第10話 何かがおかしい?
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球技大会が終わり、クラスは優勝で盛り上がっていた。今年は警察沙汰にならないんだな。
毎年とかどうとか言ってなかったか?
「よし!優勝だ!この後みんなでMEONでも言ってご飯でも食べよう!」
学級委員の高倉圭吾だ。こいつは隼人を抜いたモテ男だ。成績優秀、優しい、イケメン、高身長の完璧超人だ。
「中嶋くんも行く?」
正直、あまり行きたくはなかった。でも、たまにはいいかと思っい「ああ、僕も行こうかな」そう返事した。
しかし、僕は異変に気づいた。「あれ?今井さんは?」と僕が聞くと「知らない。手伝いでも行ったのかな?」と誰も今井さんの行方を知らない。
「僕ちょっと探してくるよ」
その場から駆け出す。どこを探してもいない。
しばらくすると会場の倉庫だろうか?そこから女の子の声が聞こえた。
こんな所で話す人いるのかと思った。なので興味本位で顔を覗かせてみる。
するとそこで話していたのは今井さんだった。でも、いつもの雰囲気。満面の笑みでみんなと話している今井さんとは違った。
「はい。優勝しました。ダンスでも1位を取りました」
ん?なんだあの会話は?業務連絡みたいな感じを醸し出している。
するとスマホから少し男の声が聞こえてくる。声だけでしか判断は出来ないが、恐らく40代半ばの男とだと思う。
「お前は俺達の子なんだ。これくらいできて当たり前だよな?どれだけ足を引っ張ってくる邪魔者がいようとお前は1位以外を取ることは許さない。」
まるで奈落の底からでも聞こえてくるかのような、低い声の男だ。
今井さんは高倉の話が聞こえていたのだろうか。みんなでご飯を食べに言っていいかという話を切り出した。
「お…お父さん。この後みんなでご飯食べ言ってもいいかな?」
考えもせずに、答えはすぐに返ってきた。
「なにを言っている。そんなくだらないことの為に勉強を疎かにするのか?ダメだ。帰ってすぐ勉強しなさい」
今井さんは、暗い顔をして「はい…」とだけ言う。
「彩花。あまり父さんを失望させないでくれ。お母さんも悲しむ」
それで、彩花のお父さんは電話を切った。
「うぅ…」
今井さんが鳴き始めた。
な、なんでだ。僕には分からなかった。
親は君の為を思って言っているんじゃないのか?しかもあんな、ただ同級生で食べに行くなんて正直いつでもできる。
僕は…ダメだな。自虐しながらも、励まそうと思った。だから「今井さん」僕は話しかけたんだ。
「あっ…!」
「ごめん…みんなには用事があるから行けないって言っておいて!また明日学校でね!」
無理やり作った彼女の笑顔は…笑っていなかった。
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