺の返事を聞くとすぐに元王国領に戻っていった。

朝食後アッシュの話を踏まえて、これからのことを決めるためにみんなに集まってもらう。



そこで元王国領の状況を話す。


「そのようなことになっているのですか」


反応はそれぞれだったが、以外とフェリスの反応が一番大きかった。顔は青ざめて俯いている。


「大丈夫か?」


フェリスの肩を抱きながら話しかける。


「その、私、お城の奴隷の扱いを知ってて、とてもひどいことを」


顔は上げてくれたが、その目には涙があった。フェリスには城の生活そのものがトラウマなのだろう。


「大丈夫だフェリス俺達はその奴隷を助けに行くんだからな、それにこの俺が行くんだ絶対大丈夫」


「はい、・・・はい」


フェリスは、一番身近に奴隷がいたんだな。イリヤとリリスは一度奴隷になったが、奴隷を体験する前に俺が助けているから体験はしていない。

フェリスの、記憶から王城の生活を忘れさせるのは、まだ時間がかかるな。

フェリスが落ち着くのを待って話を続ける。


「俺の簡単な方針をこれから話す、

一つ目

元王国領の奴隷解放

二つ目

元王国領の残党の殲滅

三つ目

俺達自身の強化

四つ目

お金を稼ぐ


この四つがおおまかな方針だ。質問はあるか?」


「フェリスちゃんやミリアさんも連れていくのですか?あとレティーシア様はどうするのですか?」


「ああ、二人共同行する。このあと冒険者登録をしにギルドに行く。レティーシアのことは、皇帝に聞かないとな」


「それなら大丈夫だ。アッシュが、同行していいと言っていた。」


アッシュのやつ俺より先にレッティーシアに話していたということは、俺が断らないこと前提だったなあの野郎。

三人の同行に反対などはなかった。


フェリスとミリアに護符を渡す。ちなみに、ティリエルとレティーシアは護符を元々持っていた。

レティーシアは、姫騎士と呼ばれているから不思議ではなかったし、ティリエルはアルベルトが持たせたようだ。テツは、気力と魔力を持たないから使えない。


「よし皆でギルドに行こう」


「み、皆でですか?」


確かに俺達は、9人と多人数だしな。


「今日だけだよ。ギルドカードの更新もしたいし依頼も受けるから。」

一応は納得してくれたので、俺達はギルドに行くことにした。


「へえ、ここが皇国の冒険者ギルドか、大きいな。グーロム王国のギルドって本当に小さかったんだな」


俺たちがギルドに入ると騒がしかったのが一瞬静かになったが、すぐにまた騒がしくなった。しかし、中には元の場所に戻らず俺達に、正確には俺の女達に近づいてきた。こっちでもあるんだな通過儀礼なのか?

顔立ちは整っているが、どうも軽い感じがする金髪のにいちゃんだった。


「ねえちゃん達俺と遊ばない。依頼が終わってばっかりで今結構お金あるんだよね。」


男がミリアに触れようとしたので間に入る


「彼女達は、俺の連れだ。手をだすな」


「オイオイそれを決めるのは彼女達だろう」


「それでしたら話しかけないでください」

「喋るな」「雑魚」

「私達はジン様のものです」

「死ね」「消えろ」


穏やかなものもあるが、暴言のほうが多い。


「な、なんで、そこまで言われないといけないんだ。」


まあもっともだな。


「悪いな。皆も挑発するな。だがこいつらは俺の女だ。もう一度言う手をだすな」


「・・・ちっ」


舌打ちして男は去っていった。


「皆ここはグーロムじゃないんだから、もえすこし穏やかに断ろうな」


「「「ハーイ」」」


「ジン!久し振り」


大きな声で呼ばれた。周りにも聞こえたのだろう。さっきの男もギョッと顔を強張らせた後、胸を撫で下ろしていた。手を出さなくてよかった、とでも思っているのだろう。


「あいつが『英雄ジン』なのか、じゃあ、あの水色の髪の女が『水災の魔女』なのか?」


「『水災の魔女』ってなんですか!?」


ソフィアが悲鳴をあげている。その引きがねになった男が側に来た。


「久し振りだなジーク」


「もうギルドは君の噂で持ちきりだよ。やっぱりジンは、すごいな」


「そうでもないよ。それよりはソフィア達を送ってくれて助かった。ありがとう」


「いいって。そうだカイル〜ちょっと来てくれ」


ジークは、相方を呼びよせ


「お久しぶりです、ジンさん」


あれ、カイルの口調が変わっているような。

俺の疑問が解決する前に、さらに意外な申し出があった。ジークが真剣な顔で


「ジン、俺たちをジンのチームにいれてくれないか?」


何故俺のチームなんだ、普通は女ばかりで入りづらいと思うんだが


「ジーク達は俺達の目的を知らないだろ。なのに何故チームに入りたいんだ?」


これに答えたのは、意外にもカイルだった。


「私達は、昔騎士だったのです。ですが私達は、戦争で主君を失いました。そして新しい主君を探していたのです。そして私達はあなた様に出会いました。仕えさせていただけないでしょうか?」


やっぱりカイルの言葉使いが変わっている。それだけ本気なのだろうか。チーム=仕えることになるのか?。だがチームの増強も必要だそれに彼らは信用できる。俺が数少ない知り合いの冒険者だ。


「わかった。チームに迎えよう、ただ俺は男には厳しいぞ」


「「ありがとうございます」」


新たに二人の仲間が増えた。その後二人はジン達の目的を聞いて。「やはりあなたを選んでよかった」と感慨深げに呟いていたとか。



手早く冒険者登録を済ませ

新しい仲間とギルドカードを見たことがない人達のカードをみることになった。

まず新しい登録組の


名前 フェリス 種族 人間 性別 女

 ギルドランク G

 能力ランク 総合E 気力F 魔力C

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 ジンの料理人 ジンの義妹


名前 ミリア 種族 人間 性別 女

 ギルドランク F

 能力ランク 総合D 気力E 魔力C  

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 ジンのメイド


フェリスとミリアは、完璧に魔術師タイプだな。これでは、後衛に偏ってしまうな。

新しい男どもは


名前 ジーク 種族 人間 性別 男

 ギルドランク B

 能力ランク 総合B  気力B 魔力B

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 一級騎士



名前 カイル 種族 人間 性別 男

 ギルドランク C

 能力ランク 総合C 気力B 魔力C  

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 二級騎士



名前 レティーシア 種族 人間 性別 女

 ギルドランク D

 能力ランク 総合 C 気力A 魔力D  

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 ジンの女 皇女


ありがたいことに、三人とも前衛タイプだった(ジークも前衛だった)。これなら、チームのバランスがよくなるな。

それにしてもジンの女ってずいぶん直接的なったな神の野郎。

残りのメンバーもカードを出す。


名前 ソフィア 種族 人間 性別 女

 ギルドランク E

 能力ランク 総合C 気力D 魔力B

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 水の巫女 精霊術師 水災の魔女 ジンの女


「ジン様~私『水災の魔女』じゃないですよ~」


ソフィアの称号が増えていた。水災の魔女については、かなり不満そうだ。ソフィアは、あの時危ない人を助けていただけだからな。



名前 イリヤ 種族 エルフ 性別 女

 ギルドランク E 

 能力ランク  総合C 気力D 魔力B

 チーム 『世界を結ぶ者達』

称号 ジンのメイド 治癒術師



名前 リリス 種族 人間 性別 女

 ギルドランク B 

 能力ランク  総合B 気力A 魔力C

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号 ジンの護衛 熟練者


名前 ティリエル 種族 龍族 性別 女

 ギルドランク E

 能力ランク 総合C  気力B 魔力C

 チーム 『世界を結ぶ者達』

 称号  ジンの義妹 幼い銀龍


三人のカードには、変化はなかったが、ティリエルのカードを見たときに新しい男二人は、かなり驚いたようでティリエルを長い間凝視していたので


「ティリエルを見すぎだアホども」


目潰しをしてやった。


二人は、悲鳴をあげながら地面を転がった。


「ここまでするか普通?」


「言ったろ、男には優しくないって」


「厳しいって言ってたよ!」


「細かいことは気にするな。最後は俺だな。」




名前 ジン 種族 人間 性別 男

 ギルドランク B

 能力ランク 総合B  気力A 魔力C

 チーム 『世界を結ぶ者達』

称号 聖痕使い 精霊王の友人 救世主 英雄 8人の女に愛される男 奴隷の解放者 精霊術師


『英雄』が増えている。後前からあった称号が変化している。まあ主ではないしな。

さっきまで騒いでいた二人は絶句している。そんな二人は放っておいて次は依頼だな


依頼を見に行くとまた、顔見知りがいた。クレアさんだ。


「クレアさん久し振りってほどでもないか」


「そうですね」


「家は決まりましたか?」


「それがなかなか決まらなくて、今はギルドの空き部屋を使わせてもらっているんです。」


この時、しばらく留守にする屋敷と暇になるであろう使用人達を思いだした。それならと


「クレアさんいい物件がありますよ」


俺は、屋敷を使うように勧めた。最初は、遠慮していたが、屋敷の主要人物が全員出るので信頼のおける人に任せたいことと使用人が暇になることを話してやっとクレアさんは頷いた


「それなら、ご厄介させてもらいますね。ありがとうございます。ジンさん」


後ろの女達からは冷たい視線が送られてくるが気にしない。


細かいことを話したあとクレアさんと別れる。



今度こそ依頼を受けに行くぞ。



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