第19話 今井さんのこと好きなの?
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今井さんと帰り始めてからというもの、クラスでは僕と今井さんが付き合っているのではないか?
という噂が学校中に広まっているそうだ。
まあ、僕からしても最近距離が近いのではないかと思っている。
でもそれは、特別な感情が混ざっているからではない。
ただ「仲の良い友達として」距離感が近いだけであって…
「真也、最近学校中の噂になってるけど本当に付き合ってるのか?」
隼人…君もか。そう呆れていると高倉がきた。
「やめてやれよ。嫌がってるだろ?で、本当に付き合ってんの?」
あ、ダメだこれ。1番だるいタイプのやつだ。
「別に付き合ってなんかいないよ。ただ友達だってだけ。だから一緒に帰ってる」
僕は当然のことを言っただけなんだが、何となく違和感を覚える。
「ふーん…分かったよ」
なんか納得した感じを出している。だが内心は全く納得していないだろう。
その日の帰り道…
僕はいつも通り、今井さんと帰っていた。僕は噂のこと結構気にしている気がするから聞いてみた。
「今井さん、僕達の噂のこと…耳に入ってる?」
(これ聞くの、結構緊張するな。てか、これ聞けるなら一緒に帰ろくらい言えただろ…)
「うん。知ってるよ。よくあちこちから聞こえるもんね」
だろうな。あんなけ騒がれていて耳に入らないはずがない。
「まったく大変だよね。こういう噂たてられるはさ」
今井さんは「うん」と言うと思ったんだけど、反応が違った。
「別に私は別に嫌…とは…思わないけどな〜」
「え?」
それは…いったいどういう意味で言ってるんだろうか。僕なんかと噂されて言い訳がない。あ、そうか今井さんは僕に気を使って言ってくれてるんだ。
(いつもだから忘れてたけど、今井さんは優しいからな)
「ありがとう…」
僕は聞こえないくらいの声で呟いた。
「ん?なんて言ったの?」
「いや。何でもないよ」
誤魔化すように笑ってみせたけど、胸の奥が妙に熱くて落ち着かない。これは何なんだろう。
今井さんは首をかしげながらも、特に追及せず前を歩き続ける。その横顔が夕日に照らされていて、なぜか今まで以上に綺麗に見えた。
沈黙が流れる。いつもなら自然に会話が続くのに、今日はどうしても言葉が出てこない。
「ねえ、真也くん」
不意に名前を呼ばれて、僕は少し身を固くした。
「私さ、真也と一緒に帰るの、楽しいよ」
あまりにも自然に言うから、少しビックリした。
「え…そ、そうなの?」
「うん。噂とかどうでもいいし。むしろ、そうやって気にしてくれる方が嬉しいかも」
少し照れくさそうに笑う今井さん。
僕は返事をしようと口を開いたけど、声にならなかった。
頭の中では「友達だ」って言い聞かせているのに、心の中では別の言葉が叫んでいる。
僕は、本当に今井さんを友達としてしか見ていないのか?
偽りの僕が君のことを…
その答えを出せないまま、僕らは並んで歩き続けた。
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