28話 女達との休日 1日目
異世界38日目
食事中にイリヤが
「これからどうするのですか?ご主人様」
「そうだな~今は聖痕が使えないから、使えるようになるまで、家で束の間の休みを楽しむことにする」
「それでしたら皆さんと順番に楽しむというのはどうですか?」
それいいな、個人と一緒にいられる時間少なかったからな。
「それ採用」
「わたしも賛成です」
声が膝の上から聞こえる。フェリスが俺の膝の上で食事を一緒にとっているのだ。
料理人の特権だそうだ。毎日すると皆が怒りそうなのでほどほどにしよう。
皆と遊ぶということはお金を使うな今の残金は
それほど大きな買い物はなかったがお金は消費するものなので、これまでに細かいところで使ったのが1000ギル、フェリスの服類に1000ギルの2000ギルを使ったので
45000ギル -2000ギル =43000ギル
皇国軍と一緒に行動していたのであまり出費はなかったようだな。
でもこれ俺だけの金じゃあないんだよなあ。まあ、なんとかなるか。
-レティーシアの場合-
お昼すぎにレティーシアが俺の部屋に現れた。
「ジン殿、くじ引きの結果最初はわたしになったのだが、・・・・・何をしよう?」
「確かになほとんど考える時間なかったからな」
「う~ん、・・・あっ、そうだジン殿手合わせをしないか、一度やってみたかったんだ。」
「休みじゃあなくなっているが、まあいいか。中庭でやろうか」
「やった」
レティーシアが嬉しそうにしてくれているならいいか。
中庭に出て俺は木刀を、レティーシアは木剣を構える。
「はじめ」
途中で捕まえたメイドさんに合図をいてもらう。捕まえる時に手を掴んだら赤面された。メイドのほとんどは俺が奴隷から解放した人たちで、恩を感じている人が多い、中には好意を持っている人もいるらしい。
打ち合いを始める。
打ち合ってわかったがレティーシアの剣はリリスのような戦いの場で鍛えられた剣ではなく誰かにならったのだろう技があり型があるようだ。何かの剣術なのだろう動きが洗練されている。ただ少し単調で型に嵌っている分俺にはやりやすい。
フェイントで釣った所に懐に入り足を引っ掛け肩で押し倒す。あっさり転倒してそこに木刀を突きつける。
「負けたか」
ちょっと不満そうなレティーシアを立ちあがらせる
「しかし、依然見たときはもっと早かったと思うのだが」
それで不満そうなのか、手加減したと思われたか
「手加減したわけじゃないぞ、普段は精霊にいろいろ助けてもらってるんだ。さっきのが俺本来の力だよ」
「そうなのか、それでも私は負けたのか」
今度は、落ち込んでしまった。
「まあ俺の師は、刀神つまり神様だからな」
「か、神が師なのか羨ましいな」
「そうでもないぞ、あいつの修行って滅茶苦茶だったし。なんど死を覚悟したことか、おまけに期間が短いからって一時期は、朝昼晩、飯時、寝てる時も風呂の時も不意打ちしかけてきやがって。風呂の時なんか壁壊して女子風呂と繋がってしまって闇の精霊王と鉢合うし。」
ちょっとトラウマになっているらしい。少しトリップしている。
「ジ、ジン殿帰って来い。そ、それより私に対してなにか指摘はないか?」
「あ、ああそうだな攻撃が単調に感じたかな、俺も未熟だからよくわからないけど、少なくともレティーシアの攻撃を受けていて驚きはなかったな。まあその分まだまだ強くなれると思うが。」
「そうなのか、ジン稽古に付き合ってくれないか?」
「いいよ。存分にやろう」
二人で夕方まで汗を流したが、全くといっていいぐらい色気のないすごし方だなレティーシアらしいが。
-ソフィアの場合-
レティーシアとの稽古が終わりレティーシアに先にお風呂入ってもらっていると、
「ジン様、次は私の番ですよ。」
「こんな時間からでいいのか?」
もう日が沈んでいる。あまり時間もないと思うのだが。
「大丈夫です。さっき中庭の稽古見ていたんですけど汗を掻かれていたので、その、一緒にお風呂に入りませんか?」
なんだこの展開、レティーシアとは正反対にとても色気のある展開になってる。まあ断る理由もない
「じゃあ俺からもお願いするよ」
レティーシアがあがった頃に浴室に向かい、先に入って待っていると
「ジン様、お邪魔します。」
タオル以外なにも身につけていないソフィアが入ってきた。髪を頭の上で団子にしているのが新鮮で可愛らしい。
「お背中お流しします。」
「ああ、頼むよ。」
ソフィアに背中を流してもらった後で
「次は俺が背中を流そう」
「えっいいですよ。そんな」
「いいからいいから」
「ジン様手つきがいやらしいです」
「気にするな」
「あっ」
しっかりソフィアの背中を流してさらにちょっとだけいたずらした。
体を洗ったら二人でお湯入る、もちろんタオルは外して入るので全裸だ。
やっと恥ずかしさが薄れてきたのかソフィアが
「ジン様見てください」
精霊術で作った見事な水の鳥を見せてくれた。
やっぱりソフィアの制御は、すばらしいな。この能力があったからこそ奴隷兵5万を押し流す決心が出来たのだ。
ソフィアは俺をすごいと言うがソフィアも少しは自身を持ってもいいと思うのだが。
「すごいなソフィアは、俺も何か作ってみようかな」
そこからは、二人で精霊術を使ったり精霊術の話をしたりして時間をすごした。
そろそろあがろうかと思ったときソフィアが型に頭を寄せてきた。
「私村にいた頃は、こんなことになるなんて思いもしませんでした。ずっとあの村で巫女をやりながら精霊術で農作業を手伝って暮らすものと思っていました。ジン様のおかげで世界を見られました。ありがとうござい・・ま・・・す」
バシャ
言葉が尻すぼみになっていって最後には顔から湯船に顔を落としてしまった。
すぐに抱き起こすと真っ赤になっている。完全にのぼせている。
体を拭いて服を着せ自分の部屋で介抱していると
「う~ん」
「起きたか?」
「あ、ジン様申し訳ありません」
状況も理解できているようだ。
「駄目じゃないか無理しちゃ」
「だって」
ソフィアが口の辺りまで毛布を上げて
「ジン様と二人っきりで話すの楽しかったんですもん」
可愛いなオイ
「ま、まあそれじゃあ仕方ないな、うん」
「ジン殿いますか?」
レティーシアだ
「どうぞ」
「失礼します。よかったソフィア殿は気づかれたのですね」
「ああ、ついさっきな」
「それでですねジン殿、その、夜は私とソフィア殿が閨を共にすることになっているのですが、よろしいでしょうか」
そんなことになっていたのか。明日もそうなるのだろうな。
「もちろん、歓迎するよ。もともとソフィアは、動かせなかったしね」
その夜は、俺を中心に川の字で寝ることになった。ソフィアとレティーシアは、二人とも疲れていたのだろう二人は、手を繋いできた程度で静かな夜をすごした。