第7話 熱血体育教師現る!!
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そして球技大会の練習が始まる。
今気づいたが、桜誠高校に入学してから初めての体育だ。1ヶ月間よく1回も体育しなかったなとこの学校に疑問を覚えた。
しばらくすると体躯の良い大柄の男が入ってくる。
「全員集合!」と大きな声で言う。
「これから3年間、君たちの体育の担当をする大汗体区だ。よろしく」
確かに汗だくだし、この名前しかもはや似合わないな。
「お前らいいか?球技大会っていうのは人生を賭けた本気の勝負だ。覚えておけ」
と大汗かきながら大汗先生が言う。どんなけ重い勝負をしようとしているんだこいつは。
でもこの先生は男子だけにではなく、女子にも厳しい。
「男子はまず腕立て200回、女子は腕立て10回だ!」訂正しよう。女子には甘い。
軽く準備運動が終わると、僕はリレーなので校庭へ行くようにと言われた。
「重り追加だ!こんなもんで1位取れると思ってんじゃねぇぞ?」
リレーって知ってる?足に重りつけるか普通。
これはきっと大汗の洗脳だろう。リレーをラグビーか何かだと勘違いしているようだ。
「中嶋!何ボーッとしてるんだ!罰として5kgの重りつけて走れ!」
この拷問が3時間繰り返された。
やっと休憩に入り体育館に戻るとダンス組が激しいダンスを踊っていた。中でも今井さんは目立っていて、男子の誰もが彼女を見ていた。
ダンス組も区切りがつき休憩に入る。
「真也くん、お疲れ様!」スッキリした顔で言う。
「お疲れ様」と疲れきった様子で一言返す。
すると、今井さんがクスッと笑う。
「リレー大変なんだってね。私も少し見たけど重りつけるんだね」
今井さんも、重りをつける必要なんてないだろみたいな顔をしていた。疲れきった僕は、体育館の壁側にゆっくりと腰を下ろす。
すると今井さんも僕の隣に腰を下ろした。
「あのね、ダンスでさ…」
平然と話す彼女に僕は顔にきっと「?」が出ていたと思う。
前から思っていたことだ。この人は男子との距離感がバグっている。今も肩と肩がお互い触れている。
「ごめん。少し近いかも」と言うと、申し訳なさそうに「あ、ごめん」と僕から距離を取る。
するとチャイムが鳴った。
「キーンコーンカーンコーン」
「いつまで休んでるんだ馬鹿ども。早く集まれ」と大汗が怒声をあげる。
もう少し他の言い方あるだろと思いつつ「じゃあ、行くね」
僕はそう一言残して、その場から立ち去った。
球技大会の練習が終わり、1人っきりの教室で黄昏ていた。すると今井さんが入ってきた。
僕は一瞥はしたが、話しかけることはなかった。
「真也くん、今日はごめんね」としっかり距離を取り、僕の目を真っ直ぐ見つめてくる。
不覚なことに一瞬かわ…。慌てて僕は「いいよ、気にしなくて」と言って逃げるように去っていった。
「なんなんだよ…!」
何だ今の感想は。今まで味わったことがないからか、酷く同様している。
謎の気持ちを抱えながらその日を終えるのだった。
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