10話 登録とチーム名
朝食を終えた俺たちは、冒険者ギルドに、向かっていた。俺は、道中リリスに質問していた。
「そういえば称号てのはどんなのがあるんだ」
「いろいろあるよ?、ピンからキリまであって、すごいのはやっぱり超越者かな」
「確か到達者と超越者は条件があったよな全部そうなのか?」
「大体はそうだね、でも中には神様の気まぐれで、ユニークなものもあるらしいよ」
神様の気まぐれ・・・・嫌な予感がするな
「なあ、登録するときに称号って係の人とかに見られるかな?」
「見られるはずだよ」
どうしよう
「何か困る称号がでるのですか?」
っと、ソフィアが聞いてくる。
「ちょっと神様を思い出したら不安になったんだ、宿で言ったけどまだ目立ちたくないからな」
「はあ」
良くわからなかったらしい。まあ仕方ないかソフィアたちはあの神様に会ったことないからなあ。あいつ神様のくせにいたずら好きなんだよ。
そうこうしている内に、俺達は冒険者ギルドに着いた。
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王都の冒険者ギルドは、あまり大きくない。この国に冒険者があまり来ないかららしい、この国に近づきたくないからだろう。
中に入ると、一応人がいるにはいた。ガラが悪いチンピラみたいなのがたくさん。
チンピラみたいなのは、俺を見た後、後ろの三人を見たらニタニタと気持ち悪く笑ってこちらに近づいてきた。
「なあなあ、嬢ちゃん達そんなのといないで俺達のところに来いよ」
と、腕を伸ばしてきた。動こうとしたリリスを止めて。俺がその腕を掴んだ
「悪いなこいつらは、俺の連れでね」
「野郎にようはねえんだよ。ひっこんでろ」
俺は怒気を込めて
「これが最後だ。俺の女に触れるな」
一瞬怯んで何を思ったのかいきなり殴りかかってきた。
掴んだ腕に電気を流す。声も無く男が倒れた。
これだけで終わってしまった。周りは、なにが起こったのかわらないといった様子だった。
俺はそれらを無視して三人と奥に向かう。
「やっぱりお強いのですね。ご主人様は」
「はじめて見たけど、あっけなさすぎてジンの実力がぜんぜんわかんなかった。」
さりげなくリリスがさっきの男を雑魚だと貶していた。
むかついていたのだろう。
奥のカウンターで受付嬢に
「冒険者の登録がしたいんだけど」
「四名様ですか?」
あれ落ち着いてるな。もう少し怖がられるかと思ってたんだが
「いや、三人だ」
「では、こちらにどうぞ。」
別の部屋に通され
「ずいぶん落ち着いているんだな」
「この国では隙は見せられませんから」
よく見ると彼女は、黒い髪を肩でそろえていて少し鋭い目に眼鏡をかけていて美人秘書といった感じだ。
「大変だな、俺はジンこっちは」
「ソフィアです。」
「イリヤです。」
「リリスだよ~。」
「始めましてクレアと申します。」
ずいぶんクールな人だな。
「それではこちらに両手を置いてください。」
見ると部屋の中央に、腰の高さまである四角い石としか言い様のないものがあった。
石の上に両手を置いて十秒ほどしたら強く光りだした。正直眩しい。
「なんですかこれは、こんなに強く光るなんて。それに時間がかかりすぎ」
「さすが、ジンだね。」
何度か見たことがあるであろうふたりが驚いている。
石からカードと黒い丸薬みたいなものが光から出てきた。出てきたカードは、光になって体に入ってしまった。残った丸薬をもって
「これで終わり?」
「うん終わりだよ。」
とリリスが答えた。クレアさんは、まだ呆けている。
その間に残りの二人の終わってしまった。やっぱり俺のときほど時間はかからなかったし、光も弱かった。
この時には、クレアさんも何とか落ち着いていた。
「それでは、その丸薬を飲み込んでください、飲み込んだらカードを見せてください。登録しますので、出し方は、念じれば出てきます。」
三人とも丸薬を飲み込んだ後、カードを出してみる。
「お、出た出た。」
「よ~し、みんなで見せっこしよ」
「そうだな」
まずソフィアか
名前 ソフィア 種族 人間 性別 女
ギルドランク F
能力ランク 総合D 気力D 魔力C
チーム なし
称号 水の巫女 精霊術師
「精霊術師ですか、珍しいですね。」
「へえ~ソフィアって巫女さんだったんだ。」
次はイリヤだ
名前 イリヤ 種族 エルフ 性別 女
ギルドランク F
能力ランク 総合D 気力E 魔力B
チーム なし
称号 ジンのメイド 治癒術師
「・・・・・」
次いこっか。
はい、リリス。
名前 リリス 種族 人間 性別 女
ギルドランク B
能力ランク 総合B 気力A 魔力C
チーム なし
称号 ジンの護衛 熟練者
「また変なのがある」
「あのクレアさんからでいいですか。」
「まあいいですけど。」
名前 クレア 種族 人間 性別 女
ギルドランク C
能力ランク 総合C 気力B 魔力C
チーム なし
称号 ギルド職員
「それじゃあ真打といきますか。」
ソフィアが嬉しそうに言う。クレアさんも興味があるようだ。顔が近い
「見せなきゃだめだよな。」
「だめですよ」
名前 ジン 男 種族 人間 性別 男
ギルドランク E
能力ランク 総合C 気力B 魔力D
チーム なし
称号 聖痕使い 精霊王の友人 救世主 三人の女の主
奴隷の解放者 精霊術師
「あ、あなた何者ですか?聖痕ってまさか?」
クレアさんを落ち着けるために魔物の大侵攻について話すことになった。
「ということで、できれば内緒にしてほしいんだ。」
「わかりました。世界の危機です、わたしも協力を惜しみません。」
ギルドの職員で目の前でカードを出されては、信じるしかなかったのだろうすんなり信じてくれた。
思わぬところでギルド内に協力者ができた。
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「気を取り直して一応ギルドやカードのことを説明いたします。最初のギルドランクは、能力ランクから二つ下のものがつけられます。
ランクは上位から、SSS-SS-S-A-B-C-D-E-F-G となります。依頼は、自分のランクよりひとつ上の物まで受けることができます。
成功が続けば昇格、失敗すれば降格です。昇格には、自分のランクより下の依頼をこなしてもあまり意味がありません。」
「つまり降格は、依頼のランクに関係なく失敗が続けば落ちるということですか?」
「はい、そうです。丸薬のことは知っていますか?」
「ああ、知ってる。」
「そうですか、あと、能力ランクは、あくまで気力と魔力の平均なので、精霊術師の実力は関係ありません。なのでジンさんは、すぐにランクを上げていけると思いますよ。
最後にチームについてですね、依頼や探索は複数ですることが多いいですし、チームに専門の依頼もあります。あとチームをつくればお金の貯金ができます。個人の貯金は、人数が多くてできないんです。
チームに関してはそんなところですね、どうしますか、チームをつくりますか?」
「そんなに簡単に作れるのか?」
「ええ、チーム名さえ決まればすぐにでも」
「どうするか」
「ジン様が決めてください。私達は、ジン様の女なのですから」
「そうです。ご主人様」
「私もジンが決めていいと思う。」
「それじゃあ」
しばらく考えて
「『世界を結ぶ者達』でどうだろう。魔物の大侵攻には世界の人々の力が必要だ、そして俺達は国を種族を繋げなければいけない、だから『世界を結ぶ者達』」
どうだろう、真剣に考えてみたのだが
「おお~、いいね、それ」
「そうですね。頑張りましょう。」
「今のこのバラバラな世界を繋げる。これは、戦いの後の世界が楽しみですね。」
「すばらしいと、思いますよ。
こうして俺達のチーム名が決まった。