第17話 真也と今井さん、最近仲良くない?
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朝の会が終わるとこんな会話が僕の耳に入ってくる。
「最近、中嶋くんと今井さん仲良くない?」
「確かに。付き合ってるのかもね」
僕はきっと頭の上に「!?」このマーク出てたと思う。
まあ、最近は今井さんと話すことも増えてきた。
少し前初めて今井さんと帰った以降、割と頻繁に一緒に帰ってる。
今井さんを見ると聞こえていない様子だ。するととある女子生徒が話しかけに行く。
名前は確か「高橋希」という生徒だ。
この子も最近は今井さんと話ている。
そういえば今井さん人気者だから意識してなかったけど、固定の友達っていうのは初めて見たような気がする。
「彩花、最近中嶋くんと仲良いよね」
「え!?私達そう見えるかな?」
「うん。見える」
今井さんは、どこか嬉しそうな感じがする。すると今井さんがこっちを見てきた。
なんだ?これは何を求めているんだ。僕には分からなかった。
「おい、中嶋。お前今井さんと付き合ってんのか?」
クラスメイト達が聞いてくる。
まさかここまでストレートに聞いてくるとは思いもしなかった。
別に付き合ってないから「付き合ってないよ」と僕は答えた。
しばらくすると今井さんも口を開く。「私達は付き合ってないよ。でも仲の良い友達だよ」
さっきよりテンションが低いような気がした。僕も今井さんに合わせて「うん。今井さんは良い友達だよ」と言った。
「本当かな〜」
「みなさん、早く席についてください」
先生が来たのでようやくこの「ダル絡みの時間」を抜け出すことができた。
チャイムが鳴って授業が始まったけど、僕の頭はずっと落ち着かなかった。
黒板の文字を追っても内容が頭に入らない。
隣の席の今井さんはノートを取りながら、時々僕の方をちらっと見ている。
その視線に気づくたび、心臓がひどく落ち着かなくなる。
(なんだよ……あの時のテンションの落ち方。やっぱり気にしてるのか?)
授業が終わって休み時間。僕は水を飲みに行こうと席を立つと、廊下で待っていたかのように今井さんが声をかけてきた。
「ねえ、中嶋くん……さっきのことだけど」
彼女の声はいつもより小さくて、他の生徒に聞かれたくないという気持ちが滲んでいた。
「え、ああ。ごめん。なんか変な空気にしちゃったよな」
僕がそう言うと、今井さんは一瞬だけ笑った。でもその笑みは薄く、どこか寂しげだった。
「ううん、中嶋くんが悪いんじゃないよ。ただ友達って言われたとき、ちょっとだけ…いや、やっぱり何でもない!」
一瞬、返す言葉を失った。
目の前で小さく笑う彼女が、本当は何を思っているのか、僕にはうまく読めない。
「…ごめん」
気づけば、その一言しか出なかった。
「なんで謝るの?ふふ、やっぱり中嶋くんらしいね」
そう言って今井さんは肩をすくめ、教室へ戻っていった。
残された僕は、手に持った水筒を握りしめながら心の中で叫んでいた。
(ごめんじゃなくて、他に言うことなかったのか!)
彼女の背中は、どこか遠く感じた。けれど同時に、その距離を埋めたいと思う自分が確かにいた。
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