第16話 2人っきりの帰り道
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第16話 2人っきりの帰り道
今日はいい日だ。気のせいだって?いや、きっといい日だ。
なぜなら、今井さんを誘うことに成功したからだ。
これは今井さんが好きとか、そういうことではない。単純に成功したことが嬉しいのだ。
あんな夜遅くまで、誘う時のシミュレーションをした。あんなに早く布団についたのに寝れなかった。
この苦労がようやく報われたのだ。嬉しくてたまらない。
そんなわけで、今日は今井さんと帰る。まだ学校が始まったばかりで帰りのことを考えるのは早いとも思うが。
放課後…
僕は教室を1番早くでた。恋愛ドラマや恋愛小説を見ていると、女の子を待たせるのは御法度なんじゃないかと思ったからだ。
「ふぅー…」
深呼吸をして心を落ち着かせる。帰り何の話をしようか。沈黙が続いてしまうのではないかと色々な考えが頭に浮かんできて、不安が募る。
「真也くん!」
後ろから声が聞こえる。すぐには振り向くことが出来なかった。
勇気をふりしぼり今井さんを見ると「あれ?何かいつもと違うような」
今井さんに聞こえないほど小さな声で呟いた。
来るのがいつもより遅いなと思ったけど…まさか僕と帰るが為に、ここまでしてきたのかな?
ついちょっと数時間前までは何もしてなかった。
なのに化粧をして、髪型までいつもと違う。それだけでいつもの制服を着ているだけなのに別人のように見えた。
「お待たせ!待った?」
「いや。全然待ってないよ」
ここまではテンプレ。まだいけるぞ。呟いたことをそのまま本人に聞いてみることにした。
「ねえ。勘違いならごめんなんだけどさ」
「うん」
今井さんは不思議そうに僕の顔を見つめる。
「なんか、いつもと大分違うね。最初別人かと思った」
すると今井さんは顔を赤面させた。「そ、そうかな?ありがとう」
何だんだよその反応。こっちまで…僕は変な感覚に襲われる。球技大会の時からかな?最近この感覚が多い。
今井さんをみると心臓がバクバクし始めるんだ。この謎をいつかはハッキリさせたい。
「帰ろっか」
「うん」
僕達は少しずつ歩みを始め、校門を出るた。すると今井さんが口を開く。
「私、最近違う道から帰ってるんだよね。あのね通りに犬がいるんだけど、本当に可愛くて」
嬉しそうに話す今井さんを見て、何となくっ微笑ましくなる。
今井さんと学校の話をしながら、しばらく歩いているた。そしたら、道沿いに一つの一軒家が立っていた。外には誰もいなく、なぜだか扉が開きっぱなしになっている。
僕と今井さんが扉へ近づくと
「ワン!ワン!」
リードがつながっている犬が飛び出してくる。その犬は柴犬で、僕が知っているよりずっと小さかった。
「よしよし!」
今井さんが犬を撫でる。いつもよりテンションが高く知らない一面が見れたので、少し嬉しかった。
「なんて名前なんだろうね?」と僕が聞くと「ももって名前なんだよ!」
ももって名前はすごく可愛いと思った。でもそれ以上に今井さんに何かを僕は感じていた。前半にも言った不思議な感覚だ。
「ももに会いたいからこっちの道で帰ってるんだ〜」
「今井さん、犬好きなこと初めて知ったよ」
僕は今井さんのことを何も知らない。強いて言えば、高倉から聞いた過去の一部分しか知らない。
だからこそ、沢山知って信頼を築いていこう。
そこから学校のこととか、先生の話とか色々した。そうしているうちに、あっという間に駅についてしまった。
「じゃあね、今井さん。今日は一緒に帰ってくれてありがとう」
僕は踵を返して立ち去ろうとした…すると「あの!」と大きめの声で言う。
「ん?どうした?」
今井さんは驚きの言葉を言ってきた。
「また一緒に帰りたい」
僕は一言「うん。また一緒に帰ろう」と返した。その後の帰り道はいつもより時間の流れが早く感じた。
今井さんのあの言葉の意味は何なんだろう。もしかしたら特別な感情があるのではないかと自意識過剰になってしまう自分が嫌になる。
本当に、まだまだ分からないことだらけだよ。
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