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聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
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22話 登城と皇帝

異世界25日目


「ずいぶんと大きいな。」


まあ当たり前なのだが、皇都の城はかなり大きく贅を凝らしている。グーロムの城は遠目にしか見ていないが、皇国の城との格の差は歴然だ。

正直日本出身の俺としては無駄な気がするが、この時代には権威を保つためには必要なのだろうな。

城門に近づくとミリアさんが待っていてくれた。


「お待ちしておりました。ジン様」


「ミリアさん、どうなりましたか?」


顔見知りのメイドが迎えてくれた。


「すぐにお話になるそうです。ついて来てください。」


問題なく通してくれた。

入ってみると城内はとても慌ただしい、グーロム王国が動いたんだろうな


「こちらです」


ミリアさんが扉を開ける。俺達はミリアさんと共に、部屋に入ると


部屋には、男女が三人ずついる、その内一人に問題がある。


「レイシア?何故?」


レイシアがドレスを着て座っているのだ。


「はっはっはっ、実はわたしが皇女だったのだよ」


「えーーーーーーーー」


これはティリエルだ。


「はぁ」


俺はため息をついていた。

ため息を吐く俺を見て残念そうに


「なんだジン驚いてくれないのか」


「想定内だよ、想定内だが」


レイシアいやレティーシアの元に迎い両肩に手を置いて体重をかける


「驚いてはいない、だがな、どこの国に影武者がいるのに一対三をする皇女がいる。この国の皇女はアホなのかバカなのか、というかミリアさんはあれを認めているのか、影武者の存在意義は、なんのための護衛だ、俺が着く前に死んでたら全部台無しだったぞ、だいたい」


「わ、悪かった。すまん謝る」


レティーシアを知る者たちは、怒るというより感嘆していた。

(おお、あの姫に謝らせたぞ)


「まだ言い足りないが、まあ許そう。そんで誰が皇帝かな」


「わたしだ。娘が迷惑をかけた。」


皇帝は、髭をを伸ばした、威厳のありそうな男だった。

それにしても、皇族に対しての無礼を受け流すか、ずいぶん器の大きい男だな。誰も騒がないところを見るとこれは、身内だけの会議らしいな。


「まあ、まず自己紹介からしましょうか」


「そうだな、わたしはクルト・クイントこの国の皇帝だ。」


皇帝の左側の女性が


「アイリス・クイントよ。皇妃をやっています。」


右の男が


「アッシュ・クイントです。一応皇太子です。」


優男みたいだが、目に力のある青年だ。


「アリシャ・クイント。第一皇女」


第一皇女と名乗ったが、明らかにレティーシアより小さい。それに、表情があまりない子だな。


「一応名乗ろうレティーシア・クイントだ。第二皇女だな」


「ゲオルグだ。将軍をやっている」


老将軍といった感じの軍人だな。


「じゃあこっちだな。俺は、ジン異世界人だ。神に、この世界のことを頼まれこの世界に来た。」


「ソフィアです。ジン様の付き人のようなものです。」

「イリヤです。ご主人様に仕えております。」

「リリスです。護衛をやっています。まあジンには必要ないんですが。」

「ティリエルです。銀龍です。」

「テツ。主の小太刀」


ある程度聞いていたのだろうとくに質問はなかった。


「自己紹介も終わったことだし、話に移ろう。」


「そうだな。そちらの要求は何だね?。」


「要求じゃあない提案だ」


「提案?」


「そうだ。魔物の大侵攻については聞いたんだろそれを一緒に防がないか、ていう提案」


「それについては、一応起こるものとして行動することになった。わたし達としても協力体制を敷きたいと思っていた。」


「それはありがたい、これからよろしく」


二人握手を交わす。

レティーシアのおかげか簡単に話がついたな。


「しかし、それには問題もある。軍を動かせば、他国が黙っていないだろう」


「他国は巻き込むしかないだろうな、巻き込まないと攻められる、そうなったら魔物の大侵攻を知っていても王の立場上動けないだろうし、元々魔物の大侵攻は、皇国独力では厳しい」


「目の前の問題もある」


「グーロム王国か、外の様子だと宣戦布告でもされたか」


皇帝は、目を見張った。その情報は、ここにいる者しか知らないはずだからだ。

もっとも感づいている者はいるだろうが、それは少数で情勢に詳しい物だけだ。その少数に入っていることが異常なのだが。


「ほかには、他国を巻き込む方法か、それは後回しにしよう。まずこの戦争だな」


「他国を巻き込むことについては、この戦争に勝てればを何とかなるだろう。勝ち方にもよるが、かなりの発言力を持てるはず。そのためにジン殿力を貸してもらいたい。」


「わかった。それだと勝ち方が問題だな。」


「話が早くて助かる。では、戦争に関する話に入っても」


「お願いする。しかしあなたは一国の王なのでしょうもう少し上から目線でもいいと思うんだが」


「いいのですよ。ここには、身内しかいませんし。戦力についてですが、グーロム王国は


奴隷兵   5万

戦闘奴隷  1万

兵士    2万

貴族の私兵 2万


の約10万こちらは


兵士    5万

貴族の私兵 3万


の約8万の兵がある」


「それなら正面からでも勝てるんじゃないか?5万は奴隷何だろう」


「三つ問題がある。一つ目は、クイント出身の奴隷がいること。二つ目は、戦えば損耗は避けられない。三つ目、これが一番問題なのだが、わが国の南側の国境付近にカルモンド王国の軍が近づいているその数5万これが問題なのだ。宣戦布告はされていないがあの国の王は、グーロム王国と仲がいいのだ」


「どうするつもりなんだ?」


「損害を小さくしてに勝つ方法が今のところない」


しばらく考える。


「俺にいくつか案がある」


「おお、ありがたい。聞かせてくれないかね」


「まずはな・・・・・」


こうして二人の間でポンポン話が進んでしまい。周りは、口を挟む隙もなく呆然として二人を眺めて終わってしまった。


「二人は、何か打ち合わせをしていたのでしょうか?」


「いや、していないと思うが」


レティーシアとミリアさんがそんな会話をしていると


「これなら何とかなりそうだ。アッシュ、ゲオルグ将軍この方針で以降と思うのだが?」


「問題ないと、思われます。」

「それで進めましょう。」


「レティーシア」


「ん・・は、はい」


レティーシアは、呆けていた。


「お前にジン殿の副官を命ずる補佐するように」


「はっ」


「アッシュ、ゲオルグあとは頼んだぞ」


「「はっ」」


二人が、部屋を出て行く。


「ところでジン殿後ろの女性は、君の女かね」


「はいっ?」


「いや、君が複数の女性を愛する男ならレティーシアもどうだね」


「な、なにをいっているのですか、父上」


レティーシアが、照れている。脈アリなのか?しかし


「何が目的ですか?この国に留めておくためですか」


「そんなに深く考えなくていいよ。先程娘を叱って謝らせただろう。あれは、おてんばでななかなか嫁の貰い手がなくてな君ならばと思ってな。あれも君を気に入っているようだし」


「なっななな」


レティーシアが超照れている。どちらかというと綺麗という感じだが、意外と可愛い所もあるな。

なんだかこの流れアルベルト(ティリアルの父)のときと似てるな。


「まあ、すぐでなくともいいさ、今は戦時だからね。」


その戦時に娘の縁談の話かよ、図太いやつだな。


「それじゃあ失礼するよ、特訓しないといけないからな。」


後ろの水の精霊術師の方を向って



「がんばるぞ、ソフィア」



最後まで読んで頂きありがとうございます。


ご指摘・ご感想等ありましたらよろしくお願いします。

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