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聖痕使い  作者: 中間
第一章:人間の国
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15話 討伐報酬と幼い龍

異世界11日目


「お帰りなさいませジンさん。ご無事で何よりです」


俺達は、5日で依頼を終え6日目には王都に戻りそのままギルドに来ていた。


「クレアさんお久しぶりです。これが討伐数です。」


そう言って俺は、ギルドカードを見せる。

クレアさんが俺のカードを、受け取りながら三人に。


「他の皆さんのも見せてもらってよろしいでしょうか、内訳が計算に必要なので。」


三人も渡す。クレアさんが内訳を読みはじめた


「え~とノワールサイ?それも三体!?」


「どうかしました?クレアさん」


「あの、欄にAランクの魔物があるのですが」


「ええ、倒しましたよ。あ、リリスに聞いたんですけど、素材ってここで買い取ってもらえるんですよね。」


「え、ええ、はいそうです。能力ランクCでAランクの魔物を倒しますか、さすが聖痕保持者ですね。・・・ちょっと待っていてください。」


奥に戻り、貫禄はあるが少し疲れていそうな中年の男性が連れて戻ってきた。


「君がAランクの魔物を倒したのかい?」


少し不審そうにしている、仕方ないがちょっとムカつくな。なので証拠を出す


「ええこれがノワールサイの素材です。」


角とノワール鉱石を取り出す。


「こちらの方が例の聖痕保持者です。」


「・・・聖痕を見せてもらってもいいかな?」


クレアさんが話しているのなら仕方ないか。


「どうぞ」


左腕の聖痕を見せる。


「先程は失礼しました。ギルドマスターのガルダと申します。突然ですが特例であなた達のランクを上げたいと思うのですがよろしいでしょうか、クレアの推薦でして。」


「はい?いいんですか?」


「ええ実力がある人に、依頼をどんどんやってもらうためにたまにあるのですよ。受けていただけますか?」


「まあランクが上がるのはありがたいから構わないが」


「それでは、Aランクを倒した、ジンくんはEランクからBランクに、イリヤさんとソフィアさんはFランクからEランクに上げたいと思います。」


「いきなりBですか、よろしいので?」


「ええそれだけ期待しているのです。それでは、わたしはこれで仕事がありますので」


奥に戻っていってしまった。すぐに行ってしまったな忙しいのか?

思わぬ形で昇格してしまったな。


「それでは、報酬についてですねちょっと待ってください」


討伐した内訳は


総合討伐数 812

 内訳

 ノワールサイ 003  ハイウルフ 332  グリーングリズリー 101 ラビットドン 296  バインドスネーク 080

となっている。


上乗せ報酬は

Aランク=金貨一枚

Bランク=半金貨一枚

Cランク=銀貨一枚

Dランク=半銀貨五枚

Eランク=半銀貨一枚

Fランク=銅貨一枚

Gランクの魔物はいないらしい

「上乗せ報酬としては、Aランクが3、Dランクが181、Eランクが628なので。超過の12体を除いて金貨三枚と半銀貨1521枚分なので総額45210ギルになります。」


「「「「おお」」」」


「お金持ちです。」

「一週間で45000ギル、冒険者って儲かるんですね。」

「いやいや本来Eランクの報酬じゃないからねこれ、普通なら10000ギル前後ってところだよ。」


リリスが二人に常識を語っている。

それを横目に


「素材の方はどうなりますか?」


「ちょっと待ってください、ええと、ノワールサイの角700ギル、ノワール鉱石ひとつ250ギルいくつ売りますか?。」


「?ほかにも使い道が?」


「ありますよ、鍛冶屋で加工したり需要の高いところで売ったりですね。」


角は3本、鉱石は14個ある(ひとつはすでに消費している)

一応少し残すか


「じゃあ角を二つと鉱石を12個売ります。」


「はい、ありがとうございます。4400ギルになります。」


合計49610を受け取り


13500+49610=63110


持ち金63110ギル


「クレアさんこの辺りで一番いい鉱石って何ですか?」


「鉱石ですか?」


「金属ならなんでもいいですよ」


「それなら竜輝石がありますが。これは入手困難なんです。」


「なぜです?」


「昔はよかったんですが、今は龍の縄張りなのです。」


いるのか龍が


「龍ってやっぱり強いの?」


「種類にもよりますが上の方は最強種に選ばれるほどです、知能も高く言葉も扱います。」


ぜひ見てみたい、会ってみたい。

それに協力を取り付けられれば大きな戦力になる。決めた


「それってどこにあるんですか?」


「・・・行くのですか?」


クレアとしては心配なのだろう


「行く」


「あなた達はいいの?」


クレアさんは後ろの三人を見る。


「どこまででもついていきます。」

「ご主人様の望むままに」

「右に同じ」


クレアさんがしぶしぶ。


「わかりました。教えますよ、龍のいる場所はノーバル山です。」




異世界13日目


俺は今ひとりでノーバル山にいる。なぜ一人かというとクレアさんが


「ただしあそこは龍がいるのでBランク以上の人しか入れません。」


「「ええ~」」

「やった」


リリスが喜んでるが


「リリスは、王都に残って長旅の準備をしてほしいんだ。」


「ええ~」


三人には駄々をこねられたが何とか説得した。ベットの中で。


そういうわけで一人で山の頂上を目指しているのだ。ここに来るのに一日かかった。

ここは、龍がいること意外はいたって普通のところで。龍がいないころのノーバル山は、Dランクの冒険者が入れる山だった。だから、強い魔物はいないはずなのだ、はずなのだか。


少し先で小型の龍とBランクの牛鬼三体が戦闘していた。いやどちらかというと牛鬼が小型の龍を襲っているようだ。

どうするか迷っている間に牛鬼の持つ棍棒が龍を襲い直撃を受け倒れてしまった。

(悩むのはやめだ)

まず助ける。それからだ


決めたら即行動、駆けると同時に龍に止めをさそうとする牛鬼の顔に炎球を叩きつけ一番近い牛鬼の首を後ろから鉄餓刀で切り飛ばす。

あと二匹、こちらから手を出さなかった牛鬼がここで状況を理解したらしく棍棒を振り下ろしてくる。これの攻撃に対し、右の鉄餓刀で受け流しながら風を纏った左手で喉を貫く。首に穴の開いた牛鬼は、血を吐きながら後ろに倒れる。

あと一匹、最初に炎を顔にぶつけた牛鬼は、仲間が倒されたことで逃げようと背を向ける。その背を見ながら左手を空に掲げる


「『落雷』」


上空に集めていた雷の精霊で牛鬼に雷を落す。

『落雷』を受けた牛鬼は黒焦げになり絶命する。


ひとまず片付いたな。


龍の状態を確認しようと、後ろを向くと女の子になっていた。


「・・・何故に?」


気を失っている女の子が答えてくれるはずも無く、疑問はなくならないが。


「まあまず安全なところに移すかね」


近づくと顔が見えた。文句無しの美少女だ。驚くほど綺麗で長い銀髪だ。年は10歳くらいに見えるが龍であるなら見た目はあてになるのかわからない。


少女が横になれる場所を作りそこに寝かせ、精霊術で結界を作る。

荷物の中で一番回復効果のあるポーションを少しずつ飲ませる。


俺にはこれ以上のことができない、駄目だなあ俺。


夜通し看病を続けいつの間にか寝ていた。




異世界14日目


座ったまま眠っていたらしい、目が覚めると少女は先に起きていた。どうすればいいのかわからないっといった感じだ。

昨日のことを思い出し、こちらから話しかける


「おはよう、体大丈夫?」


「は、はい。大丈夫みたいです。」


答えてくれた。さてどうしたもんか。


「良かったよ、ポーションが効いたんだね。龍に効くか心配だったんだ。」


「あの、ありがとうございます。わたしは、ティリエルと申します。」


「そんなにかたくならないでいいよ。俺はジン、冒険者だ。」


「あの、何で助けてくれたのですか?それにこんなに親切に」


「う~ん、何故と聞かれても特に理由は無いんだよなあ。牛鬼がムカついたからかな?親切にしたのは、君が可愛かったからかな」


「な、なな、なんです。いきなり」


真っ赤になって慌てている。初々しい反応だ。


「いや俺は、君の問いに答えただけなんだけど」


「むう、変な人です。それだけで助けるなんて」


「いやいや、美少女は貴重だよ、宝だよ」


「も、もういいです。それでなにかお礼がしたいんですが」


「そんなのいいよ。」


「そういうわけには」


身を乗り出そうとして


「イッ」


痛みに顔をゆがめるティリエルに


「じゃあお昼までは安静にしておいてくれると助かるかな」


「むう、わかりました。そうさせてもらいます。」


やはり本調子ではないようだ。不服そうではあったが横になってくれた。


「そういえば龍って、なにが食べられるのかな?」


「人と同じ物を食べますよ。」


「それじゃあ軽く食事にしよう。」


持ってきた食べ物の内、果物類を中心に渡す。


「いいのですか?」


「いいのいいの。そういえばこれからどうする?」


「父の所に戻ろうと思います。心配しているでしょうし。」


「そっか」


そういえば俺って龍に会いに来たんだっけ。ティリエルに頼んでみようかな、と考えていると。




「あの、一緒に来てもらえませんか?」



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