第15話 君との小さな約束
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よし!昨日は今井さんを誘う練習が沢山できたぞ。おかげで2時間睡眠しか取れてないのだが。
朝、自分の顔を見てみると薄くクマが出来ている。顔のコンディションは最悪だ。
「いってきます」
と言って、家を出る。ヤバい、いつもなら電車の中でだと本を読んで時間を潰している。でも今日はそういうわけにはいかなさそうだ。
緊張しすぎて本が読めないのだ。逆に読んでると頭に誘う時の光景が頭にフラッシュバックして集中できない。
そうしているうちに、学校の最寄りの駅についた。
何だかいつもより、風が冷たい気がする。学校の木にとまっているカラス達も「カー!」と鳴いている。
そんなに怖い雰囲気出さなくてもいいのにと内心思った。
教室へ入り、いつも通り今井さんの隣の席に僕は座った。
今井さんが「おはよう!」と挨拶してくる。や、ヤバいぞこれ。緊張してろれつが回らない。
「お…おはよう」
何だか入学したばかりの時を思い出す。懐かしいな…なんて言ってる場合じゃないだろ僕。
よし、言うぞ。3、2、1それいけ。いくぞ。ほいさ。どりゃあ。
僕の口ずいぶんと重いな。ピクリとも動く気がしない。
「大丈夫?何か辛そうだけど?」
「え!?そうかな!?あ!うなじが痒かったから、かこうか迷ってたんだよね(笑) ははは…」
咄嗟に出てきた言葉がこれだった。僕、本当に頭おかしい奴みたいになってるじゃないか。
すると今井さんは大きな声で笑う。
「何それ!面白いね!真也くん(笑)」
わ、笑ってくれた。緊張感のある空気は今井さんの笑い声によってかき消された…いいんだけど。
「はい、みなさん。おはようございます。授業始めますよ。席に座ってー」
おい、先生。今、めっちゃいいところだったのに邪魔するなと言ってやりたくなった。
そして、あっという間に時が流れたのだった。
僕は今井さんを、誘おうとしたが様々なアクシデントに巻き込まれた。
隼人がだる絡みしてきたり、クラスメイトがいきなり変なダンスを踊り始める奇行に気を取られたり、高倉のファン?が教室に押しかけ教室に入れなくなったりと本当に色々だ。
放課後…
「クソッ」
結局、誘えないまま放課後になってしまった。僕の努力は無駄に終わると…思った。
門に向かって歩いていると、今井さんが走ってくる。ん?何か急いでいるようだ。
「あ!真也くん」
「どうしたの?」と僕が聞くと「この後、用事があって。また明日ね!」と笑顔で立ち去ろうとする。
僕は…
「待って!!」
久しぶりに大声出したな。正直、恥ずかしし嫌だけど…それでも行ってほしくなかった。どうしても言いたかった。
「明日…一緒に帰らない?」
言えた。いざとなればできるんだな。そう、自分を見直した。
今井さんは「うん!一緒に帰ろ!!」と元気に返してくれた。
「分かった。じゃあ、明日玄関で待ってるから」
「うん!分かった!またね!」
今井さんはその場から立ち去る。こんなに嬉しいのは初めてだった。
明日、楽しみだな。今井さんは喜んでくれたかな…
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