仲間が洗脳されてしまったなのよ
今回は仲間が洗脳された話です。
「シャルル様、おはようございますですの」
「シャルル姉様、おはようございますでありんす」
「シャルル嬢、おはようございますざます」
「シャルル殿、おはようございますでごわす」
「・・・・おはようなのよ。急に敬称を付けたり、敬語になるなんて、何があったなのよ」
「それは私の教育の成果です。姫様への忠誠心を極限まで高めたのです」
皆が敬称を付けたり、敬語になったり、変になった。
どうやらマルローゼの教育が原因らしい。
「マルローゼ、その教育を止めなさいなのよ」
「何故ですか。止める理由は特に無いと思います」
「皆の様子が異常だからなのよ。これは教育じゃなく、洗脳なのよ」
「別に異常ではありません。それに洗脳ではありません。これは教育です」
駄目だ。マルローゼに言っても、埒が明かない。
ムサシに相談しよう。
「マルローゼに今の教育を止めるように説得してなのよ」
「何故ですか。姫への忠誠心を極限まで高める。素晴らしいではありませんか」
駄目だ。ムサシも便りにならない。
「皆、お願いだから、正気に戻ってなのよ」
「シャルル様、私達は正気でありますですの」
「シャルル姉様こそ変ではありませんかでありんす」
「シャルル嬢こそしっかりして下さいざます」
「シャルル殿こそ正気に戻って下さいでごわす」
駄目だ。もうどうすれば良いか、分かりません。
絶望的な状況に追い込まれてしまった。
「もう知りませんなのよ。勝手にしなさいなのよ。私は結界に引き籠りますなのよ」
遂に自暴自棄になって、結界に引き籠った。
「シャルル、出てきて欲しいですの」
「シャルル、悪かったでありんす」
「シャルル、もう敬称は付けないざます」
「シャルル、敬語も使わないでごわす」
「姫様、申し訳ありません」
「姫、どうか結界から出てきて下さい」
翌日になり、皆が正気に戻った。
「分かれば良いなのよ」
引き籠りを止めて、結界から出た。