プロローグ 神様に会う
目が覚めると白い空間にいた。
どうすればいいのかわからずにその場で寝ようとすると
「やあ始めまして仁くん」
後ろから声が聞こえてきた。
「誰だお前?」
「この世界の神をやっているものです」
後ろを向くと思いっきり腰曲げて神様が頭下げてる。
見た目は、笑っていること以外あまり特徴のないスーツ姿の青年だった。
「ずいぶん腰の低い神様だな」
「いやあ今日は、お願いする立場なもので」
「・・・・・」
無視していると
「異世界にいってほしいのです」
「・・・・・」
「ちなみにあなたが行かなければその世界は滅びます」
お願いじゃなくていきなり脅してきた。
「・・・何で俺なんだ」
「あなたにしかできないからです。」
「だか「神様の事情です。」らな・・・」
話す気はないらしい。
「たくさんの人間が死にます。老若男女種族を問わず大勢の命が失われます。」
俺はしばらく考えた。異世界に興味がないわけではないのだ、まあまだ夢かもしれないのだが真面目に考えてみることにする。そして
「・・・わかった、行こう・・・ただ一ヶ月待てないか」
「それくらいなら何とかしましょう」
「いいのかよ。」
「何事も余裕を持って行動しないといけませんからね。それでは、細かいことまた後で」
人間くさいことを言う神様だった。
「ああ、わかった。」
・・・後で?
そこで目が覚めた。
「おはようございます」
「・・・・・」
ベットの横でスーツ姿の人形が喋ってた。神様だった。
はあ・・・夢じゃなかったのね。夢に出てきた意味あるのか疑問だ。
あの後いろいろ聞いた事情は
曰く
・その世界は、ファンタジーの世界で剣や魔法や精霊や龍やエルフやらがいろいろいるらしい
・もう少ししたら魔物の大侵攻があるらしいが世界は、それをしらない
・それどころか、戦争までやってるので正直やばいとのこと
・侵攻は三回あってあとになるほど苛烈になるらしい
・俺が選ばれたのは、精霊と相性がいいからと人格らしい(あまり良い性格だとは思っていないのだが)
・俺は、まず精霊界で修行をするらしい(神様は碌な戦闘能力はくれないらしい・・・神様使えねえな)
・今の世界のほうが高位であるため戻ってくることはできないらしい。
・基本的に異世界の情報は話せないらしい。
というものだった。
一ヶ月の間にやったことは、バイトと身辺整理だ。
貯金とバイト代で親に旅行をプレゼントしたり、学校には退学届けを出したり、親友とは今までのことをいろいろと話して清算した。親に手紙も用意した。
そして今日が旅立ちなので両親に気分を重かったのだが、別れを告げようと思ったら
「息子の旅立ちに乾杯」
「「「乾杯」」」
なんか両親と親友と後なんでか元担任がいて宴みたいになってた。
「・・何してるんだ?」
「ああ私が教えましたよ」
神様が人形姿でお茶を啜っていた。
「貴様のせいかーーーーー」
「まあまあ私たちも大体わかってたし正確な日はわからなかったけど」
「普段やる気ないのにここ最近妙に真剣だったからな」
「まさか異世界だとは思わなかったが」
「応援しているぞ」
上から俺、母、父、親友、担任だ
さすが俺の両親とこの俺と付き合いのある友人だな。担任は・・・まあ流石は教師と言ったところか。
こうして小さな宴を開かれた後俺は、異世界に旅立った。
あ、精霊界のほうにな。
しまった手紙を処分するのを忘れた。